旅立つ二人

1997年12月12日(金)
母さん─ピンクの服─は旅立ちを促されていた。何人かの人が一人ずつ旅立ちを祝っていた。

大変動きにくい脚を、一歩、一歩、わたしは動かしてなんとか家にたどり着こうというとき、母とC─二人は黄緑の地に黒の小花模様のワンピースを着ていた─が帰るところだった。
見送ろうと思った。でも、一度うちに入って、それから改めて出なければならなかった。この脚で間に合うのだろうかと思いつつ家を目指した。
空、重かった。

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