思い出してくれ
1997年7月27日(日)
夕日? 朝日? どっちだろう、オレンジ色の川を見た。
白いキャップの子がいた。
背後からその子の手をとって「しあわせなら手をたたこう」をしようと思って、やめた。
自分がしようとしたことが恐ろしくなったから。
意思のある人を人形扱いしようなどと。
わたしが歌って手をたたくと、白いキャップの子も歌って手をたたいた。
わたしたちの声は消え入りそうで、打つ手は弱々しかった。
この子の方がこの歌をよく知っているはずだ、思い出してくれ、と思いながら、足を鳴らし、手を打ち、を繰り返した。
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