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太陽

1997年8月5日(火)
何かを噛みしめていた気がする。味わっていた。
それから目をつむった──見えた──田んぼが、走る列車のガラスがない窓の外に広がっていた。
細くて濃い緑の苗がしっかり植わって風に吹かれていて、水は黄色い朝日をいっぱいに受けて黄色く透明だった。
果てることなくつづく風景。
列車は太陽を追いかけて走っていた。いつでも太陽の隣にいたいようだった。

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