子どもの背中
1997年3月14日(金)
fと橋を渡り、骨董屋の前に来た。
fがわたしの後ろ姿をじーっと見ている。
彼の片方の目は覚めていて、片方の目は眠っている。
わたしはおとなだけど、後ろ姿は子ども。
足裏に地面を感じて立っている。
自分の荷物は脚と脚の間にしっかと確保している。
「子どもの後ろ姿」は恥ずかしくない、決して。
わかっていても、少しばつが悪かった。
地面を感じて立っている子どもの誇りがかすかな怯えをそっとなぜた。
よし、見てください。
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