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死ーねー!!!

1997年10月13日(月)
母が荒れた部屋でせかせか食事していた。
母によって大変傷つけられたと感じているのにわたしは母のそばを離れることができないまま、ヒリヒリと落ち着きなく座っていた。

手の中にはごみがあった。おぜんの上にタウンページを破りとった一枚があったので、手の中のごみをその紙で包んで捨てようと思い紙を取り上げたら、玉子焼きの皿があった。紙はほこり避けに置かれていたのか。
母がわたしのためにつくってくれたと思った。うれしかった。
うれしいけれども、さっきのことが無かったようにはならない。複雑だった。

手の中のごみを包んだ。水が滲み出したので、ごみ箱へ捨てにいった。
戻ると、母が怒った様子で玉子焼きを食べていた。

二階へ駆け上がり、突っ伏した。
あれがお母さんのやり方だ。棘棘、苛苛、忙しそうに、押し付けがましく、無言で「あんたのせいで大変だ!」って人を脅かして、人を傷つけて、玉子焼きなんかもつくってくれるけど、すぐに急に喜べなくなってるわたしに腹を立てて、一度出しても引っこめちゃう。お母さんに愛されたかったら、たとえお母さんに傷つけられても、痛がっちゃいけないんだ。お母さんが「愛」を出してきたら、すぐに喜んで感謝しなきゃいけないんだ。

泣いた。くやしくてたまらなく悲しかった。

「死ーねー!! 死ーねー!!! 死ーねー!!! 死ーねー!!! 死ーねー!!!」

声は殺した。
身を引き千切られるほど苦しくても、内臓を全部出してしまうような力で、死ーねー!!!と言わずにはいられなくても、お母さんに気づかせてはいけない、お母さんは弱いから。

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