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同じ“だし鍋”でも何が違う? 多彩な鍋つゆの味を分析して比較してみました!

冬においしい料理といえば「鍋」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか? 寒くなると家族や友達と鍋を囲む機会が多くなりますよね。ぐつぐつと煮える具材は目にもおいしく、食べればぽかぽかと体を温めてくれます。

そんな鍋の季節に大活躍するのが「鍋つゆ」です! 具材をいれて煮るだけでおいしい鍋が出来上がります。

今回は「鍋つゆ」をテーマに深く掘り下げていきます!

鍋料理の移り変わり

鍋を食べる際に重視することは何でしょうか? この質問への答えが鍋の人気の秘密と関係がありそうです!

紀文食品の【鍋白書】によると、鍋の重視すること・鍋にしようと思う時という設問には「野菜がとれる/食べたい」「簡単さ・手軽さ/調理や片付けを簡単に済ませたい時」といった回答が挙がりました。鍋ひとつで複数人分の食事を作れるのは大きな魅力と捉えられているようです。

また、「手軽」といった回答と並んで「一品でいろいろな食材を食べたい時」「締めのメニューを楽しめる」といった豊富な具材を楽しめる点も人気の秘訣と言えそうです。

株式会社紀文食品 紀文・鍋白書データ(2020年調査版)より
https://www.kibun.co.jp/knowledge/nabe/data/ranking/index.html

【鍋白書】では2018年からランキングに登場している豆乳鍋は、豆乳ブームによって広まり、今では鍋つゆ商品も出るほどの定番メニューになりました。他にもトマト鍋やカレー鍋など、洋風の変わり鍋も登場しています。
また、牡蠣やあん肝など高級な具材をたっぷり使った痛風鍋や、味わいばかりでなく見た目も華やかなレモン鍋など、インパクトのあるビジュアルは食事を楽しくするのではないでしょうか。

「鍋つゆ」も鍋の種類が多くなるのに比例するかのように品揃えを増やしてきました!
定番の寄せ鍋用つゆはもちろんのこと、トマトベースやカレー味、“だし”や“具材”を大きく打ち出した鍋つゆなど、様々な種類の鍋つゆが登場しています。具材を入れるだけで簡単に鍋が楽しめ、寒い時期に大活躍する鍋つゆですが、どのような味わいをしているのでしょうか?

今回はバリエーション豊かな「鍋つゆ」を集めて、科学的に味わいを分析してみました。これから寒くなる今の時期、ぜひご覧ください!

実験概要 2021年3月調査
鍋つゆ
カゴメ「完熟トマト鍋スープ」、無印良品「ミネストローネ鍋」、モランボン「はまぐりだし寄せ鍋つゆ」「鯛だし寄せ鍋つゆ」「もやし坦々鍋用スープ」、久原本家「もやしのうま鍋」「はくさいのうま鍋」、日本食研「白菜しょうゆ鍋つゆ」、ほか3品
味覚センサを用いて味分析を実施

鍋つゆの味を分析してみた!

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今回はトマトベースの鍋つゆ、だしベースの鍋つゆ、もやしをメインにした鍋つゆ、白菜をメインにした鍋つゆなどを分析し、味を比較してみました!分析した11品の平均を基準(ゼロ)として、縦軸にうま味と酸味、横軸に味の濃さをとったグラフになっています。

特に注目してほしいのがトマトベースの鍋つゆがグラフの左下に集まっていることです! 2品とも酸味が際立つあっさりとした味わいになっていることがわかります。トマト鍋の具材としてメーカーが推奨するウインナーやチーズを加えたときに、鍋全体の味に厚みが増す味バランスになっているのではないでしょうか。
トマト鍋を食べたときのことを思い出してみると、スープがあっさりしていることによって具材の味がしっかり感じられるような気がします! またトマトの酸味があることで野菜の甘さやチーズのコクなどがいつも以上に実感できるかもしれません。具材と一緒に楽しむことを想定した味わいになっているんですね!

トマト鍋といえば“シメ”のバリエーションが多いのもひとつの楽しみですよね! 王道のチーズトマトリゾットや麺を加えてナポリタン風にしたり、卵と米を入れればオムライス風にもできるそうです!

(参考)カゴメ 完熟トマト鍋 シメのアレンジレシピ
https://www.kagome.co.jp/products/brand/tomatonabe/shimearrange/

各鍋つゆの味バランスは?−だし鍋編−

ここで、鍋つゆの種類ごとに詳しく味バランスを見ていきましょう!

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