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経営経験を積みつつ考えてきた「リーダーシップ」の3つの構成要素

こんにちは!伊藤です。

Zenyum Japanを立ち上げてから早いものでもう8ヶ月が過ぎました。おかげさまでパートナークリニック様も拡大し、さまざまなお客様にも使っていただけるようになりました。メディアの方々からもお問い合わせをいただき、これからがさらに楽しみです!

ぼくはコンサルタントや経営企画としてキャリアを積んできていて、その途上で「経営トップはどのようなふるまいをすべきか」「リーダーシップとは何か」という点についてはいろいろと考えてきたつもりでした。ただ、実際に経営者として組織を率いる立場になってからは、過去に考えていたことはやはり「つもり」に過ぎなかったのかも…とも思いました。

立ち上げ当初は、初期採用や法人登記、マーケティングを回す準備やウェブサイトや各種システムの日本語化、パートナークリニックさまの拡大等、本当に目まぐるしい日々でした。最初はメンバーも少なかったですし、PMO兼メンバーとしてゴリゴリ前に進めていく、そのような動きが必要でした。これは今までもかなりやってきたことではあるので、トピックは違えど動き方としてはそこまで違うことはなく、スムーズにこなせたかなと思います。

その後、実際にビジネスを回し、お客様やパートナー様に満足していただき、その後のアフターケアやさらなるビジネスグロースをしていくフェーズに入りました。ビジネスが大きくなってくるにつれて、助けてくれるメンバーも増え、どんどん仕事を先回りしてやってくれてありがたい限りです。ぼくもまだまだハンズオンでいろいろやっていくフェーズではありますが、より「メンバーのみんなが楽しく働き、パフォーマンスを最大化できる環境をつくること」の重要性が増してきました。

創業者をはじめとしたいろんな人に、「リーダーシップとは何なのか?」「どうしたらみんなが良いテンションで働けるのか?」などなどいろいろ聞きつつ、自分でも腑に落ちる答えがないか探しながら働いていました。今のところの答えとして、「将来構想を作り、語る力」「それを証明するロジックを作る力」「将来構想実現の阻害要因を排除する力」の3つかなと思っています。

将来構想を作り、語る力

これはいろんなところで「リーダーシップの構成要素」として語られているものだと思いますが、非常に大事だなと改めて思います。

もちろん経営者として短期的な各種KPIの向上はマストなのですが、単純に「売上をあげよう」「コンバージョンレートをあげよう」「アクセス数をあげよう」とやるだけでは不十分です。日次で重要な数字を追っていき、素早く分析&改善を続けることはもちろん重要なのですが、それだけで全メンバーの温度感を上げきることはできません。KPIを追うだけだと、なんとなく作業感が出てしまうこともあるかと思います。

そうではなく、中長期的にどのような世界を創っていくつもりで、それに対して自社がどのような貢献をしていくのか。今はどの段階にいて、それに向けて実際に進めているのか。人の心をグッと掴み、動かす将来構想を作り、自信を持って語り続ける必要があります。

抽象的な世界観だけではなく、そのときに自社がどのような状況になっているか、具体的な数字も用いて、「そんな世界を一緒に創りたい!」とメンバーのみんなに思ってもらうこと、これがリーダーシップを構成する一つ目の要素かなと思います。

将来構想を証明するロジックを作る力

これは創業者がとても重視していることで、直接この重要性について1on1で教えてもらいました。高いレベルの将来構想を語るのはもちろん大事なのですが、それに携わる人たちが「えー、それほんとにできんの?」「いろいろ言ってるけど、できる根拠どこにもないよね」みたいな気持ちを持ってしまったら、組織から熱が失われます。それがさらに悪化していくと、「経営陣はいっつも夢語ってるけど、その前に目の前のいろんなことなんとかしろよ」みたいなあきらめの空気が蔓延してしまい、一丸となって将来構想を実現する!という状況とは著しく乖離してしまいます。

もちろん社長をはじめとした経営陣は、さまざまな情報を入手&咀嚼しており、「この将来構想は達成可能」と思っているからこそ堂々と語っています。しかしながら、そのロジックはほとんどのメンバーに伝わっていない、ということは往々にしてあります。

せっかく素晴らしい将来構想を作っても、それがメンバーに信じてもらえなければ意味はありません。そのような状況を防ぐために、「なぜそれができるのか」を定量的、定性的に説明する力が必要です。市場の伸び率、競合企業の状況、他国での展開、実行予定の施策がうまく当たった時のインパクト、そのようなものを総合的にまとめ、「ほら、こうなったら達成できるよね」と全メンバーに信じてもらうのです。

そのためには、今市場や競合がどんな状況になっているか、自社の現時点の各種KPIはどうなっているか、それらを総合すると何が言えるのか、常に考え続ける必要があります。定性的なビジョンをぶち上げていればいいわけではなく、それの定量化および達成までの道筋づくりができるか、が問われているなと感じています。

将来構想実現の阻害要因を排除する力

将来構想を熱量たっぷりに語り、さらにそれを実現可能である理由をさまざまな観点から証明し続けることができれば、組織の熱量は上がっていきます。しかし、実際にそのままスッと行くわけではありません。

高い志を掲げたとしても、日々さまざまな問題や予想外の事象は起き続けます。「思った以上にマーケティングコストが高い」「営業成績がなかなか上がらない」「社外のステークホルダーとの理解が進まない」「組織内で人間関係的な問題がある」などなど、将来構想を実現するために避けては通れないことが山積しています。もちろん頼りになるメンバーたちがそれらもガシガシ解決はしてくれますが、「じゃあ任せた」だけでは不足するケースがあります。

もちろん、各メンバーの主体性と能力を信じて任せることが重要であることは間違いないのですが、中にはメンバーだけではなかなか解決が難しい、もしくは解決できてもスピードが出せないケースがあります。そのような状況のときに、自ら腕まくりをして現場に入っていき、スピーディに解決する力も求められていると感じています。それができると、「この人にならついていってもいいかな」という信頼感を醸成できるのではないかな?と思っています。

とはいえ、毎回すべて腕まくりをしていくわけにもいかないので、「この領域はほぼお任せ」「ここはPM的に入る」「ここは現場メンバーと一緒に泥臭く進める」などなど色分けをしたうえで、パフォーマンスが最大化するために時間を使っていくことが重要です。

そうやって手ずから将来構想実現のためのアクションを取っていくことで、自然とリーダーとして認めていただけるようになるのではないかな、と思っています。

リーダーシップの追求に終わりはなさそう

「将来構想を作り、語る力」「将来構想を証明するロジックを作る力」「将来構想実現の阻害要因を排除する力」の3つが必要、というお話でした。個人的には納得感のいくものではあるのですが、これが唯一の答えではありません。「リーダーシップ」でググったら、多くの人がさまざまな定義をされていると思います。

また、ぼく自身の答えも変わっていく可能性は大いにあります。経営経験をさらに積んでいくうちに、「メンバーを導いていくうえで、実は将来構想よりも大事なことがあった!」という洞察を得る機会もありそうですし、その際はまた改めて言語化できればと思っています。

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