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マウスピース矯正批判について、マウスピース矯正サービス提供企業の社長が考えてみた。

こんにちは!

デンタルケア、および透明マウスピース矯正サービスを提供している会社「Zenyum Japan(ゼニュムジャパン)」の社長、伊藤と申します。

  • Zenyum Japanはシンガポールにある「Zenyum」の日本法人

  • Zenyumはルイヴィトングループと戦略的提携をしている投資ファンドの「Lキャタルトン」や世界最大のベンチャーキャピタルである「Sequoia Capital」などから出資いただいているグローバル企業

です!

Zenyum Japan設立から早いもので1年が経過し、多くのお客さんに矯正サービスを提供してきました。社員の大部分もZenyumの矯正サービスをユーザーとして使っており、歯並びがどんどん良くなっています。

弊社メンバーとゼニュムの透明マウスピース、それと主役の娘さん。かわいい!

もちろんぼくも実際にユーザーとして使っており、すでに10枚目の後半になっています。もともと下の歯がグッと前に出てしまっていて、クリボーのような顔だったのですが、それがしっかり引っ込んできています。痛みもほぼないですし、提携クリニックの先生にしっかり見てもらうことができ、不安もないサービスだなと、1ユーザーとして思います。

サービスとしても非常に良いし、そもそも「歯並びをよくする」という活動そのものがもっと一般的になってほしいと思います。脱毛やメイクなどがどんどん一般的になってきていますが、歯並びはそれと同等、もしくはそれ以上に外見へのインパクトが大きいですし、外見のみならず口腔環境の改善を早いうちに実施しておくことで、健康面の改善もできます。

ちょっと古いですが、2017年の調査では、60代以上の方々の後悔のもっとも最たるものは「歯」だったとのことです。今は良くても、歯や口腔環境のケアを怠ると、人生の後半で後悔することになるのかもしれませんね。

2017年に60代以上の男女400人を対象に行われたインターネット調査によると、ご自身の体について「変化して欲しくなかったこと」「失って後悔したこと」を聞いた質問に対する回答では、なんと「髪の毛」や「体型」を抑えて「歯」と回答した方がもっとも多くなりました。

また、岸田首相も、国民皆歯科検診の導入検討を発表するなど、国レベルでも口腔環境の改善、予防医療が促進されるであろうことがわかります。

などなど、歯に関する注目度は高まるばかり。

日本は欧米各国に比べて、歯や歯並びに対する関心が薄く、歯並びの良さも悪いと一般的に言われていますが、それを改善するために、国レベルでも本腰が入ってきた、ということだと解釈しています。

残念なことに日本人の歯に対する意識の低さは、欧米ではよく知られています。私の知り合いの歯科医の先生(日本人)が、海外に留学した際に、カフェでアメリカ人に“Are you Japanese?”(あなた、本当に日本人ですか?)と聞かれたそうです。なぜなら歯がきれいだったから。歯がきれい=日本人ではない、という認識が欧米ではできあがっているのです。
欧米に住む日本人のなかには、歯をきれいに整えている人がたくさんいます。その人たちがよく言われるのが「君の歯はきれいだけど、ほとんどの日本人ってどうして歯が汚いの?」ということなのだそうです。日本には美しい自然があり、豊かな文化があり、最先端の技術があって、教育や娯楽に投資するお金がある。それなのになぜ、歯は汚いのだろう?それが、歯のメンテナンスを重視する欧米人の、正直な感覚なのです。

歯医者さんに行ってしっかり予防治療しようね!と声がけをすること自体は難しくありませんが、なかなか今までの習慣を変えることは難しいです。ぼく自身、「歯が痛くなる前に健診に行ったり、もっとちゃんと歯磨きやフロスをしなきゃいけないよな」とずーーーっと思っていましたが、やっぱり面倒くさくてケアを怠り、虫歯ができて通院する…ということを繰り返していました。

そのようなめんどくささを一気に解決し、きれいで健康な歯を手に入れるためにも、マウスピース矯正はめちゃくちゃいいなと思っています。

マウスピース矯正をすることで、自身の歯と向き合わざるを得なくなりますし、毎食後にフロスや歯磨きは必須です。そうしないと気持ち悪くてマウスピースをつけることはできません。歯の色も気になるので、ホワイトニングもするようになります。

現に、マウスピース矯正をスタートしてから、虫歯になる気がしなくなりました。ここまで毎日しっかり自身の歯を観察し、改善していれば、歯並びの改善のみならず、口腔環境も一気に改善すると確信しています。外見のみならず口腔環境の改善を早いうちに実施しておくことで、虫歯予防&歯周病予防など健康面の改善もできるのです。

にもかかわらず、マウスピース矯正は日本ではまだまだ広がっていません。「痛みが少ない」「値段もリーズナブル」「毎週の通院も不要」「たくさんの症例もある」「他の人からつけていることが分からず目立たない」などなど、いい点はたくさんあるのに、なぜなのでしょうか?

いろいろな理由はあるかと思いますが、大きなものの一つが「歯科医の方々からの批判、懸念の声」だと思います。

マウスピース矯正に対する批判・懸念の声

週刊ダイヤモンドの2022年9月3日号に、マウスピース矯正に関する批判記事が上げられていました。

“良識派”歯科医4人が「これだけは言っておきたい」と訴える覆面座談会。歯科医たちがくれぐれも注意してほしいと警鐘を鳴らしたのは、正しい診断、検査がなされていない格安マウスピース矯正だった。

こちらの記事ですが、「マウスピース矯正全体に対するコメント」と、「一部の劣悪なマウスピース矯正企業に対するコメント」が混在しており、結果として「マウスピース矯正 = 悪」というような結論に導かれているように感じました。

良い形にまとまっている記事ではありますので、こちらについてマウスピース矯正サービス提供企業の社長として、各ポイントを抜粋しつつ、コメントをさせていただきたいなと思っています。

「マウスピース矯正サービス = 悪」という概念が多くの人に広がってしまうのは本当に残念なことです。弊社の社員も、パートナークリニックの先生方も本当に一生懸命、患者さんの笑顔のために頑張っていますし、もちろん安全面には徹底的に配慮しています。

Zenyumは今までグローバルで4年間矯正サービスを提供しておりますが、お客さまからの満足度も高く、訴訟等も一件も起きていない大変安全なサービスになっています。誠実に、安全面に配慮し、良いサービスを提供することに集中しているマウスピース矯正サービス企業もある、ということをご理解いただければと心から思っています。

せっかくなので、こちらの批判記事のポイントを抜粋しつつ、「じゃあどのようなマウスピース矯正サービスならば良いのだろう?」という疑問について考えてみようと思います!

批判から考える正しいマウスピース矯正サービスの選び方

ポイント1:価格

キレイライン矯正から始まってOh my teeth、ヤマト運輸と連携するhanaraviなど新勢力が登場しているんですが、これらはかなり費用が安い。30万~40万円が中心です。

ところが、こうした格安マウスピース矯正では、実際には追加費用が積み重なって、結局60万~70万円になっているケースもあると聞いています。入り口は安いイメージでも、実際はそうじゃないって場合もあることは理解しておきたい。

出典:『週刊ダイヤモンド』9月3日号

他社さんの費用形態が実際のところどうなっているのか、ぼくがコメントを差し挟める立場ではないのですが、確かに「とても安い金額ですよ!」という形でお客さんを集めつつ、実際には追加費用が積み重なり、結局高いじゃん…というケースはゼロではないようです。

ただ、そのケースは「ゼロではない」というだけであり、すべてのマウスピース矯正企業が不透明な価格設定をしている、というわけではないことはお伝えできればなと思っています。

アドバイスとしては、「"お試し"でXX円でできます!」というような文言がある場合、しっかりと歯科医の先生やマウスピース提供企業側に、「で、総額ではいくらかかるのですか」「マウスピース矯正をスタートした後の通院にもお金はかかりますか」などの質問をされると良いかと思います。

そのような聞き方をすれば、「総額いくらかかりますよ~」と教えてくれるはずです。もし「いや、それはわからないんです。とにかく始めてくださいね」とゴリゴリにセールスされてしまうようであれば、いったんかかりつけの歯医者さん等にセカンドオピニオンを求めてもいいかもしれません。こちらの記事に書かれていたように、不透明な価格設定がされている場合もゼロではないので、「結局こんなにかかるの!?」と悔しく思うことがないように、事前にしっかり確認するとよいと思います。

ゼニュムの場合ですが、部分矯正であれば税込324,500円、全顎矯正であればマウスピースの数に応じて税込575,000円もしくは税込660,000円という形にしているので、わかりやすいかと思います!
*購入前に、3Dスキャンやレントゲンを撮り、治療計画を作成するために提携クリニックで精密検査を受けていただく必要があり、こちらは別途診察料が掛かります。クリニックによって異なりますが、概ね税込22,000円のケースが多いです。

ポイント2:ビジネスモデル

また、こうした格安マウスピース矯正には、ほとんど歯科医を介さないビジネスモデルを志向しているところもあります。ちゃんとした診断をせずに患者さんを治療するというのは、歯科でもどんな医療でもあり得ないと僕は思う。

出典:『週刊ダイヤモンド』9月3日号

前段の「こうした格安マウスピース矯正には、ほとんど歯科医を介さないビジネスモデルを志向しているところもあります。」については、「そういうところもある」という意味では正しいのかもしれません。

また、「ちゃんとした診断をせずに患者さんを治療するというのは、歯科でもどんな医療でもあり得ないと僕は思う。」に関しては、ぼくも完全同意です。診断せずに患者さんを治療すること、明らかに危険すぎますし、いくら値段が安いからといって、自分の身体をそのようなサービスに任せるのは、少なくともぼくはイヤだなと思います。

アドバイスとしては、「実際に歯医者さんに診てもらえるのですか」「その先生は矯正の経験が豊富ですか」と聞いてみるといいかなと思います。もし、「いや、歯医者さんは関わってないんですが、その分安く提供できますよ~」という回答が返ってきたら、基本的にはやめたほうがいいかなと思います。理由は批判記事の中でドクターの方々が仰っていたこととまったく同様で、ちゃんとした診断をせず、専門家であるドクターがかかわらずに歯を動かしていくというのは危険極まりないからです。

念のためですが、ゼニュムについては「歯科医を介さない」「ちゃんとした診断をしない」というのは全くあてはまりません。

  • 入り口である無料診断で、全顎矯正/部分矯正/適用外の診断をさせていただいておりますが、こちらはすべて歯科医が実施しています。

  • その後、弊社サービス適用対象のお客様についてはクリニックでの精密検査をご案内していますが、こちらについては矯正経験が豊富なパートナークリニックの歯科医が実施しています。

  • 治療計画についても、経験が豊富な歯科医が作成をしております。必ず複数の医師が治療計画を確認し、mm単位での修正なども実施しています。

  • サービス購入いただいた後も、専用アプリを用いて歯科医師や歯科衛生士が治療の進捗を確認しています。また、2-3回ほど通院も頂いており、治療が順調に進んでいるか、健康上の問題がないか、しっかりとチェックしています。

ポイント3:治療結果へのコミット

臼歯部のオープンバイトはすごく多くて、マウスピース、アライナー独特の症状です。ワイヤーではほとんど起こらない。今、マウスピース矯正はブームが続いていますが、格安マウスピースを含めて、検査や診断を正しくされていないものは、いずれ淘汰されることになるでしょう。

出典:『週刊ダイヤモンド』9月3日号

こちらについては、どのようなエビデンスに基づいているかは不明ですが、「検査や診断を正しくされていないものは、いずれ淘汰されることになるでしょう。」という意見についてはぼくも同意です。

いくらマーケティングコストをかけて知名度を上げたり、「手軽に治る!」と魅力をアピールしたところで、実際の結果がすべてです。矯正サービスを使っていただいたお客様に健康上の被害が出てしまったり、治らなかった!ということがあれば、それは長期的にはビジネスとしては成り立ちません。

ただ、もしかしたらマウスピース矯正サービス企業の中には、「とにかく目の前の売上を上げることが一番!!!」と考え、あの手この手で売り込みをし、結果には責任を持たない…という会社があるのかもしれません。長期的にはそれは成り立たないとは思いますが、もしそのようなケースにあたってしまったら、後悔してもし切れないですよね。。

アドバイスとしては、「最終的にかみ合わせがおかしくなることはないのですか」「もし仕上がりが予定通りに行かない場合、どのようなアフターケアがあるのですか」「今まで治療結果が原因で訴訟になったケースはありますか」など、過去の実績について明確に聞いてみると良いかと思います。

Zenyumとしては、無料診断段階で「マウスピースでは矯正が難しい」と判断されたお客さまには、大変申し訳ないながらお断りをしていますし、治療計画も複数の歯科医が時間をかけて作成しており、治療後に噛めなくなった、ということが起こらないようにしています。

もしそのようなことが起こってしまったら、ゼニュム自身も、パートナークリニックの先生も、大きく評判を落とすことになり、サービス継続が難しくなります。そして、何よりも私たちを信じてマウスピース矯正を始めてくださったお客様に申し訳が立ちません。

また、ゼニュムの全顎矯正は奥歯まで含めてすべて動かすことができますし、部分矯正も上下合わせて20本の歯を動かし、安全かつ理想の歯並びを提供できるようにしています。30万円台で上下合わせて20本の歯を動かすことができるサービスはあまりなく、「こんなに動くの!?」と喜びの声も多数いただいております。Googleでのレビューはコチラ

実際の治療計画例:

マウスピース20枚での治療計画(下顎)
マウスピース30枚での治療計画(上顎)

GoogleなりTwitterなりで検索いただいても、ゼニュムに関して「治らなかった」「噛めなくなった」などの声はないです。そうならないようにアフターケアの仕組みも組んでおり、お客さまが満足するまでしつこくお付き合いさせていただいております。

ポイント4:事前診断

抜歯か非抜歯かは患者さんの骨格、骨の量や筋肉などを見て診断する。本当にケース・バイ・ケースとしかいえません。抜歯の場合のメリットとデメリット、歯を抜かないで治療する場合のメリットとデメリットをちゃんと説明してくれる先生がいい。あと自分にできないことは正直にできないと言ってくれる人。私たちがお薦めするいい歯医者は、そういう歯医者なんです。

出典:『週刊ダイヤモンド』9月3日号

これも本当におっしゃる通りです。抜歯をすることでより良い結果が出るケースもありますが、「なるべく抜歯はしたくない」という気持ちは個人的にもよくわかります。

また、「できないことは正直にできないと言う」も本当に大事なポイントです。歯科医もマウスピース矯正企業も神様ではなく、どのような歯並びでもマウスピース矯正で治せますよ!とは言えません。もし、「どのような歯並びでも手軽に安く治せます!」という会社があったとしたら、それは少し気を付けたほうが良いような気もします。

アドバイスとしては「どのような歯並びだと治療可能で、どのような歯並びだと難しいか、基準を教えてください」「他のクリニックだとマウスピース矯正が難しいと言われたのですが、なぜここだとできるのか、具体的に教えてください」等聞いてみると良いかなと思います。ここに明確に答えることができない場合、ちょっと怪しく思ったほうがいいかもしれません。

ゼニュムでは、ユーザーさんにしっかりとヒアリングをしたうえで、慎重に治療計画を作っています。もし、ユーザーさんが最も改善したいポイント(主訴)がある程度までしか治らない可能性がある場合、そちらも確実にお伝えするようにしています。それを理解いただいた結果、サービスを使っていただくかどうか、ユーザーさん側でも判断すべき、と考えています。

また、先述の通り、事前診断の時点で「この方はゼニュムのマウスピース矯正をお受けいただくことは難しい」と判断するケースも少なからずあり、「お金のためにどんな症例でも受け入れる」というメンタリティとは正反対のところにあります。

社会に素晴らしいインパクトを与えるために。

企業であるかぎり「お金を稼ぐ」ということから逃れることはできませんが、ただお金を稼ぐだけであれば存在する価値はありません。何よりも最初に来るべきは、社会に素晴らしいインパクトを与えることだと考えています。

ゼニュムジャパンは、

  • 「Smile More. - 世界中の人が心から笑い合っている世界」を実現するために、

  • 「口腔ケア領域で、最高のSmileのための最高のサービスを提供し続ける」というミッションを掲げ、

毎日一生懸命サービス提供をしています。

ダイヤモンド社の記事に代表される、「マウスピース矯正に対する批判・懸念の声」は、もちろん一部の企業については当てはまるものなのかもしれません。ただ、それがすべての企業、および業界そのものに当てはまる、と捉えられてしまうのはとても残念なことです。

マウスピース矯正は、私たちひとりひとりの人生をとても良い方向に導けるサービスです。ぼく自身ユーザーとして、このサービスのすばらしさを心から実感しています。いろいろな意見があるのはもちろん素晴らしいことですが、「実際にマウスピース矯正サービスを心を込めて提供している企業の声」も取り上げていただく機会があるといいな…と思っています。

もし取材等頂ける場合、 tasuku@zenyum.com までご連絡をいただけると嬉しいです!

Zenyumのサービスについて深くお知りになりたい場合、以下のサイトをご覧くださいませ。

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