一生ついていきたくなる人の特徴

は、「心底わかってくれようとすること」だと思う。

定期的に「この人ほんと大好き!!!もうずっとついていきます!!!」という方々にお会いしてきた。これはめちゃくちゃラッキーなことだなぁといつも思う。

ゴリゴリのハードワーカーで超敏腕なコンサルタント、穏やかでどんな状況でも鮮やかに物事を前に進める事業家、溢れるパッションと笑顔でどんな苦しい状況でも「できる!!」とチームを鼓舞する起業家など、キャラクターはいろいろだ。みんなとてつもなく優秀な方ではあったが、改めて考えると「優秀であること」そのものに惹かれたわけではなかったように思う。

優秀である人には、尊敬の念を抱く。「ぼくもこうなりたいなぁ」と仰ぎ見る。ただ、「その人にずっとついていきたい!!!」というまでの熱を持つことは、(少なくとも自分は)ない。

ぼくが彼らに「ずっとついていきたい!!」という強い想いを抱いた理由は、「ああ、この人は"わかろう"としている」と感じたからだ。

ぼくが抱えている悩みやフラストレーション、今後のやりたいことなどなどを相談したときに、ドーンと構えて受けきってくれる。それから、ひとつひとつ丁寧にぼくの拙い説明を紐解いてくれ、「こういうことかな?」とわかりやすく深く言語化してくれる。そして、過去の自身の経験から、熱のこもったアドバイスをしてくれる。

アドバイスそのものも非常に嬉しいし、今も見返すことがある。でも、それよりもなによりもうれしかったのは、「わかろうとしてくれたこと」だ。

今の時代を表す言葉はいろいろあるが、メジャーなものの一つが「情報過多」だ。個人法人政府団体、みんないろんなことを言っている。いろんなアドバイスや愚痴、批判や応援、自己主張や絶望に溢れている。もうさすがに多すぎる。煩い、鬱陶しい…

みんな自分の言いたいことを言うのに一生懸命だ。一方で、「自分をわかってくれようとする人」は本当に少ない。みな、自分の言いたいことを言い、売りたいものを売るのに一生懸命で、他人のことを理解しようとする時間も余裕もない。

そういう状況のときに、周りに一人でも「心底理解してくれよう」という人がいたら、それは「大好き!!!」となってもおかしくない。

経営者として2年間経験を積んだが、「ひとりでできることって本当に少ないのだな」ということを学んだ。自分はもっといろんなことができると思っていたのだが、それは勘違いだったようだ。

自分一人では本当に大したことはできない。一方で、周りの人たちの力を掛け合わせることで、プロジェクトは大きく前に進む。ただ、その人たちの力をうまく引き出すことができなければ、何も進まないどころかマイナスになる。

「自分一人でやったほうが早い」と言うビジネスパーソンもいるが、その気持ちもわからないでもない。大勢の力を引き出せず、ただその場にいるだけの場合、コストだけかかって何も進まない。それだったら、確かに一人でやったほうが早い。

ただ、もしあなたのことを信頼し、好いてくれる人たちがいて、その人たちが快く力を貸してくれるのだとしたら、そのときは一人でやっていたときとはけた違いのパワー、スピードが出る。それを構想したときに必ずぶち当たるのが、「どうしたら人を惹きつけられるのだろうか」という問いだ。

自分には大した経歴も能力も人間的魅力もない。そんな自分についてきてくれる人などいるのだろうか?

その答えが、「理解しようとすること」だとぼくは思う。とにかくうるさい今の時代、自分の主張や意見や要望をゴリゴリ通そうとするのを少し止め、目の前の人が何に苦しんでいるのか、何をしたいのか、まず理解しようとする。アドバイスも批判も励ましもいったん置いておいて、ただ彼/彼女の中に何があるのか、理解しようとする。結局は他人なので100%理解することは不可能だ。それでも、今までその人が会ってきた誰よりも、その人のことを理解しようとする。

すぐ忘れてしまうが、その姿勢を持っておきたいな、と思う。

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