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「外資系企業日本法人の経営者」を1年やってみて感じたこと。

こんにちは!

デンタルケア、および透明マウスピース矯正サービスを提供している会社、Zenyum Japan(ゼニュムジャパン)の伊藤と申します。

Zenyum Japanは、本日2022年9月7日で設立一周年を迎えます。また、それは「外資系企業日本法人の経営者として、一年間経営経験を積んだ」ということでもあります。

大学卒業後、コンサルタントとしてキャリアをスタートし、その後事業側に移り企画職をしていましたが、経営者としてはZenyum Japanが初めての経験です。どんなことでも「初めて」はインパクトが強いものですが、経営者経験も例にたがわずでした。

*今までのキャリアは以下のnoteにまとめておりますので、興味がある方はぜひ!

せっかくなので、1年間経営経験を積んで感じたことを以下にまとめておきます。

PL責任は徐々に重みを増してくる

Zenyum Japanの日本法人社長の選考で、「とにかくフルでPL責任を持ちたいんだぁぁぁぁああ」と、創業者のJulianをはじめとした本社メンバーのみんなに一貫して言い続けていました。

ぼくは、伝説的なコンサルタントである三枝氏の経営改革三部作がマジで大好きで何度も何度も読み返しています。これらのストーリーを読み返すたびに、「机の上で戦略を描いて終わりではなく、それを実際のビジネスプロセスに落とし込み、いろんな人を巻き込み、売上を上げて利益も出す...それこそがビジネスパーソン冥利に尽きる仕事だ!」とアツく思っていました。

アクセンチュア、フロスト、OYOとキャリアを変えていくたびに、徐々にPLを強く意識する機会は増えてきましたが、あくまで「意識する」というレベルにとどまってしまい、実際に「重責を背負う」という経験はできていませんでした。この経験を何としても早いうちに積みたい、そのヒリヒリする感じ・心臓を掴まれる感じを体験しかつその中でも結果を出してみたい、その想いがつのり続けていたのです。

なので、一度海外のMBAに行って、そこからPL責任をフルで負えるようなチャンスを得よう...とOYO時代には考えていました。そんな中、Zenyumという素晴らしいサービス&ビジネスモデルを持っている会社から声をかけていただいたので、「このチャンスを逃すわけにはいかん」と必死に選考準備をしました。

2021年の7月にオファーを頂いてから9月に法人登記が完了するまでは、PL責任の前に、まずはビジネスをできる状況を作ることに一生懸命でした。はじめてのことばかりではあったのですが、複数のタスクをスケジュールを切って終わらせていくというのはいわゆるプロジェクトマネジメントワークで、そこそこ慣れている仕事だったので問題はあまりありませんでした。それに、やればやっていくほど前に進んでいき、「いよいよビジネスを始めるんだ!!!」という高揚感がガソリンになっていました。

ただ、昨年9月にビジネスをスタートして徐々に基盤が出来上がってきた後、徐々に「PL責任」の意味合いがわかってきました。「一定の予算内で売上を上げ、利益を確保する」という、まさにビジネスの本質的な部分に携わることができてとても楽しいのですが、自身の意志決定がそのままコストとして出ていき、もしその意思決定が間違っていた場合、言い方は悪いですが「ムダ金」となってしまう...。そういう怖さを感じ続けるようになりました。

経営者になる前も、もちろん自分の意思決定や行動がどのように会社のPLにインパクトを与えているか、理解したうえで動いていたつもりでした。しかし、「理解しよう」と思っている時点で、心底理解することは難しかったのだろうと思います。本当にPL責任を負っていると、理解しようとするまでもなく「骨身に沁みる」という感覚になるのです。

この怖さをリアルタイムで体験できるというのは非常にありがたいです。しっかりと結果を出し、怖さだけではなく「やったぜ!」という快感も得ていければと思っています。

自分自身のコンディションを最高に保つ努力

経営者になってから、メンタル/フィジカル両面において、自身のコンディションを最高に保つことの重要性をひしひしと感じるようになりました。自分のパフォーマンスを最大限発揮できるようにしておくことは、経営者であろうがそうでなかろうがもちろん重要です。

ただ、この立場だと、自分のコンディションがメンバーのみんなへ与える影響が本当に大きいなと感じます。みんな大人なので、ぼくが疲れていて機嫌があまりよくなくてもスルーしてくれはしますが笑、とはいえみんなのパフォーマンスに影響を多少なりとも与えているはずです。また、コンディションが悪い状況で下した意思決定の質はあまり高いとは言えず、後から「なんであんなことを...」となってしまうこともありました。

ぼくはごくごく普通の人間なので、常に最高のコンディションを保つというのはなかなか難しいです。キツいことが重なり、メンタル的に追い込まれることもあります。ただ、そのような外部環境に振り回されてグダグダになってしまうと、自分だけではなく会社全体に悪影響がおよびます。

そのため、食生活の改善や定期的な運動(卓球を平日に1回、休日に1回するようにしています)、デジタルデトックス、疲れを感じた時に休みを頂くなどの調整を意識的に実施し、可能な限りパフォーマンスを高い状況に置くことにしています。まだこのパフォーマンス調整スキルが高いとは言えないため、2年目も引き続き鍛錬していきたいところ。

愛と想像力

考えるエンジンという思考スキル講座を提供されている、元BCGの高松さんが提起されている概念です。
*ちなみに、こちらYouTubeチャンネルもあり、ぼくも一度ゲストで対談させていただいたこともあります。ご興味ある方は以下からぜひ。

「愛と想像力」に関しては以下の記事で高松さんのインタビュー記事がありますので、ぜひこちらもあわせて読んでいただければと思います。

会社の規模が今までにないほど小さいからこそ、この「愛と想像力」はより強烈に意識するようになりました。お客さんやパートナークリニックさんからは、社員ひとりひとりの存在 = Zenyum Japanとなるわけで、ぼくらの中で一人でも愛と想像力に欠けるコミュニケーションをしてしまった場合、一気に「ああ、その程度の会社なのね」と思われてしまいます。

一度「愛もない、想像力もない会社だな」と思われてしまったら、そこからリカバリーするのはなかなか大変です。そのため、「愛と想像力をしっかり働かせられる人なのか?」というのも、一緒に働くメンバーを選ぶときの基準のひとつにもなっています。幸いなことに、本当にこれが強いメンバーに恵まれており、グーグルレビューでも大変高い評価を頂いています。

ゼニュムジャパンのレビュー

個人的には、会社のメンバーたちとのコミュニケーションの中でもっともっと愛と想像力を働かせられるようにならないとなと思っています。対外部では100%の愛と想像力を活用できていると自分では思っていますが、どうしても対メンバーだと甘えてしまっているケースがあるなと...。

フランクに気負わずコミュニケーションを取れるというのは良いことでもあるのですが、一緒に人生を賭けてくれているメンバーにこそ、もっとも愛と想像力を働かせるべきだと感じています。まだまだ足りていないので、メンバーのみんなへの愛と想像力を強化していきます。

「カネの使い方」へのこだわりと組織活性

「カネがあればあるほどバカになる」というのは、この1年の大きな学びでした。多かれ少なかれ、PL責任を預かる立場にある人は、「ああ、自由になる予算がもっとあればいいのに」と思うものです。

しかしながら、実際に使えるお金が一定以上あると、人は考えなくなります。「この程度いいだろう」という甘えが知らず知らずのうちに顔を出してしまい、事前のリサーチやゴール設定、振り返りのスキーム作りが甘いままお金を使ってしまう...。そうなると、もちろん投資したお金に見合う結果は出すことは難しくなりますし、そこからの学びの濃度も薄くなります。

そうではなく、あくまで予算は最低限、その中で「どうすれば事業を伸ばせるか?」と頭に汗をかき、スモールスタートで検証し、実際に成果が出ることが分かったらもう少し大きな予算を使う、その繰り返しでこそ事業が伸びるのだなと実感しました。また、そのように緻密な計画立案&実行をしていくと、組織全体の活性度も上がっていくように感じます。少ない予算でトライしたことが実を結ぶと本当に楽しいですし、たとえうまくいかなかったとしても傷は大きくありません。しかも、そこからの学びの濃度が濃くなり、次回以降のトライアルに活かすこともできます。

もちろん、勝ち筋が見えたら一気に予算を投下することも重要だと思いますし、多額の予算を使うことが一概にダメというわけではないです。ただ、初期段階では、あくまでも限られた予算でたくさんのプランニング&結果検証を積み重ねると良いのかなと感じています。

「月次リリース」でモメンタムを作る

もちろん売上や利益も大事なのですが、数字に表れづらい「前に進んでいる感」を出すことの重要性は強調してもし切れません。バタバタしていると、目の前のトラブルシュートやオペレーションにかかりきりになりがちですが、それだと掲げているビジョンに向かって本当に進めているのか、経営者もメンバーも疑念を抱いてしまうことがあると思います。

それを防ぎ、「ビジョンに向かってぐいぐい進めているんだ!」となるため、毎月何かしらのリリースをPRタイムズで出すことを決め、実施しました。

*2月と4月は出せていませんね。。反省

リリースを出す目的として、「多くの人に会社の存在やビジネスを知っていただいたく」「取材いただく機会を増やす」というのはもちろんありますが、それに加えて社内の「進んでいる感」を強める、というのも個人的に重要視しています。メンバー1人1人が「自分たちはビジョン達成のために毎月進めている!」と思えるか、そうでないかは見えないところで必ず日々の業績にもつながってきます。

3人のレンガ職人の話、もう使い古されているかもしれませんが、日々の仕事の捉え方の大切さを理解するには本当に重要な概念だと思います。Zenyum Japanのメンバーには、「歴史に残る偉大な大聖堂を造っているんだ」と思いながら働いてほしいなと思いますし、何よりも自分自身「偉大なことをしている」と毎日思いながら邁進していきたいです。短い人生、せっかくなら偉大なことをしているという実感を持ち続けて生きていきたい。

経営者2年目、チャレンジ回数を増やしていきます

楽しいこともつらいこともたくさんあった経営者1年目も終わり、明日から経営者2年目に入ります。「ミッションもビジョンも素晴らしいグローバル企業の日本展開」というあり得ないほどエキサイティングな機会を頂いているので、その機会を最大限活かし、チャレンジしまくる2年目にしていきます。

共鳴できるビジョンを持っている会社さんとの業務提携もどんどんしていきたいですし、会社のことを知ってもらうための活動にもより力を入れていきます。「話してみたい」「一緒にできそうなことがある」「取材したい」等ございましたら、いつでもお気軽に以下LinkedIn経由でご連絡いただければと思います!

https://www.linkedin.com/in/tasuku-ito-a518a990/


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