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編み物のこと

はじめまして
編み物する人TAS KNIT (タスニット) やまもとです。
編み物歴はどこから数えていいのかわからないけど
はじめてセーター編んだのは16歳、今は53歳・・・
本格的に学びたいと思い、教室に通い出したのが24歳
編み物の世界にもお茶やお花のように御免状制度もあり
最高ランクの師範を取り終えたのが42歳?
その少し前からアシスタントを経て教えるというお仕事を始めました。
現在はメーカーさんのワークショップの講師や
プライベートのレッスン、毛糸ショップでの販売スタッフなどとともに
作品のデザインを考えたり、制作する仕事、
加えて去年からパソコンで編み図を描く仕事もしています。

コロナ禍で講師業が滞り、そんなこんなで講師をしていた手芸屋が閉店になったり
仕事が激減して何か仕事・・・と探していたところ
近所の友だちが働いている街の小さな内科医院の受付事務を紹介してもらい
全く新しい世界に飛び込んだのも去年のこと。
ここが驚くほどに心地よく働きやすく学びが多い。

編み物講師をしていて気づいたことの一つが
編み物には癒しの要素があるということ
編みながら、手を動かしながら、自分のことを語る人は多い。
実は病気をしててね、とか、夫が(あるいはきょうだいやペット)が亡くなって
なんて辛い話や悲しい話をうんうん、そうなんですね・・・と聞きながら。
そこに編み物の技術云々はあんまり必要なくて
カウンセリングのような「聴く」ことの方が重要。
そこが医院での仕事のひとつ、患者さんを安心させることにもリンクしていて
もう少し勉強して、どちらの現場でも発揮できたならなと思うところ。

さて話は編み物のことに戻り・・・
「編み物は生地を作りながら形を作っていくようなものよ」と
私の恩師は言っていた。
布もののデザインなら既に布の柄や色、素材、風合いなどがそこに存在する。
編み物は元々あるのは1本の糸の状態。
それをどんな編み地?色は?素材は?形は?と想像する。
糸1本と糸玉、編み地で色の見え方は違う。
編み地はその編み方によって陰影がついて色の見え方も変わる。
色と編み地の相性、加えて素材と色と編み地の相性もある。
そしてデザインする形とそれらとが合うのかどうかを
試し編みを繰り返しながら突き詰めていく。
ここに配色が加わったら選択肢の数は際限なく広がる。
同じ色の組み合わせでも隣同士の色を変えるだけで、配分を変えるだけで
別物になってしまう。

グラデーションの糸と単色パープルの組み合わせ
アフガン編みという編み方

そんな作業を日々試行錯誤しながら作品を生み出そうとする。
これだけでも編み物って奥深い。
まだそこに様々な技術が加わるのです。
ああ、深い沼。
そしてその奥深さにそそられ、今日も編むのです。
(いや、今日は編んでない、パソコン作業だ・・・)

今日はここまで。
ありがとうございます。



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