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私小説「”骨髄移植”経緯」~19~

19.「うーん、どうだろうなぁ。」
”光線過敏“の薬疹が出て2日後トイレに行ったとき、鼠径部が発疹で真っ赤に。体を調べてみると、両腕の肘から先とおなかの部分に少量の発疹が。全くかゆくはないのですが、主治医も副主治医も原因がわからないとのことなので、再び皮膚科を受診。先生曰く、「今は痒くないでしょうが、必ず痒くなってきます。また何かの薬疹なのかそのほかのアレルギーなのかはたまたGVHDの一つなのか。怪しいところの組織を取って調べましょう。5分ほどの手術です。」
え、手術?しかも5分?するとパジャマをめくられちょうど右肋骨の下あたりにペンで直径五ミリくらいを点線で囲み「この部分の組織を取ります。」と。隣の部屋のベッドにあおむけになりパジャマをめくって消毒。それから見覚えのある患部に穴の開いたシートをかけ「はい、麻酔を打ちます。」。おなかの肉をつままれ「はい、チクッ。ザワザワザワ。」と痛みをそのまま擬態音で表現。まさに的確で、今までの注射よりかなり痛く針が入り、麻酔液が入るにつれ組織がザワザワザと震えます。抜かれてほっとしてると「はい、チクッ。ザワザワザワ。」え、また。と思うとまた別の場所で「はい、チクッ。ザワザワザワ。」。合計4か所に打って「今感じますか?」と麻酔の効果の確認。「いいえ、触ってるんですか?」の問いには答えがなくお腹の上で薄い皮膚片が小さな瓶に移されていきました。

それから一針縫合。「確か血小板が少ないんですよね。」と年配の看護師さんに確認され、脱脂綿で覆われた傷口をかなり強く(しかも重量級の方でした)5分ほど圧迫。部屋に戻ると10本ものかゆみ止めクリーム。確かに「発疹の範囲が広いので、かゆい時にはバンバン使ってください。足りなかったらまた4,5本出しますから教えてください。」と言われたけど。

夕食後、予測通りかゆみが。看護師さんに背中に塗ってもらうと、もう2/3ほど使い終わっている。翌日には鼠径部もかゆくなり、光線過敏の痒みもぶり返し眠れない。だから朝はぼーっとして食欲がない。眠いから午前中うつらううつら。午後もぼーっとしながらうつらうつら。一昨日は夜中中痒くて眠れなかったのですが、昨日は少し痒みが収まりゆっくり眠ることができました。

まだまだこれからもいろいろと起こりそうです。