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私小説「”骨髄移植”経緯」~16~

16.扉の外へ
「大腸検査は、いったん延期します。」
骨髄穿刺の翌日に予定されていた大腸検査。何故か検査を告げられた日からぴたりと下痢が収まり、検査をする意味がなくなってしまいました。主治医たちが協議し、とりあえず中止して様子を見るということに決まったそうです。しかし、相変わらず骨髄穿刺は痛かった。ぐいぐいとおさえつけられ、針が骨の中に入っていくのを・・・あ、これから先は止めときましょう。とりあえず検査が1日だけになったのは幸いです。

 またまた先日の豪雨で被害が出ました。亡くなった方、行方不明の方も。”今までに遭遇したことのないような深刻な状況“とメディアは言っておりますが、まさにその通り想像だにしなかった被害が出ているようです。世界に目を向ければ。アマゾンの火災、巨大ハリケーンのアメリカ接近はたまたアイルランドの氷河の融解。地球規模で天候が変化しているようです。

 昨日はやっと許可が下りて、1階の売店まで行きました(転倒に備え、付き添いが付きましたが)。久々に病棟の扉から出るとき、入院してから今までのことを思い出しました。思い返してみると、入院してからほぼ2か月、病棟の扉の外に出るのは35日ぶりです。あとは白血球数と血小板数が増え、ある程度体力を回復できたら退院です。

 ずいぶんと南に沈むようになった太陽は昨日、今までで一番きれいな夕焼けを見せてくれました。

 そのおかげで、今朝は快晴でした。