叱り方、注意の仕方の体験記

こんにちは。高畑です。
うっとうしい日々ですネ。
いかがお過ごしでしょうか。

1.しかり方、注意の仕方のあり方

子どもを叱れない親や、部下を叱れない上司が多いと言われて久しくなります。それは、“怒る(Not-OK感情)”と“叱る(OK感情)”の違いだと私には思えるのです。

もし、子どもや部下に愛情があるならば、成長(生長)して欲しい
と思うならば、“叱る”ことをためらってはいけないと思うのです。

注意したいこと、叱ることの目的は、その相手の行動修正にあること
を忘れてはいけません。教育活動の1つです。

ほめる目的は、正への強化であり、叱るは,負への補正です。

ただ、普段からのリレーションや信頼関係が構築されていないと、方法的に使っても、以下の手順は決して活きてきません。

注意したいことがある時は、まず自分がOK感情の状態(ニュートラル)であるのかを自己確認しておきます。

その上で、
「今、○○さん、時間が取れる?」と言った切り口からスタートします。それで相手がOKなら、(導入部)
「いつも一生懸命やってくれてありがとう」(日頃のお礼)
「いやぁ、実は、最近、わが社のクライアントのY社さんから、あなたの対応についてクレームがあったのだが、何か心当たりがある?}(事実確認)
できるだけオープン質問が望ましいです。

「実は、‥‥‥‥だったのです。それが原因だと思います」と部下。
「いやぁ、そういう訳だったのか?」(事実確認)
「では、その点を改善して○○してください。」(注意の内容)
そして、それを踏まえ、もっと君か成長することが出来たら、今後もっと成長すると僕は思うよ」等と、くくります。(今後のへ期待感)

最初にリレーションづくりからスタートし、行動修正をして欲しいことにフォーカスします。

この時大切なポイントは、相手の人格否定は絶対禁物であること。
「ヒト」ではなく「コト」に焦点を当てます。
行動修正をして欲しいことは、1点に絞ることです。

そして、事実+αは避けなければならない点です。
一度に1つのことを取り上げることも大切なポイントです。

最後は相手への今後の期待感を述べ、肯定的に収めます。

この点も大切な点です。

このように“叱る”とは人(部下や子ども達)を育てる教育活動の一環なのです。

以前、青木武一先生が、
「部下への恫喝(どうかつ)の仕方が一瞬にして今までの人間関係をダメにしてしまう」と述べていらっしゃいました。
先生は私の師匠のお一人でもありました。

「人と接するとき、その人のあるべき姿を思いなさい。そして、その人の可能性を最大限にする手助けをしてあげなさい。」
             (ヨハン・ウォルフガング・フォン・ゲーテ)

2.叱り方、ほめ方で私が最初に体験したこと

私は、学校機関で教務職に付いたことがあります。
わずか2年間だけです。

その後は学校機関の業界人を対象とした付属教育機関に転属しました。

その頃の話です。

先輩教師であるKさんから、K先生のクラス担任で問題児である山田君(仮名)の面倒を見てくれないかと依頼を受けました。
K先輩教師は、やや背は低いものの、声は重量感があり、がっちりした体型でいわば、体育系の教師のような印象がありました。

一方の私は体育系とは逆の体型でした。

しかたなく(??)私はその任を引き受けました。

頭では理解していた叱り方、ほめ方の対処法をするチャンスでもあり最初の体験でした。

するとやがて突然山田君は、職員室に私を訪ねてきました。
ポケットに手を入れたまま、素立っています。

私はそこでまず山田君に注意しました。
「大概の学生は、職員室に入ってくるときは、ノックするか
『失礼します』と言うよ。」と言い、
「だから君は勇気がある。」
「ただしな、勇気の発揮のどころを考えてみな?」
と言いました。
山田君は、しばらく考えていました……。

それから山田君との交流が始まり、深まりました。
私を訪ねてくる回数が増えてきました。

そんなある日のこと。
「山田君、悪いけど今日は新宿の紀伊国屋書店に行かなくてはいけないでの時間が取れないんだ。」と言いました。
すると山田君は
「一緒に行っていいですか?」と言ったので、
「もちろん、いいよ、でも退屈するかもよ。」と私。

書店で本を探していた折、館内アナウンスが流れてきました。
「ただいまより、〇〇さんと△△のサイン会が××において開催されます」と

その声を聞いて、山田君に指示しました。お金を渡し「色紙を買ってくるように」と。

しかし待てども暮らせども山田君は、戻ってきません。
随分と待たされました。
やがて戻って来ました。
山田君曰く。
「万引きを捕まえたんです。」と

事態の状況を呑み込めない私が無言でいると
「俺じゃないスすよ。俺は捕まえたほうですよ」と言いました。

「まぁ、良かった。無事で。では急ごう!」

実は作家の○○さんは、私の大学時代の同期で、しかも同じクラスメートだったのです。
彼の著書は今でもベストセラー作家となっている大御所なのです。

それで、
「〇〇君(友人)、山田君のために色紙書いてくれないか?」
と依頼し、「なんて書くかな」言いながら、私の希望は叶えられました。
山田君にとってその色紙は大きなプラスの励みの材料になりました。

その後、山田君との交流は続きましたが、教務職を離れ、別ビルに移転して以来、学生諸君の交流はいつの間にか途絶えてしまいました。

でも彼と似たタイプに出合うと懐かしく思い、
今でも親近感を感じてしまいす。


できる限りご支援させて頂きます。