カワサキZとタサキチューニング認定車両
最近はたまたま程度の良いものに出会うことができて
油冷GSXRや空冷DUCATI900ssなどをブログに
紹介していることが多いのにも関わらず、
それ以外にもカワサキZ系のお問い合わせもいただいています。
販売車両のGSX‐Rの方はもうすぐマグタンが届きます。
カワサキZ系は長く人気車種であり、
もちろんそれに伴って価格も他の旧車バイクよりは高め。
年式が古い分整備すべき箇所も多くなっています。
つまり整備できないところで手に入れれば
外れクジを引く確率はとても高くなる。
人気があることは結果論ではありますが、
その理由を探ってみると納得できるところばかりです。
間違った情報ばかりが多く発信されていますが、
きちんと整備すれば頑丈で壊れることは少なく、
トラブルが続く場合は整備が悪いか
運転の仕方が合っていないだけです。
カワサキZ系を実際に日本の道で運転してみれば、
多くの人に愛される理由が解ります。
やっぱり、いいものはいい。名車なのです。
まずは見た目。
車体全体を見ればカワサキらしい
オーソドックスで力強く骨太のデザイン。
サイズ感も小さすぎず、大きすぎず。
丸タンク物は角タンク物に比べ上品だと思いますが、
シンプルでカワサキらしさがあふれています。
まずはその中でもいかにもエンジンらしい外観の
空冷エンジンですね。
その中でもシリンダーヘッドの印象は強く、
2バルブゆえの多きすぎず、小さすぎずの
サイズ感です。ヘッドは小さすぎると
見た目の印象はカッコ悪く感じてしまいます。
エンジン全体の大きさを見ても、
繰り返しになりますがどこかが大きすぎず、
小さすぎず、車体全体からエンジンサイズを見ても、
大きさのバランスが丁度よい印象ですね。
持ち上げると重いですが。
最近のバイクは技術が進んでヘッドの
コンパクト化が進んでいます。
カウル付きのバイクなら見えないのでエンジンの
外観などはどうでもよいことですが、
エンジンが見えてしまう車種ならエンジンデザインも
機能面をかなえつつ大事なことだと思います。
当時かかわった人達のセンスの良さを感じます。
一人でバイクが作れるわけではないので
方向性がはっきりして、
それをまとめ上げる人がいないと
この様な名車は生まれません。
GPZ900Rのヘッドも効率から考えれば、
後の車種にはかないませんが、
水冷4バルブなのに素晴らしくカッコ良いですよね。
Z系の中味に目を移すとカワサキZ系ヘッドに使われる
バルブ大きさとポートのサイズ(内径)は、
決して大きい方ではありません。
Z1発表当時は最速を目指したバイクですが、
カムシャフトの特性なども含め
低中速域で扱いやすく、出力特性も谷が小さくなり
扱いやすいものになっています。
カワサキZ系と言えばチューニング車両の
過激なものも多く愛されていますが
ベースになったのはこの低中速域の部分で、
私たちが一番多く触れるこの回転域が、
街乗りツーリングペースでトルクがあふれ
扱いやすいことにつながっています。
そしてレッドゾーン近く上まで回しても
頭打ち感が少ない。
ゆっくりも走れて、回しても楽しめる。
私が初めてカワサキ車に乗ったのは
GPZ900Rの90年式モデル(ほぼノーマル)で、
その後にZ1000MK2(マフラー以外ノーマル)
に乗り換えたのですが、
シートが高い以外トルクがあり乗り易く
最初の印象がとても良かったのを今でも
覚えています。
MK2の程度自体も良かったですし。
この時の印象は後の勤め先のビトーR&Dで
初めてデモ車のZ1000MK2を乗った時より
強く覚えていますね。
そしてカワサキZ系で特徴的なのが
組み立て式クランクシャフト。
クランクシャフトが一体のものではなく
このクランクシャフトはいくつもの部品で
構成され、それら各部品を圧入して組み立て、
一つのクランクシャフトとされるものです。
このクランクシャフトとコンロッドなどの
軸受部分に使われるベアリングが
今のバイクにはない回転感、乗り味を感じさせて
くれます。
そして何と言ってもカワサキZ系の走りを
陰で支えているのはそのフレーム。
メーカーとしては当時もっと高速域での安定性を
出したかったのだろうと推測できますが、
このフレームこそがエンジン共々
カワサキZ系が長く愛される走りを得るための
必須部品なのです。
キャスター角は後に販売されるZ1000J、
R系よりも立っています。
ステアリングステムのオフセット数値も
殆どのZ系は60mm(ステムのナット中心から
フロントフォークの中心までの数値)
ノーマルのフロントホイールは19インチですが
フレームとの組合わせで、運転しての扱いやすさと、
楽しさが得られるわけです。
この様な数値に現れない運転しての扱いやすさ、
楽しさはその時の時代背景と技術、設備、
メーカーの方針、テストライダーが
走り、改良、調整による詰め、
それぞれが重なって出来上がるもので
今技術があるからと言って同じものを
作り上げることができないわけです。
またZ1からZ1000系に至るまで
結構な変更、改良がされています。
一般に後期モデルなるほどいろんな部分が
対策され、基本重くなっていき、
乗っての良さが失われてしまったり
するものですが、
カワサキZ系の良さは排気量の拡大や
バランスを上手にとることにより
それぞれの車種が魅力あるバイクに仕上がっていること。
軽さを得たければZ1を買うしかないと思いますが
カワサキZ系を満喫したいのなら
それぞれの車種が魅力ある走りをします。
Z1Rだけは少々難がありますが。
Z系は改良したほうがよりよく走るように
なる部分もあるのですが
根本を変えるようなことはしなくても
整備さえきちんと行えばかなり良く走ります。
つまり古いバイクらしい外観のままでも
整備さえすればとても良く、楽しく走る
バイクに仕上げることができる。
その上、チューニングしてZ系の良さを
残しつつ手を加えることもできる。
楽しみ方が一つではないのです。
車両代はやや落ち着いてきていますが
部品代は高くなる一方です。
名車を手に入れるならお早めに。
まともな車両に整備して乗るなら、
旧車バイクの世界は今日が一番安くて
明日も明後日も少しずつ
金額が高くなっていくのです。
残念ながら。
認定中古車という名前の響きが
私はあまり好きではないのですが
当社の整備したものとそうでない車両の違いが
解りにくいので
整備した車両を一般でよく使われている
認定中古車の中古車を削除して
タサキチューニング認定車両という
名前で販売します。
認定車両には販売価格、
整備やレストア内容により古いバイクでも
保証が付き安心して乗り出すことができます。
車種によっては認定車両にはできないものも
あります。お問い合わせはお気軽に。