百万円だ

大相撲の五月場所は照ノ富士が優勝決定戦で貴景勝を破り優勝。成績には12勝3敗だった。私は今回、面白い経験をした。確か6回、両国国技館に行ったのかな。

初日、照ノ富士の相撲を見て突然、ひらめいた。全勝優勝するかもと。それを聞いたある人が「本当に全勝優勝したら百万円をやるよ」といったのだ。冗談かと思った。本気なのだ。

いや、遊び心なのだ。ある種の仕掛け。まあ、普通、全勝優勝はあり得ない。無理。不可能。だから私も気にしなかった。ところがその照ノ富士。初日から勝ち続けた。

負けないのだ。10日目まで10戦全勝。まさか? しかしこの勢いだとあと残りの5日間も勝ち続けるかも知れない。そして11日目。平幕の妙義龍戦。

まあ、この相手なら負けることはない。予想通り勝った。楽勝だ。これで11戦全勝。ところが物言いがついた。え? どうして?

そうしたら百万円をやると言った人が「マゲを掴んだかも…」と言った。「でも、大丈夫。判定がひっくり変えることはない。安心しろ」と。太っ腹である。

ところが審判員の判断は照ノ富士の反則負け? ええええええ、それはないぜ。投げる時、頭を押さえただけだぜ。その時、指がたまたまマゲの中に入った。故意に引っ張ってはいない。

だいたい反則というのはこの何年、見たことない。その結果、私の百万円ゲットは夢と消えた。どう考えてもあの反則負けはない。ないよ。陰謀だあ。

相撲協会に対して裁判闘争だ。俺の百万円をどうしてくれるんだ。被害届だあ。許せない。それから毎日、夜、眠れなくなった。思い出すと頭にくるのだ。逃した魚はでかい。

取らぬ狸の皮算用か? しらけた。どうでもよくなった。ということである。百万円やると言った彼の勝ちである。やっぱりさあ。お金のある人は余裕がある。

スケールが違う。人生の遊び方を知っている。完全に私はその手のひらの上で遊ばれた。そんなものだよ。あちゃーだ。“四字熟語”は百万円だ。


ターザン大陸より)
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