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FF16 感想(直接的なネタバレ無し、ラストへの言及ありなので注意)

FF16、やっと終わった~。
1週目クリアレベル48、サブクエ、クロノス石塔群、部屋に飾るやつ、アクティブタイムロア?、リスキーモブなどなどコンプして30時間くらいかな。

結論:面白かったけど、すごい嫌いなゲームだった。

「面白い、つまらない」「好き、嫌い」の評価軸で相反する要素が相容れることってありますよね。
「めっちゃつまんないけど、なんか好きなゲーム」とかもあります。


で、点数を付けるなら60点くらい。
でも正直、満足度というかゲームのクオリティは「ソフトの値段に対して60点の凡ゲー掴まされたな」、っていう感覚じゃない。
別にこれのためにPS5買っていたとしても後悔はしてないと思う。
(自分はFF16購入前からPS5所有してたけど。)

あと、素直に「まぁFFシリーズ頑張ってほしいな」、と応援してあげたくなる作品でもあった。前作FF15も冒頭の結論と一緒ではあるんだけど、流石に応援したいと思えるシロモノではなかったから、当時のバッシングは流石に過剰だと思うし可哀想だけど、絶賛されなくて良かったなとホッとした側面もある。

以下、パーツごとに。

・シナリオ
このゲームが嫌いな理由はもう全部コレ。正確にはオチ。
正直シナリオに重きを置いたJRPGで、このレベルが出るのは数年に1度っていう品質のものではあると思う。自分はゼノシリーズが好きだけども、当然あのレベルは超レアケース。もっとペラペラだよ、他のゲーム。
しかもFF16は専属ライターが脚本書いてるわけではないらしいので、
経験浅い中、よー書けたなこんなシナリオとは思いました。

ただ、FF16は序中盤の「なんか凄い面白そう」の流れを終盤に向けて一気に萎ませたその"落差"がデカすぎて、印象の悪さが凄いんだよね。
"あのFFの新作にしては"とかいう枕詞抜きにして、この印象の悪さが世間の否定的な意見の火種だと思う。

僕はバッドエンド嫌いじゃないんすよ。
(FF16のラストがバッドかどうかの話は後にします。)
で、カタルシスもあったほうがいいけど、それも別にウェイト的には
大きくないんすよ。
納得いくかどうかなんだよね。 
このゲーム、かなりストーリードリブンな設計で、感情移入度を高めてプレイすると心情的な負荷がかなり高いシナリオなんですよね。
暗すぎる、本当に。
で、ダークファンタジーって暗けりゃ良いわけじゃないんですよ。
陰鬱で救いが無くて凄惨=面白いじゃないのよ。
それらはあくまで物語に厚みを持たせるための調味料でしかなくて、
オチに繋がるまでの筋が通ってないと、ただただ底抜けに明るい冒険譚なんかより陳腐になってしまう劇薬なんですよ。
FF16は最終的には「世界をより良いものとすること目指す」のが動機であって、そこに到達するまでの犠牲として"暗さ"をかなり過剰に盛ってる。
こうなるとね、もうアンサーはちゃんと見せなきゃダメだよ、やっぱ。
あのラストはもう陳腐すぎ。twitterで物語を評するときに「エモ」の単語しか出てこない、妖怪エモサエモサじゃん。
米津先生の曲が良すぎるのもあって、それが逆に「あーこれ開発陣は"良いもの作ってる俺たち"に酔ったな」感が浮き出ちゃったなと思う。

もっかい言うけどダークな物語を全否定はしない。
(好きじゃないケースは多いけど)
ようは、最初から「救われない修羅の道を歩いている」ことが台詞でも演出でも提示されていれば僕は受け入れられます。
「己の非道を許容して、やり遂げなければならないことのために良い人だって〇す。」そんな主人公をさんざ格好良く見せつけて、見ている人を裏切らず因果応報で主人公は死ぬ、後味の悪さを残して終わる。
でもその生きざまに惹かれる、みたいなそういう作品で好きなのアルヨ。
でもクライヴは聖人なんすよ。言葉だけの悪党なんだよね。
30歳にしては行動が安直すぎ、とか言う人もいるけど、ゲームやぞ?流石に演出上見えない部分に対して、彼が抱えている苦悩は安易に想像できる。目的を達成できるのも自分のドミナントとしての力ありきだから巻き込める人間も限られる、間接的に犠牲が出ても、自分がやらないとって。
でもそれは能動的に、「大を救って小を切り捨てる」を選択しているわけじゃないんだよね、実際本来切り捨てるべきところでも、目に見える範囲なら彼は救おうとするわけですよ。
そうなるともう、彼の辿ってきた道筋を意味あるものしないと、茶番なんすよ。もうそのアンサーに相当なパワーがいるわけ。絶対に表現として逃げちゃだめなのよ。
逃げちゃったんだよなぁ、米津先生の神曲使って。
読み手に結末を想像させたくない裏切りにしても、安い、弱すぎる。
見たことあるよこの手のやつ何回も何回もさーーーーー。

後回しにした「でも実際はバッドじゃないよねサブクエ考察すれば」の件。
いや、弱いのよ、それじゃ。
ハッピーエンドだよ!も考察のひとつでしかないじゃんね?
誰が見てもそう思わせるだけの演出になってない、っつーか
FF16からはね、何も発していないの一緒ですよ。
シドの台詞もっかい聞き直せ、開発陣。

もうパワーがいるんです、主人公達の辿ってきた道の過酷さ、払ってきた犠牲を考えたら。絶対直接的に見せなきゃダメ。
もうそれか、それかよ?全部滅ぼして、超絶ドン底に叩き落す、ド鬱ゲーの金字塔として超攻撃的な作品として打ち立てる。二択。
終盤まで作りこんで最後の最後に、急にFF10思い出したんか?開発陣は。

言葉強くてすみません。
マジで面白かったんだよ、バハムート戦までは。
その反動です。
いや、嘘。ぶっちゃけ想定は出来てたし、それはやってくれるなよ?と祈ることしか出来なかった、俺ごときには。

・バトルシステム、探索、育成
本来分けるべき項目を、敢えて1項目で語る。
不満ありません、こういうので良いよ。マジで良く出来てる。
正直「奥深さ」はないけど、動かしていて気持ちいい、はアクションゲームで絶対MUSTな要素だから、そこをアクションクソ雑魚ナメクジ品質のあのスクエアエニックスが外してない、ユーザーニーズを理解してるのはえらい、賞賛送りたい。なんならバランス調整も結構良いとこ攻めてると思う。
マジでマニアックにしたりリアル信仰強めたりで、肝心の手触りが落ちるアクションゲーム多いからね。(re4とか若干それ寄り)
奥深さとか物足りなさは、グラフィックと演出、物語のウェイト考えたら、テンポ落とさないための調整としてまぁ納得できるレベルですね。
探索、育成の割り切り方はなんか俺の想像する吉田Pのデザインぽさある。
人類総youtubeキッズの時代、ポチポチスマホゲー民もターゲット層から外さないんだな、というか。
ラグジュアリーでした。
でも2週目召喚獣バトルまじでかったるいから、アプデでなんとかして。
ドドメがQTEも気持ちよくないから、オプションとかで外せると有難し。

・音楽
へ~こんなジャンルあるんだね、ゲームで。って感じ。
音楽単品としてかなり好意的に見てるけど、「ゲーム音楽」的にはマッチしてないかも。大外れはしてない、マッチしてるとこもある。

・キャラ
書くの忘れてたから追記。印象に残りし者たち。

クライヴ:
味が….しねぇ。いや結構好きなんだけどね、イフリートになるときだけ若干粗暴な口ぶりになったり、叔父様との会話で垣間見える「そういえば侯爵家の坊ちゃんだったな」という上品さとかね。
もうちょい尖らせても良かったカモ。
前作のノッくんがガチ尖り坊主だったから、反動の犠牲者感はあるけど。
まぁ、一番感情乗せたかったラストがアレなのでね。。。

ジル:
いい子。30代同士にしては恋愛描写が痛いという評価を見たりしたけど、ジュブナイル好きなので、変に斜に構えた感じじゃなくて凄い好きだった。
故に。FFといえばラブコメの波動だが、FF16は「あ~懐かしのナポリタン」って感じで良かった。なんか他のFFの恋愛描写って常にリアルタイムから一個前の時代というか直近の古さがあって恥ずかしくなっちゃうんだけど、これはいいじゃんねぇ?FF10より好き。
故に。

ヨーテ:
見た目、ツボすぎ。

カンタン:
容姿と物語中でやってることのヤバさが乖離してて、一周回って名前を見てジワジワ笑えてくる。
味わい深いのでピックアップ。
マジモンの狂気。
気持ちはわかるけどよ。
嫌だろ、あんな家族。
好き。

ダリミル宿場のクソ馬鹿オトナ:
自分で投げた石が子供に当たった瞬間に、数秒前の人格が消去されるオトナ怖すぎる。変なとこで脚本手抜くなよ。せめて多少の遺恨は残れ。
「やっぱりルボルはこの街に必要なんだよ」じゃねーだろ。
(終盤のサブクエね)


バルナバスザルム:
意味深で立ち位置的にほぼ最強格なのに、おそらく演出上入りきらなかったためにキャラクターとしてのバックボーン武装ほぼゼロであの"FF"のボスを担うという、このゲームの業をその背に受けた男。
なのに全く深堀ってほしいとも思えないという凄すぎるキャラ。
ファンタジー作品の悪役でこんな"無"のやつマジで見たことない。


以上。

16-2出たら買うし、期待もする。
普通に面白かったよ、うん。
ただ、昔からFFってあんま好きになれんのよな、の呪縛から今作でも解放されることはなかったという、ドラクエ派閥の戯言でした。



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