全員の給与額を「自己申告」で決定！に対する中の人の感想
※この感想は会社、組織を代表するものでも社員を代表するものでもなく、あくまでも個人の感想です。
こちらの記事（※当初PR記事としていましたが、PR記事ではありませんでした、訂正させていただきます。）
全員の給与額を「自己申告」で決定！マネジメントの自動化を目指す、ゆめみの組織づくり
に対する中の人の感想。
記事の要約
いろいろあって長い記事なので3行で要約すると、
・給料は自己申告で社員が希望した額（が余りにも異常値ではない限り）を理由を問わず満額給付する。
・ただ、相場観は転職市場での価格を参考に自分で調べてね。
・マネジメントを排除した自律組織を構築しようとしている。
この制度に変更しようとしているという話を社内で公表されたのが去年の秋頃だが、正直な感想は、、、おいおい正気か？キャッシュは？？
導入時に想定されるメリット
この制度が導入されたときに想定されるメリットを上げると、
1. 話題を集める尖った会社になる
2. 優秀な人材を集めやすくなる
3. 社内で育った人間が転職することで給与が急に上がるメリットを相殺でき長く働いてもらうことができる
4. マネジメントコストが下がる（そもそも社内にマネジメントされることを嫌う人材が多い）
5. 同一労働同一賃金への圧力が強くなり給与面の不満が溜まりにくくなる。
、、、などなど、今あるプロジェクトを遂行するために社員に長期に会社にコミットしてもらうためには非常に有効な施策と思われる。
導入時に想定されるデメリット、リスク
メリットは有る一方でデメリット、リスクも非常に大きそう。そもそもこれが企業としてトータルでメリットのほうが大きい施策ならすべての企業が導入している筈。
1.会社のキャッシュは大丈夫なのか？事業継続性があるのか？
2.市場価格より高い報酬を希望しても大丈夫というのはモラルハザードが発生しないか？
3. モラルハザードとは逆に、より高い報酬を取って然るべき人間が控えめな報酬しか受け取らないキャップが発生することで逆に社員全員が萎縮してしまわないか？
4.主張出来ない人が損をしないか？
これらはすべて私の頭の中に浮かんできた疑念なので、追って一つづつ詳細化したいと思う。
Q1. 会社のキャッシュは大丈夫なのか？事業継続性があるのか？
A. 経理を見ていないので正直わからん。この制度を導入しようとした時点でちゃんと算盤を弾いて勝算が合った筈。見通しが立ったんだろう。
潰れたらそれはその時、それまでの給与をベースに転職活動でもするか。くらいの認識。
Q2. 市場価格より高い報酬を希望しても大丈夫というのはモラルハザードが発生しないか？
A. ある程度給料をもらっている人に関しては職域毎の給与レンジが社内で公開されているし、人の口に戸は立てられぬ。逆にせっかくの高待遇を自分から放棄するようなリスクを取る真似って人間なかなかできるもんじゃないんじゃないかなぁ。。。衣食足りて礼節を知る。満たされた環境ではモラル・ハザードを起こす必要が無いかなぁ。。。知らんけど。
Q3. モラルハザードとは逆に、より高い報酬を取って然るべき人間が控えめな報酬しか受け取らないキャップが発生することで逆に社員全員が萎縮してしまわないか？主張出来ない人が損をしないか？
A. これは私が若くて優秀なエンジニアに昔言われたあるセリフを思い出した。
「創業当時からやってて社内で再古株のエンジニアとして続けてきているT８さんがその給料だったら夢がない。」
彼はその数カ月後に退職したが、それは当時の報酬体系が、社内の給与テーブルと転職市場価値のギャップを埋めることが出来なかったからであったとと思う。（他の理由はあるかもしれないですが聞いてない。）
実際のところ私の年収を考えたときにそのまま自己申告制に移行してしまうと社内の給与テーブルの上限を決める見えない圧力になるんじゃないかとという懸念があった。
しかし、自分では何も交渉などしていなかったのだが、この発表があった後、まだこの制度に移行する前であるにも関わらず勝手に給与が上がっており、気がついたら1年間で200万円近く年収が上がっていた。（会社の他の人間から社内で公開されてる職種レンジではこの幅になってますよと指摘されてから確認した。）ので、会社としては全体の給与を抑えるために使おうという意識はあまり無いらしいと理解した。
Q4.主張出来ない人が損をしないか？
A. これはあるかもしれないし無いかもしれない。社内でチーム内ではある程度みんな仕事量や成果、技能が見えているし報酬とのギャップが生じている場合にはチームの仲間からもっともらうべきという圧力が働くんじゃないかなと思ってる。
まとめると
まだ実施されていないが、不安半分、期待半分の面白い試み。長期の安定性はわからないけど潰れる前に何らかの力学が働くだろう。潰れたら潰れたとき。
追記
以下の記事で詳しく記載しましたが、特に自分から給与交渉をしない人でも役割に応じて昇給してくれてます。
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