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2020年を振り返る。なりたいものになろうと決めた一年

今年も残す所あと二日となりました。
今年は世界的にも大変な一年となり、私自身も様々な悩みや不安もありましたが、振り返ればたくさんの出会いと喜びに溢れた一年でした。
一年間の創作活動を作品と共に振り返ってみようと思います。

●新しい事への挑戦

創作活動二年目となる今年、私はある目標を立てました。

『たくさんイベントに出て多くの人に自分を知ってもらう事』

一年目の2019年はとにかく作品を描く事を目標にしていたので、二年目の今年はもっと多くの人に作品を見てもらいたい!可能な限り関東や関西の大きなイベントに出よう!そんな風に考えていました。(福岡在住です)

しかしながら、年が明けてすぐにイベント参加どころか外出自体が難しい事態に。予想もしていなかった状況に頭を抱えました。
そんな折、ずっと気になっていたギャラリーさんから企画展にお誘い頂き、それならばと「展示会に作品を出展してみよう!」へ目標をチェンジして、新しいフィールドに足を踏み出してみることにしました。

●理想と現実の溝

展示会に出る事が決まったものの、私には悩みがありました。

自分が表現したいものと実際に描けるものに溝があること。

簡単に言えばスキル不足です。
私が創作を始めることになった経緯はこちらの記事で書きました。

この記事の通り、私はずっと絵を描き続けてきたわけでもなく、専門的に絵を学んだこともないので、作品を描けば描くほど自分が描きたいイメージに対して画力が追い付ていない事実を自覚するようになりました。

新web用_アップルティー01

2019年10月「わたしのティータイム」
とても気に入っている作品ですが、体のバランスがわからず何度も描き直したり、背景の描き方がわからずかなり悩みながら描いた記憶があります。

展示会へ出展するということは、自分の絵に値段を付けて売るということ。
そしてお金を出して買ってくださる方がいるかもしれないということ。
そのためには自分が描ける最大限の作品を送り出したい。
自分で上手くいかなかったなぁと思いながら描いた作品を出展するなんて絶対にしたくない。それは絵を買ってくださる方に対して不誠実だし、何より自分の作品に対して不誠実だ。

もっと基礎画力を向上させよう!!

ここから自分の絵と向き合う日々が始まりました。

●描けなかったものが描けるようになる喜び

ありがたい事にそのタイミングでとあるイラストオンラインサロンに参加する機会に恵まれ、そこでたくさんの絵描き仲間との出会いもあり挫折することなく絵の勉強に打ち込むことができました。

取り組んだ課題はこんな感じです。
・クロッキー
・デッサン(少し)
・パース
・スケッチ
・解剖書の模写
・その他、とにかくたくさんの参考書を読む

5月から始めて8ヶ月間。プライベートでは二児の母でもあるので、子育てと展示会の作品作りと絵の勉強と…毎日がめまぐるしく過ぎていきました。

どのように絵が変わっていったのか実例を載せてみます。

トルソーに花_web用

2020年5月「お気に入りを集めて」
クロッキーを始めて一か月後の作品です。頭身が高くなり人体のバランスがよりリアルになってきました。

花便り

2020年6月「花便り-移り行く時、やすらぎの場所-」
初めて一点透視図法を使って描いた作品です。パースにはずっと苦手意識がありましたが、この絵のラフが浮かんだ時にこれはパースを学ぶしかないと決心しました。細かい描き込みが楽しくてとても思い入れのある作品です。
※当時描いた記事はこちら

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2020年6月「とある植物収集家の部屋より」
こちらは初めて2点透視図で描いた作品です。当時は慣れないパースに苦戦してラフから線画に起こすまでかなりの時間が掛かりましたが、自分の世界観を形にできた事がとても嬉しかったです。
この作品はありがたいことにイラスト雑誌「季刊エス72号」にて銀賞を頂きました。

特別な場所

2020年10月「特別な場所」
この頃から背景を描くのが楽しくて仕方がなくなっていきました。
特にこの絵から階段の種類や建築についても勉強するようになり、知識が増えるにつれて自分の世界がどんどん広がっていくのを感じました。

動き出す物語

2020年10月「動き出す物語」
上の「特別な場所」の連作で、絵の中の少女が成長した姿を描いた作品です。
この頃からただ単に背景を描くのではなく「自分が伝えたいメッセージを見る人により伝えるにはどうしたらいいか」を意識するようになりました。
それにつれて自分の表現したいものが以前よりもずっと明確になっていきました。

解剖学を学ぶようになった頃、一度スランプに陥りました。
今まで描いてきた顔や全身はどちらかというと「デフォルメされたかわいいイラスト」でしたが、少しずつスキルや知識を身に着ける中で今の自分の描きたい絵柄が今までとは違うことに気付き、その結果『顔が描けない』という状態になってしまったのです。これにはかなり落ち込みました。丸一日同じ顔を何度も描き直しては消して、を繰り返していた日もありました。

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2020年12月「ニットコーデ」
こちらはそんな時に趣味で描いたものです。以前の顔の描き方とはたいぶ描き方が変わって迷走している時です(笑)

基本的に絵を描く事はいつでも楽しい事で、悩みはあれど私にとって創作活動は生きることそのものなので、絵を描く事自体を苦しいと感じる自分にとても戸惑いました。
それでも私の絵が好きだと言ってくださる方や絵描き仲間たち、身内の励まし等があり、絵柄なんてその時によって変わるものだし今描きたいように描けばいいんだ!とふっきれるようになりました。

温もりに包まれて

2020年12月「ぬくもりに包まれて」
最新の作品です。嬉しい事にTwitterでは1200いいねを頂きました。
評価された数字がそのまま絵の価値になるとは思いませんが、それでもたくさんの情報が流れてくるSNSで私の絵に目を留めていいねボタンをしてくださったその一時がなんとも嬉しく、とても励みとなりました。

そして、今年最後に参加したこちらの展示会『postcard exhibition vol.19』にてお客様投票で最優秀人気賞を頂きました。

自分の名前を見たときは、本当に驚き涙が出ました。
これまで応援してくださった方や作品をお迎えくださった方、展示会でお客様との縁を繋いでくださったギャラリー、切磋琢磨してきた絵描き仲間たち、そして投票してくださった皆様…
ひとつひとつの縁に支えられて私は絵を描き続ける事ができている。
そのことを実感する賞でした。

●絵を描く理由

画力を上げようと決めた当初は単純に絵が上手くくなりたい!という思いが強かったのですが、作品を描き続ける中で、私は絵を通して何かを伝えられる人になりたい、と明確に思うようになりました。

もちろん絵を描く一番の理由は自己表現であり自己満足です。それでも私の絵で何かを感じてもらう事ができたなら、誰かの心に贈り物を届けることができたなら、こんなに幸せな事はありません。
「私のお気に入り」が私の創作テーマですが、これからは「だれかのお気に入り」になれたらいいなと思うのです。
今後も自分の絵と真摯に向き合い、ひとつひとつの作品に全力を注いでいこうと思います。

長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。
2021年が素敵な一年になりますように。

良いお年をお迎えください。

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