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パウパー青単デルバー(メインボード解説)

初めましてtarteと申します。MOを主戦場にパウパーを楽しんでいます。こうして記事を書くのは初めてですし、言語化自体あまり得意ではありませんが、少しでもパウパーに興味を持ってくださる方が増え、界隈が盛り上がってくれればと思い記事を書く事にしました。

今回は私がメインデッキとして使い倒している青単デルバーについてを、デッキ紹介、デッキガイド的に書いてみたいと思います。
数あるパウパーデッキの中でもプレイングが難しくミスの許されないデッキという印象がありますが、どんなデッキにも勝てる可能性があり、使用後に「マジックしたわ~」的な達成感を与えてくれるデッキとして皆さんにオススメしたいです。
ただ、使い倒していると言っても私自身まだまだ理解しきれていない部分も多くあり、修行中の身分であります。

青単デルバーとは

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今回の記事で扱うリストはこちら。何度もリーグ5-0を達成し、勝率は7割を超え、リーグ勝ち越し率は80%を超えており、どの環境下でもどんなデッキに対しても戦える75枚だと思っています。

「青単デルバーとは、軽く優秀なクリーチャーを打ち消し等でサポートしながら殴るクロックパーミッションである。」

誰しもが知っているし、誰しもが納得できます。ですが、私が思う勝てる青単デルバーは、意識付ける意味も込めてこう付け加えておきたいです。

「このデッキは、クリーチャーデッキであり1ターンでも早く相手を殴りきる事を目的とした限りなくアグロデッキに近いクロックパーミッションである。」

これが私のこの記事を通して一番伝えたい核になります。これを意識するだけで、カウンターは三点本体火力付きカウンター、バウンスは一枚ドロー付きまたは一枚ハンデス付きバウンスへと変わります。また、展開の方法によりマナを使わずして疑似的な除去をも行えます。

このデッキの目指すことは、相手の思惑を無にする事では無く、ライフ1点以上を残し手札を使い切って相手のライフを削りきる事です。決してハンド差を広げることではありません。これを頭に入れておくだけで、相手のどのカードが脅威なのか無視していいカードなのかがわかるので、無駄なカウンターはかなり減らせると思います。

このデッキを語るうえで避けて通れないのはテンポアドバンテージ理論です。これについては、深堀りし過ぎるとこの記事の主となっている部分が分からなくなるので、ここでは簡単に私個人が思うテンポアドバンテージへの解釈を記しておきます。
私は、テンポアドバンテージとはカードの交換の際に生じる使用マナの差で生まれるもの、と考えています。0マナで1、2マナのカード、1マナで2マナのカード、といった意識を持ってカードの交換をしていくと、次第に盤面の差が生まれてきます。このデッキは、そのアドバンテージを重視したデッキとなっています。また青単デルバーがどんなデッキにも勝てる可能性を持っている理由の一つです。

メインボード解説

大まかなデッキコンセプトが分かったところで、各カードを一枚一枚見ていきましょう。サイドボードまで詳しく解説するには一つの記事では難しいので今回はメインボードのみの解説とさせて頂きます。

・島(18)

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青単と他のクロックパーミッションとの一番の違いは、すべての土地がアンタップインであり1ゲーム中に使用できるマナの総数が多いということ。これにより相手を手数で上回る事ができます。そのマナ差を利用して展開しながらカウンターを構えることも容易になっています。一時期島14、15、16枚など土地を極端に削った青単のリストが注目されましたが私は18枚がベストだと思っています。確かに定業、思案、などが有れば土地を見つけられるとは思いますが、序盤は土地探しよりもクロックの展開を優先しライフを削りに行きたいので、土地は削り過ぎない方が良いと思います。半面、フラッドした場合が怖いですが、テンポで押されてしまって手札を使い切れずにいるよりも勝率はあると思っています。

秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(4)

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1マナ3/2飛行。最強のマナレシオ。青単デルバーが青単デルバーを名乗れる理由。しかし、先に言っておきます。「そう簡単に変身すると思わないこと。」これ結構大事です。変身しないものとして、違う軸でプレッシャーをかけるプレイングをしてみるのも重要。それにマッチアップにもよりますが、無理に思案や定業を使って変身させる必要もありません。変身のためだけに1マナ使うのはもったいないです。思案、定業は必要なものを探すために使いましょう。いるだけで相手にとっては脅威になっていますし、いつか変身します。また、私はどのマッチアップでもライフは狙っていきたいので基本的にサイドアウトしません。

フェアリーの予見者/Faerie Seer(4)

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1マナ1/1飛行。占術2。私は、定業や思案よりも強いカードだと思っています。着地した際、血清の幻視キャストして引いてきた1/1飛行をそのまま出しちゃいましたよ、って感覚になります。特にサイド後、キャントリップを抜きたい派なので、サイド後の潤滑油として重宝しています。これも基本的にサイドアウトしません。SSSのフェアリーカウントを上げる重要な存在であり、私の12フェアリーのストロングポイント。土地一枚と定業か思案一枚はキープしませんが、土地一枚予見者一枚はよくキープしています。

フェアリーの悪党/Faerie Miscreant(4)

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1マナ1/1飛行。場に2枚以上いればETB1ドロー。このデッキでは数少ない能動的なカードアドバンテージ源。度々必要かどうか問われるクリーチャーではありますが、私は必須カードだと思っています。もちろん忍者との組み合わせで気持ちよくなれるカードですが、このカードの真の力が発揮されるのは、勝ち筋がダメージレースに限られてしまった場合にチャンプブロック要員として粘り強く、すれ違いで削りきるチャンスをくれる事です。ギリギリのマッチが多く、それを制することができなければ勝率が上がらないこのデッキには重要な要素だと思います。対戦するデッキに合わせて、手札に2枚揃ってからプレイするなど工夫すると、より強さを引き出せます。

呪文づまりのスプライト/Spellstutter Sprite(4)

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2マナ1/1瞬速飛行。ETB自分の場にいるフェアリーの総数以下のマナコストの呪文を打ち消す。通称「SSS」。打ち消しながらクロックを展開できると言う、誰もが認めるパウパー界屈指のクリーチャー。私が、この12フェアリー構成の青単デルバーを使用する理由になっているのは、現環境に溢れている3マナ全体除去インスタントをこのカードで打ち消したいというものからです。全体除去をケアして展開しない、などのプレイングも重要だと思いますが、後ろ向きになりすぎて勝機を失ってしまう場合もこのデッキでは起こるので、よりアグレッシブに勝利を目指すプランもとれるようにした構築になっています。このカードのもう一つの役割は打ち消しだけでなく、相手エンド時に出してクロックを追加する事です。返しのターンSSSと変異原性の成長や忍者をトップしたら削りきれるかもしれない状況は良く起きうるので、積極的にただの1/1飛行瞬速としての運用もしていきます。当たり前のことですが、そういった受けも見越して2、3ターン前からプレイングを積み重ねられるかどうかで、勝率はかなり変わってくるでしょう。

深き刻の忍者/Ninja of the Deep Hours(4)

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4マナ2/2戦闘ダメージ与えたら1ドロー。2マナで忍術。このデッキの重要なドローソースでパワー2のアタッカーです。このカードの使用で気を付けたいのが、後手の2ターン目に忍術するのかどうかです。先手の場合は2ターン目忍者はそれほどリスクの無いプレッシャーのかけ方(殺しを採用した青黒系以外)なのですが、後手はそうもいきません。除去のあるデッキには悪手になります。返しのターンにこちらの合計3マナの行動に対し、1マナや2マナで対処され、加えて残り1、2マナで展開までされてしまうと、例えカードアドバンテージは取っていても取り戻せないテンポ損が生まれてしまいます。この青単デルバーではカードアドバンテージよりもテンポアドバンテージの方が重要ですので盤面の優位を簡単に与えないように注意しましょう。逆に、ボーグルなどの除去が無いデッキに対しては後手2ターン目に忍術をすることが最善手になる場合もあります。忍者の存在により相手のクリーチャーが棒立ちにならざるを得ない状況を作れるからです。こうして相手のキルターンを遅らせられるカードであることも頭に入れておきましょう。

尖塔のゴーレム/Spire Golem(2)

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6マナ2/4飛行。親和(島)。基本的には2マナ以下でキャストしたいカード。青単デルバーでは珍しい恵まれたボディで、アタッカーとしてもブロッカーとしても優秀。太さとコントロールがコンセプトの青単では主戦力になり4枚入れるべきカードですが、今回の12フェアリーの前のめりビートダウンとは若干嚙み合わないところがあるので、手札でダブらないように採用枚数は2枚になっています。しかし、いくら噛み合わなくても、ブロッカーとしての能力は優秀ですので、サイズで止めないとダメージレースを返せないストンピィや、同系のデルバーや忍者を止めるためにも必要なので2枚以下にしたいとは思いません。また、無色であることも重要で、ギルドパクトの守護者を止めたり、白単ヒロイックのプロテクション付与したクリーチャーをチャンプブロック出来たり、虹色の断片の軽減を無視したりと、出来る仕事は多いカードなので、探しに行く場面も多々あります。

定業/Preordain(4)

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1マナキャントリップの代表格。ライブラリーボトムに不要牌をおくることで必要なカードへのアクセスを早めます。これまた当たり前で、他のキャントリップ全てに当てはまりますが、今欲しいカードは何なのかを明確に分かった上で使いましょう。できれば膠着状態や不利な盤面の時にキャストしたいので序盤特に必要なカードが無ければマナが余っていても使わず温存するのもありです。基本的には初手にクリーチャーとキャントリップの両方がある場合、1ターン目は1マナクリーチャーを優先的にキャストした方が強いですが、後手1ターン目に相手が山、沼の除去色を立ててきた場合はキャントリップから先に使い相手の1マナを無駄にしましょう。そういった細かなプレイングにより相手の行動回数を減らしていく事が、テンポアドバンテージ、更にはカードアドバンテージにつながっていくと思っています。

思案/Ponder(3)

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1マナトップ3枚並び替えて1ドローまたはシャッフルして1ドロー。正直、私はこのデッキにおけるこのカードの本当の強さを未だ理解出来ていないと感じています。100%カードの強さを引き出せていません。私は良くサイドアウトしています。大抵の場合トップを並び替えて、2、3ターン後のプランを考えるカードくらいにしか考えられていません。はたしてその為に1マナ使う必要があるのか.....?ただし、土地の数を削っている分土地を探すためのカードとして4枚入れています。よく定業と思案どちらを先に使うかという議論がありますが、私は定業を先に使いたい派です。多くの場合特定の1枚のカードを探すためにこの組み合わせを使うので、最大でトップ6枚を掘り下げられる、定業→思案の順で使っています。予見者との組み合わせですが、次ターンの行動を安定したい場合は思案や定業を使った後に予見者、今、特定のカードを引く必要がある場合は予見者から先にキャストすると良いと思います。

魔力の乱れ/Force Spike(2)

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1マナ要求ソフトカウンター。このデッキにおけるこのカードの存在理由は、1ターン目にクリーチャー、2ターン目にもクリーチャーを追加しながら1マナでカウンターを構えられることを可能にしているという点です。正直、相手にバレていても全く問題ありません。ケアされ続けても相手が無駄にしたマナが多くなるので、相手の展開を遅らせてこちら側が先に殴りきる可能性を高めてくれます。このカードを強く使うため、加えて手札で腐る事の無いようにするには、こちら側から展開を押し付けていく必要があるので、攻めの姿勢を持ち続けましょう。
基本的には2マナ以上のカードを打ち消すためのカードなので先手1ターン目にこのカードを構えることはしません。しかし、エルフと壁コンボには使用できるマナを積極的に縛る必要があるので、構えることもあります。

変異原性の成長/Mutagenic Growth

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緑Φマナ+2/+2。テンポアドバンテージがコンセプトとなっているこのデッキの最も重要なカードと言えます。0マナで相手の1、2マナのカードと交換することで、盤面の優位を広げます。具体的には忍者、デルバーへの稲妻との交換、コンバットでコーの空漁師や相手忍者と交換、ゴーレムと合わせて4/4まで受け止めるなど様々な仕事をしてくれます。
また、キルターンを早めるカードで、この存在によりダメージレースを勝ちきれる可能性を高めます。青単デルバーと対峙する場合はこのカードにより余計な2点をもらわないように、自分のターンのメインで稲妻を撃つなどに気を付けると良いと思います。
このカードも魔力の乱れなどと同じく、攻め続けることで強さを発揮するカードなので、このカードをトップした時に、より多くの恩恵を得られるようにプレイを積み重ねましょう。

対抗呪文/Counterspell

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2マナのみんな大好きで大嫌いな確定カウンター。相手の脅威を弾き自分の優位を守る青いデッキの最強カード。このカードについての説明は要らないでしょう。ここではこのデッキにおけるマストカウンターの考え方について書きたいと思います。基本的に盤面に影響を与えないドローカードやアドバンテージカードはほぼ無視でも大丈夫です。もちろん状況によってですが。親和の物読み/Thoughtcast、エルフや壁、スリヴァーの暴走の先導/Lead the Stampedeなどはパワーカードではありますが、このデッキへの脅威はそれほど大きいものではありません。それよりも手札をスムーズに展開するために必要な、マナクリーチャーやマナフィルター、盤面に影響を与えるカードにカウンターを使いましょう。そうすることで、相手がカードを使い切る前に殴り切る事ができます。これがホントに気持ちいいんです。

断絶/Snap

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ほぼ0マナのクリーチャーバウンス。メインボード紹介最後を飾るのは、やはりこのカード。とにかく使用用途が多くこのカードの使い方の引き出しが多ければ多いほど、このデッキは真価を発揮します。単純に相手のクリーチャーをバウンスし、出しなおしたところをカウンター、SSS、忍者の使いなおし、除去からの避難、チャンプブロッカー、チャンプアタッカーを回収など簡単に思いつくだけでもこれだけの使用用途が挙げられます。対戦相手があっと驚くようなプレイングを目指しましょう。
また、このカードも相手のライフを削ってこそ多くの選択肢を生み出せます。やはり、このデッキはアグロデッキなのです。

おわりに

今回の青単デルバーについての記事はここまでとさせていただきます。
ここまで、おおまかなデッキのコンセプト、メインボード1枚1枚の使用方法、注意事項などを解説してきましたが、まだまだこのデッキのメインボードについてを説明しきれていないと思います。私自身もまだまだ引き出し切れていないこのデッキの強さもあるでしょう。それだけこのデッキは奥深くやりこみ要素のあるデッキだと思います。
また、青単デルバーには今回紹介したリスト以外にも数多くの型が存在します。多すぎて紹介しきれません。それぞれのデッキによってカードのプレイ方法、価値、マストカウンターなどが違ってくると思います。とにかく、変幻自在の面白いデッキですので、ぜひプレイしてみてください!
ありがとうございました!


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