創作ノート番外編「出演者オーディション応募受付 折り返し」
こんにちは！
「TARRYTOWN」翻訳・訳詞・演出の中原和樹です。
「TARRYTOWN」の再演のリリースからたくさんの反響を頂いており、大変ありがたく思っています。そして同時に、この作品の力を実感している次第です。
初演からこの短期間で再演をリリース出来たことも、カンパニーを動かしくれている様々な方のお力添え、そして何よりこうして応援してくださっている方々のお蔭だと思います。
現在「TARRYTOWN」では2025年3月の再演に向けて、出演者のオーディションを開催中です。6月20日から受付開始をして２週間弱が経過しようとしていますが、すでにたくさんのお応募を頂いております。正直なところ、驚いています。
昨年に初演を行ったとはいえ小さいカンパニーでしたし、現在でも大きなカンパニーとは言えません。「TARRYTOWN」も素晴らしい作品ではあると信じていますが、日本ではまだ有名ではありません。
作品情報もこちらからなるべくたくさんお知らせするようにしておりますし、原語のサウンドトラックがインターネット上で聞けるとはいえ、それでも他の有名な作品ほど事前情報が手に入るものでもありません。それでもこうして大勢の方にご応募していただき、時間をかけてこの作品に飛び込んでいただけることに心から感謝しています。
お一人お一人の書類は大切に読ませていただいています。
日本のミュージカル界にこんなにも多様な方々がこうして存在して、日々鍛錬し、稽古し、公演しているのだと考えると、心が温かくなり、勇気づけられます。
今回のオーディションでは、「TARRYTOWN」という密度の高い少人数ミュージカル創作を、一緒に真剣に楽しめ、より良い表現は無いのか、もっと違う方法は無いのかと、作品を隅々まで探索するような冒険心を持った方々とお会いしたいと期待しています。
演出家として、「TARRYTOWN」では、三人の登場人物の人間関係と内面の繊細な葛藤、人間らしい心の矛盾といったドラマを、きれいにまとまった形ではなく、ゴツゴツとした不格好な感触で、エネルギッシュに表出させていけたらと考えています。そのためには人間という存在に興味を持ち、その美しさも醜さもあわせて見つめていく眼差しを持ちながら創作を行いたいと思っていますし、そのクリエイションを楽しく厳しく、ご一緒していける方とのご縁を求めています。
本来ならばご応募くださった全ての方々とお会いし、対話していけたらと思うのですが、時間などの制約もあり、どうにもそれが叶いそうにないと思われるのが大変残念でなりません。素直なところ申し上げると、これほどの人数のご応募を想定していませんでしたので、当初はご応募いただいた方全員とお会いするつもりでいました。
ですが、想定の応募人数をどんどん越えてきたため、設定した二次選考の時間設定内に収まる人数ではなくなってきました。（嬉しい悲鳴ではあるのですが・・・。）
そのため、書類選考である程度の人数、落選者を出さなければいけないことが予想されます。仕方のないこととはいえ、本当にやるせないです。
もちろん書類にはその方の経歴や想いが文字情報として書いてはありますが、やはり全ての大事なことは、その人にお会いし言葉を交わし、その人の生きているエネルギーと出逢ってから始まると思っていますので、本当にみなさんとお会い出来たらどれだけいいかと思います。
こんなことを書くのはおこがましいという気持ちもあるのですが、こういった出演者オーディションの場合、選ぶ / 選ばれるという関係性が出来てしまうことが仕方ない部分もあると思います。それでもやはり、演出家やカンパニー、そして作品もある種、出演者の方々から選ばれているという側面もあると思うのです。
理想論ではありますが、そこにヒエラルキーが無く、フラットに出会うことが出来たらといつも思います。
そしてたくさんの人のご縁とタイミングが繋がり、プロダクションが育ち、最終的に観客のみなさまの前へと顕れる。
これは大げさでなく、一つの奇跡だと思うんです。
その奇跡のスタートとなる出演者オーディションにたくさんの方々がご応募してくださっていること、本当に感動しています。
ご応募頂くというのは、インスタントなことではないと思っています。作品情報を調べたりこちらのカンパニーについて調べたり、必要事項の内容を考え、ご自身のスケジュールを見つめ、フォームに記入して資料を提出していただくという工程があるかと思います。それはご自身のお時間と想いを、この作品とこのカンパニーに向けていただいていることだと思っていますし、感謝してもしきれません。本当に、ご応募いただきありがとうございます。
応募受付期間はまだ続きます。
7月15日(月)23:59締切です。
オーディションの詳細の確認、応募は、以下の公式サイトからお願いいたします。
引き続き、ご興味を「TARRYTOWN」に向けていただけたら嬉しいです。
中原和樹
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