エピソード4 アメリカ人
本日はちと軽めのお話。
ここでいうアメリカ人の話は当時の私の主観が大きいものであって一般に定義されているものではないということを書いておく。
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アメリカの球場には飽きさせないための工夫がありなかなか面白い。
7回裏の前には有名な「Take me out to the ballgame」の合唱がある(それではなくストレッチ体操をするところもある)。
それ以外にも回の合間には電光掲示板を使ったアトラクションなどなど盛りだくさん。
オークランドのボールレースはわりと有名だ。実際現地で見たことがあるのだが、色違いのいくつかのボールがトラックを数周するレースで、見る側はどの色が勝つか賭けてたりする。
キング・ドームでは「ハイドロ・レース」が行われていた。
これは夏に実際にシアトルで行われるもので、「湖上のF1」といわれるボートレースだ。
実際のボートもF1みたいで、競艇のものの倍くらいあるのだろうか。
大会の前にはダウンタウンをトラックに乗ったボートがパレードするのだ(余談になるがシアトルは春から夏の終わりにかけて毎週末様々なイベントが行われる、パレードも多い)。
そのレースを電光掲示板でやるのだ。
さすがハイドロだけあってボールレースとは迫力が違う。なにせ途中で蹴散らされて空に飛ばされてしまうものもあるのだ。これは電光掲示板とはいえよくできていた。マイクロソフトなどが生まれた土地だけのことはある。
ちなみにこのレース、いつも当たらなくてLilyに負けていたっけ。
そのほか、学校などから来た団体さんを表示したり、あらかじめ言っておけば、誕生日の音楽とともに名前が映し出されたりするのもある。
この誕生日のとき、とても粋なものを見た。
普通は名前だけの場合が多いのだが、ある日の誕生日コーナーの最後は5行くらいの文章だった。出だしは「Dear ~」で女性の名前が入っていた。勘のいい人ならわかるだろうが、それはなんと数万人の目の前で行われたプロポーズだったのである。これには祝福の拍手と歓声でおおいに盛り上がった。
実はこれ、試合前に頼めば、文字数いくらでやってくれるのだ。
よくバスケットのハーフタイムにコート上で結婚式を挙げるのを聞いたことがあるが、こういう形で愛の告白をするのもアメリカ人らしい話で感動したものだ。
Lilyの誕生日があるのでその日に何か特別なメッセージをと思ったのだが、その日に行ってみたら、電光掲示板の工事期間ということでその計画はボツとなった。
ストライキといいタコマ・ドームといい、肝心なところでついていないのであった。
だが、アメリカ人の粋な計らいはそれだけではない。
学校で、まさか自分が驚かされることになるとは…。
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