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第1回関西社会授業実践研究会に参加して

12月23日(土)に行われた関西社会科授業実践研究会に参加してきましたので、簡単に学びをアウトプットしていきたいと思います。

本会の主催である宗實先生の本をこれまで参考にさせていただいていたので、生で会えるのをとても楽しみにしていた。


第1回ということもあり、今回は模擬授業形式で4人の先生が提案してくださった。最後に座談会が行われ、終了。第2回は子どもと授業をしていくそう。

それぞれの先生のお話を簡単にまとめていきたい。


必要感をもたせる

小学校3年生の導入実践。
四角の中に学校を書き、「どこに住みたい?」と発問する。

すると子どもたちは、学校の近くに家を建てたいと言う。
その理由を聞くと、

「近いと学校に早く行けるから」
「朝早く起きなくて良いから」などのメリットを出してくる。

さらに川を書いたりすると、また場所が変わってくる。

次に、「まちにどんなものが欲しい?」と発問する。
警察、コンビニ、スーパー、病院、テーマパークなど、いろいろ場所が出てくる。
すかさず、「どうして欲しいの?」と切り返すと、

まちが安全になるから→警察
火事が起きた時に消してもらうから→消防
食べ物がを買いたいから→スーパー、コンビニなど
遊びたいから→公園、テーマパークなど

という理由が生まれる。
その後、それぞれの絵を地図に書き込んでいくが、絵が下手くそでなかなか上手く描けない。子どもからも笑い声が聞こえてくる。

そんな時、これを使えば良いと、地図記号の資料を提示。
最後に、自宅からその場所までのルートを方位を使って説明させる。

という一連の流れ。「地図記号」「方位」という社会科の知識を、教え込むのではなく、子どもの必要感がしっかり確保されている感じがした。この導入を基に、自分たちが住んでいる地域を細分化し、チームごとに調べていく展開となる。

2年生の生活から社会科の導入として、社会科って面白い!と思う子どもが多くなるだろう。空間的な見方を獲得することのできる学習でもあると感じた。
また、「安全なまち」「災害に強いまち」など、テーマを設定することも可能だと感じた。少し総合っぽい社会科になる気がするが・・・


社会に起きているズレをめあてとする

これまでも多くの実践が行われてきていると思うが、自分は社会科の授業でほとんど最初に資料を提示し、そこからめあてを立てさせる(めあては子どもがつくる)。
その資料には、必ず「ズレ」が含まれている。

・既習事項(これまでの学習)とのズレ
・経験や知識とのズレ

子どもたちが思っていたこととズレているもの。「え!?なんで!?」と思えるものを用意する。

今回の授業の中でも、子どもたちのズレをめあてとして実践されていた。

愛知県の優先座席数と高齢者率の表


高齢者が増えているのに、優先座席が増えていない

このズレが子どもたちの「なぜ!?」を掻き立てる。
この後、増やすべきか・増やさないべきかの討論が行われる(中学生)

自分たちが住んでいる身近な地域を題材にすることで、自分ごととして社会科の学習に参加することができると考えられる。中学生の段階であれば、留保条件をつけながら、設置するしないを判断し、県に提案するなどの授業展開も考えられる。


子どもたちが学び進める「社会科ワークショップ」

社会科ワークショップ: 自立した学び手を育てる教え方・学び方 (シリーズ・ワークショップで学ぶ) https://amzn.asia/d/f6BM98G


この本の実践報告があり、とても興味深く聞かせてもらった。
大阪の天神祭をワークショップ形式で進めていく。

最初に資料を提示しながら、子どもたちのはてな(問い)を発生させる。
そこからテーマを絞り、調べ学習をしていく。
教師は教えるのではなく、資料を用意したり、アドバイスをしたりしていく。
これまで行われてきた一斉授業とは違った学習スタイルになる。

自由進度学習など、最近流行している方法に似ていると感じた。子どもたちの興味・関心をどんどん追究していくスタイル。
しかし、子どもたちのはてながすべて社会科として認められるわけではない。理科っぽい問いや道徳っぽい問いが生まれてくることもある。それも尊重すべきかもしれないが、社会科としての問いが生まれるように、工夫していくことが大切になってくる。


他県とつなげて比較し、概念を形成する

最後に、4年生のゴミの学習。
4年生は自分の住んでいる県の学習をする。他県の学習は5年生の内容となる。
しかし、宗實先生は、「他県と比べることで概念が形成される」とおっしゃられていた。

鹿児島の火山灰に注目し、灰をどのように処理しているのかを考えさせる授業だった。鹿児島県ならではの廃棄スケジュールや独特な方法があり、自分の県との違いや共通点に気づく手立てとなるだろう。


他県について調べることで、「他の都道府県もも調べてみたい」と意欲を掻き立てる可能性がある。同じゴミ問題としてどのように解決していくのかを考えて、提案することもできるかもしれない。


以上、簡単にアウトプットしてみました。
第2回も参加したいと思います!

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