見出し画像

第十七章 二つの顔をもつ男 11

その夜ハリーは一人で学年度末パーティーに行った。マダム・ポンフリーがもう一度最終診察をするとうるさかったので、大広間についたときにはもう広間はいっぱいだった。スリザリンが七年連続で寮対抗杯を獲得したお祝いに、広間はグリーンとシルバーのスリザリン・カラーで飾られていた。スリザリンの蛇を描いた巨大な横断幕が、上座のテーブルの後ろの壁をおおっていた。

ハリーが入っていくと突然シーンとなり、その後全員がいっせいに大声で話しはじめた。ハリーはグリフィンドールのテーブルでロンとハーマイオニーの間に座り、みんながハリーを見ようと立ち上がっているのを無視しようとした。

運良くダンブルドアがすぐに現れ、ガヤガヤ声が静かになった。
「また一年が過ぎた!」
ダンブルドアがほがらかに言った。
「さて、ごちそうにかぶりつく前に、老いぼれのたわごとをお聞き願おう。なんという一年だったろう!君たちの頭も以前に比べて少し何かが詰まっていればいいのじゃが…新学年を迎える前に、君たちの頭がきれいさっぱりからっぽになる夏休みがやってくる。それではここで、寮対抗杯の表彰を行うことになっておる。点数は次のとおりじゃ。四位、グリフィンドール、三百十二点。三位、ハッフルパフ、三百五十二点、レイブンクローは四百二十六点。そしてスリザリン、四百七十二点」
スリザリンのテーブルから嵐のような歓声と足を踏み鳴らす音が上がった。

ドラコ・マルフォイがゴブレットでテーブルをたたいているのが見えた。胸の悪くなるような光景だった。
「よし、よし、スリザリン。よくやった。しかし、つい最近の出来事も勘定にいれなくてはなるまいて」
とダンブルドアが言った。

 部屋全体がシーンとなった。スリザリン寮生の笑いが少し消えた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?