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第18章 ドビーのごほうび 3

「のう、ミネルバ」ダンブルドアが、マクゴナガル先生に向かって考え深げに話しかけた。
「これは一つ、盛大に祝宴を催す価値があると思うんじゃが。キッチンにそのことを知らせに行ってはくれまいか?」
「わかりました」マクゴナガル先生はキビキビと答え、ドアのほうに向かった。
「ポッターとウィーズリーの処置は先生におまかせしてよろしいですね?」
「もちろんじゃ」ダンブルドアが答えた。

マクゴナガル先生もいなくなり、ハリーとロンは不安げにダンブルドア先生を見つめた。
__マクゴナガル先生が「処罰はまかせる」って、どういう意味なんだろう?まさか__まさか__僕たち処罰されるなんてことはないだろうな?

「わしの記憶では、君たちがこれ以上校則を破ったら、二人を退校処分にせざるをえないと言いましたな」ダンブルドアが言った。
ロンは恐怖で口がパクリと開いた。
「どうやら誰にでも過ちはあるものじゃな。わしも前言撤回じゃ」
ダンブルドアは微笑んでいる。
「二人とも『ホグワーツ特別功労賞』が授与される。それに__そうじゃな__ウム、一人につき二百点ずつグリフィンドールに与えよう」
ロンの顔が、まるでロックハートのバレンタインの花のように、明るいピンク色に染まった。口も閉じた。

「しかし、一人だけ、この危険な冒険の自分の役割について、恐ろしく物静かな人がいるようじゃ」ダンブルドアが続けた。
「ギルデロイ、ずいぶんと控えめじゃな。どうした?」
ハリーはびっくりした。ロックハートのことをすっかり忘れていた。振り返ると、ロックハートは、まだ曖昧な微笑みを浮かべて、部屋の隅に立っていた。ダンブルドアに呼びかけられると、ロックハートは肩越しに自分の後ろを見て、誰が呼びかけられたのかを見ようとした。
「ダンブルドア先生」ロンが急いで言った。
「『秘密の部屋』で事故があって、ロックハート先生は__」
「わたしが、先生?」ロックハートがちょっと驚いたように言った。
「おやまあ、わたしは役立たずのダメ先生だったでしょうね?」
「ロックハート先生が『忘却術』をかけようとしたら、杖が逆噴射したんです」
ロンは静かにダンブルドアに説明した。
「なんと」ダンブルドアは首を振り、長い銀色の口ひげが小刻みに震えた。
「自らの剣に貫かれたか、ギルデロイ!」
「剣?」ロックハートがぼんやりと言った。「剣なんか持っていませんよ。でも、その子が持っています」ギルデロイはハリーを指差した。「その子が剣を貸してくれますよ」
「ロックハート先生も医務室に連れて行ってくれんかね?」ダンブルドアがロンに頼んだ。
「わしはハリーとちょっと話したいことがある…」
ロックハートはのんびりと出て行った。ロンはドアを閉めながら、ダンブルドアとハリーを好奇心の目でチラッと見た。

ダンブルドアは暖炉のそばの椅子に腰掛けた。
「ハリー、お座り」ダンブルドアに言われて、ハリーは胸騒ぎを覚えながら椅子に座った。


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