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これからは趣味以上・仕事未満の活動が大事という話

これからの時代は与えられた仕事をやらされる時代ではなく、個々人が情熱を持つことに取り組むことがそのまま仕事になっていく時代です。

そうなると、その人が何に情熱を持ち、どんなことをしてきたかがわりと重要なんじゃないかと思います。(実績で差がつきにくい新卒採用においては、中途採用に比べて以前から情熱なども重視されている気はします。)

「2枚目の名刺」みたいな考え方もでありますが、僕も10年くらい前から常に2つくらいの"趣味以上・仕事未満"くらいのプロジェクトを抱えて関わってます。

転職活動とかで使う一般的な履歴書・レジュメは通常その人のスキルや職務経歴などの実力を示すための情報が中心で、そもそもこういう情熱ベースの活動履歴が書かれません。これからは本業以外の活動も書いて評価すべきだし、むしろそれを評価してくれないような会社には転職しないほうがいいと思います。

僕が"趣味以上・仕事未満"というとき、それが意味しているのは自分で考えているのは、

●誰かから対価をもらう前提で活動しており、プロフェッショナルとしてクオリティに責任を負っている

●それで生計を立てるほどの収入はなく、なくてもいいと思いながらサイドプロジェクト的にやっている

くらいの水準です。

そのうちこうした活動から仕事につながることもあると思います。
オススメするのは、趣味などで本業以外で何かに打ち込むときは、せっかくなら趣味で終わらせずそれで多少なりとも売上を上げたり、お金ではなくても社会に届いて誰かに喜んでもらえるような形までやり抜くことです。

そんなわけで、ご参考までに僕の情熱ベースの活動履歴の一部を簡単にご紹介してみます。

TYCOON BOOKS(「写真」)

TYCOON BOOKSは2009年に当時まだ会計士としてスーツを着て仕事をしていた僕と、大学時代からの友人である渡辺洋輔が作った写真集・アートブック専門の出版レーベルです。

これは、当時からもう普通の出版社が写真集を出版しなくなっており、それでは若い才能に作品発表の場がなくなっちゃうから僕らが作ってやるぜ、ということで始まりました。その後数年経ち、世界中でIndie Publishingが大ブームになったので、もう自分たちでやる必要ないかなということで現在は活動休止中です。

僕らが最初に本を作った小浪次郎、Maxime Ballesteros、Julie Cockburn。最初じゃないけど一緒に本を作った細倉真弓、Alexander Gronsky。みんな今では各分野で活躍して有名になっています。

流通は独自でアートブックが売れる書店にしか卸していないですが、パリのパレ・ド・トーキョーとかロンドンのフォトグラファーズ・ギャラリーとかまで納品してました。
今はどの本もほとんど完売で、古書で出るときはだいたいプレミアがついています。
今振り返ってみてあのころの僕の目利きは本当に神懸ってたなと思う(自画自賛)。

これを始めたことで世界中のたくさんのアーティストとかパブリッシャーとかブックショップのオーナーとつながりができて、文字通り世界が開けました。

氷室冴子青春文学賞(「文芸」x「地域振興」)

これは今月ようやく終わったばかりの新しい企画です。

エブリスタの社長時代に関わったプロジェクトなので、正確には"趣味以上・仕事未満"なく、仕事でした。
ただ、エブリスタの代表としてこのプロジェクトに関わる立場ではなくなったので、今後は個人としてご協力するつもりです。なので、来年以降は"趣味以上・仕事未満"になります。

「なんて素敵にジャパネスク」や「海がきこえる」などで知られる作家の氷室冴子さんの功績を称えるとともに、ご出身地である北海道の岩見沢市の地域振興を目的とした文学賞の創設に携わってました。

審査員に久美沙織さん、伊藤亜弓さん、辻村深月さんなど錚々たる顔ぶれにご協力頂いており、これから日本を代表する文学賞になっていくはずです。

これ以外にも「文芸」x「◯◯」、「◯◯」x「地域振興」みたいなことは積極的にやってみたいです。

アートフォト・コレクション講座(「アート/写真」x「教育」)

NewsPicksでもついにアートマーケットが特集されるようになりましたが、実は10年くらい前から細々とアートコレクションをしてます。

アートコレクションには極めて高度なリテラシーが必要で、お金があればいいコレクションができるわけでは全くありません。

「日本のアートマーケットの裾野がもっと拡がるといいな」という課題感はずっと持っており、「そのためには”アートを買う”ことに対する教育が必要だよね」ということで、アートフェア東京さんと一緒にコレクション初心者のためのコレクション講座みたいのをやったことがあります。

毎回ゲストを読んでマーケットの話、写真芸術史、額装の話とかをしてました。すごいマニアックな講座だったな。

人にものを教えるのは自分にもすごく勉強になるので、たまに大学とかで教えたいと思う(どちらかというと写真以外で)。

FASHION PRESSのライター(「ファッション」x「メディア」)

今ではわりとメジャーなサイトになりましたが、ロンドン留学時代にFASHION PRESSでライター(兼フォトグラファー)していたこともあります。

ロンドン・ミラノ・パリのコレクションに行ってシーズンで100本くらいのファッションショーを見ながらほぼリアルタイムでコレクションレビューを書いたりしてました。

アナ・ウィンターとかが普通にいて、タダでシャンパンが飲めるパーティーが毎日どこかで開催されているという不思議な世界で、こんなのいつかなくなるだろうと思いつつ2018年現在ではまだなくなっていません。

短い期間ではあるけど、あの頃は多分日本人では僕らが一番たくさんショーをみていたと思う。自分で大量の記事を書いていたので、ファッション誌の編集長とかよりも100倍くらい真剣に1着1着の服を見ていたはず。そのくらい見るとそのシーズンはどういうカラーやシルエットが流行っているのか体感レベルでかなりわかってくるので、トレンドレポートとかもかなりオリジナルなものが書けます。

小学生のころから月9のあとはスマスマではなくテレビ東京の「ファッション通信」を観て育った僕としては所謂パリコレなどのショーを見ることは憧れでしたが、本気で実現しようと思ったらちゃんと叶いました。

「望んで行動すればたいていのことは実現する」という成功体験としてはよかったなと思います。

僕が"趣味以上・仕事未満"というとき、それが意味しているのは自分で考えているのは、

●誰かから対価をもらう前提で活動しており、プロフェッショナルとしてクオリティに責任を負っている

●それで生計を立てるほどの収入はなく、なくてもいいと思いながらサイドプロジェクト的にやっている

くらいの水準です。

そのくらいの本気度で打ち込んでいると、そのうちこうした活動から仕事につながることもあると思います。

なので、オススメするのは、趣味などで本業以外で何かに打ち込むときは、せっかくなら趣味で終わらせずそれで多少なりとも売上を上げたり、お金ではなくても社会に届いて誰かに喜んでもらえるような形までやり抜くことです。



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セリカワタロウ @トラックレコード
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