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信頼して仕事を任せてもらうには実力より報告が大事という話

たくさんの人をマネジメントしていると、放っておいても細かく報告してくる人と、全然報告をしてこない人がいます。

細かくレポーティングを求められるのは鬱陶しくもあり、信頼して任せられていないんじゃないかと思うかもしれません。

たしかに細かく上司から確認を受ける人は、信頼をされていないのかもしれません。ただし、それはその人の能力を信頼していないというわけではないのです。

(まともな)マネージャーは、部下の仕事の成果にも責任を負う必要があり、その責任を全うできるように状況をきちんと把握しておかなければなりません。逆に言うと、責任を全うするのに必要な情報以外はとくに必要としていません。

マネージャーが部下に細かい報告を求めるとき、それは「自分が責任を取るにあたって必要となる重要な情報ががちゃんと上がってこないかもしれない」と不安だからです。それゆえに、本来別に知らなくていいことまで自分で把握し、自分で判断する必要があるのです。

これはマネージャーからするとけっこうつらい状況です。マネージャーはさらにその上司から報告を求められるかもしれず、そのときに「部下に任せているから知らない」と言ったのでは説明責任を果たせず、信頼を失いかねません。そのために自分から必要な情報を取りにいくわけですが、これは手間もかかるし確認される方もする方もストレスなので、いいことがありません。

一方で、信頼して任せられている部下は、重要な判断を求められる情報は確実に報告してきてくれます。これはつまり、マネージャーの立場からすると、必要な情報は自分から拾いに行く必要がないということで、非常にマネジメントコストが下がるしハッピーな状態です。

そして報告の要否について、担当者の能力は実はあんまり関係ありません。大事なのは「必要があればすぐにでもちゃんと相談・報告してくれる」という信頼なのです。

「部下を信頼しているから知らない」というのはマネージャーの単なる職務放棄です。”細かいことは知らない”とかいうマネージャーは、たいてい重要なことも知らないです。また、「仕事を任されているからホウレンソウは不要」と考えるのも間違いです。信頼して任されているからこそ、その信頼に対して説明責任で答える必要があるのです。

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