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映画『ソイレント・グリーン』 感想

以前リリースした、UNKNOWN MEのアルバムのレビュー(https://turntokyo.com/features/unknounme_bishintai/ )で、アルバム内容に呼応する形で言及されていた映画『ソイレント・グリーン』、未見だったですが、今、再上映されているので、数日前に見ました。
以下、簡単なメモ、健忘録。

まず、1973年公開で、2022年を描いた作品でありつつ、全く未来感を演出しておらず、そのまま1973年の世界なのに驚く。潔い。

主人公警察官の、無頼、粗暴さにも驚く(窃盗等やりたい放題)。
自由主義者の探偵、警察官という、ダーティー・ヒーローなキャラクター設定は、この時代ままあるパターンだと思うのですが(「ロング・グッドバイ」のマーロウ等)、そのはしりは何なのだろう、近年ではあまりないような気がしますが、いつまで流行っていたのだろう、などと思いを巡らす。

エネルギー問題、環境破壊などは、普遍的で今現在も解決されることのない問題ですが、カウンター・カルチャーが隆盛したこの時代らしい、シンプルでストレートなアプローチは、産業革命以降の資本家VS労働者的な、ある種の紋切り型の描き方で、一歩ズレると、SFというより、もはや陰謀論なのではとも、今の観点からは感じる。

ただし、真面目に社会派映画として見るよりも、そういった時代の空気、ある種のB級感を、楽しむべきなのかもしれない。

安楽死に関しての描写、言及は、現実世界では、21世紀以降に本格的に議論、導入されていることを考えると、相当早く感じるが、これは現実から飛躍したディストピア的なSFとしての設定なのかどうか、判別がつかなかった。

最初に言及したレビューで触れられていた、安楽死施設での映像体験は、サイケデリック。私も、好きな音楽をかけて鑑賞してみたい、と思った。


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