エリザベス女王杯(GⅠ) 2022 予想~全く異なる淀と仁川の2200m~

エリザベス女王杯


今日の武蔵野Sではギルデッドミラーがレモンポップをギリギリ差し切って勝利した。ギルデッドミラーの上がり3Fは34.8で、netkeibaによれば良馬場ダート1600m以上のJRA重賞で上がり34秒台で勝利したのは史上初らしい。当然ながらダートは芝よりもパワーが必要で、時計がかかる分上がりタイムも芝より遅くなる。まあ武蔵野Sの前半3Fが35.8というスローだったのも大きい。遅くなれば後半が速くなる後傾ラップになるからね。しかしウィルソンテソーロが勝った今日の2勝クラスの方が0.8秒速いし、牝馬限定の2歳未勝利より0.4秒速いだけというのは正直いただけない。結果をそのまま受け止めると後に痛い目にあうレースになると思う。
エリザベス女王杯の予想と書いておきながら急に武蔵野Sの回顧を始めてお叱りを受けそうだが、ちょっと関係あるから我慢してほしい。京都競馬場のスタンド改修の影響で一昨年から阪神2200mで代替開催されるようになったこのレース、大きく変わったことがある。というか距離と施行時期以外大きく変わったことしかないからクイズにはならないんだけどね。
個人的に注目したのは上がりの掛かり方の変化だ。ラスト5Fの数字をご覧いただきたい。ちなみに全て良馬場。
京都開催(17~19年)
17年 12.9 - 12.2 - 11.6 - 11.2 - 11.6
18年 12.5 - 12.0 - 11.6 - 11.4 - 11.7
19年 12.3 - 11.6 - 11.5 - 11.4 - 11.7
阪神開催(20,21年)
20年 12.2 - 12.0 - 11.9 - 11.1 - 11.8
21年 12.1 - 12.2 - 12.2 - 11.8 - 12.5

京都開催は比較的11秒台中盤や加速ラップが多く見られるが、阪神開催になると12秒台,11秒台後半のラップが多くなる。20年だけラスト2F目に11.1という速い数字があるが、これは垂れたノームコアをラッキーライラックが捉えたタイミングが重なったもの。京都は外回りの坂を下って末脚スピード勝負になりやすいんだけど、阪神は道中平坦&下り坂で直線急坂だから必然的に上がりのかかるロンスパ戦になりやすい。こうなるとスパっと切れる末脚タイプよりも、上がりがかかる方が歓迎なジリ脚タイプを狙ってみたい。

ウインの3頭はどれも面白いと思うんだよね。
ウインキートスはスタミナ寄りに触れる目黒記念で好実績、阪神のような道中緩まず流れてロンスパ戦になりやすい中山2200mは大好物と、阪神2200で通用してもおかしくない適性がある。そもそも地力が足りるかという点はあるが、ここまで人気しないなら狙う価値は十分にある。

ウインマリリンは栗東滞在で調整できている分昨年より見直せる。そもそも去年はコンディションが悪すぎた。クラブや手塚先生が公式で弱気コメントを出すほどだったからね。レーンへの乗り替わりは鞍上強化だと思いたいが、春先はペースってご存知?という強引な騎乗が目立ったのが気になっている。器用に立ち回ってこその馬だと思うので余計なことはしないでほしい。上がりが掛かるのはいいけど、雨が降って馬場が緩くなって時計がかかると弱いのは気をつけたい。ここは天気を見ながらかな。G1を勝ち負けできる能力はあるだけに頑張ってほしいね。

ウインマイティーは京都大賞典から短縮ローテで臨めるのはプラス。オークス3着以降不振だったけどマーメイドSでようやく復活した。先行して粘る方が持ち味を発揮できる馬で、特に邪魔をするような馬がいない今回は自分のスタイルで競馬ができそう。枠は外だけど前走みたいにインで閉められるリスクを考えると悪い枠ではない。外2とかイン3あたりのポジションを取れれば。

上位人気で適性がありそうなのはスタニングローズ。秋華賞を見て分かるように競馬センスが非常に高く立ち回りが上手い。オークスにも対応できているように距離やスタミナ面は問題ないと思う。ただ紫苑S→秋華賞→ココと秋3戦目になるんだよね。秋華賞の状態が最高だっただけに、中3週で上積みはあまり期待できない。古馬が混ざって純粋に相手関係が強化されるしね。来年のエリ女でならもっと自信もって買いたいんだけど、3歳でこのローテは厳しいものがあると思う。

デアリングタクトも実績では5枚くらい抜けた馬なんだけどね。少しずつ状態が戻ってきているとはいえ、やはり3歳時と比べるとまだ足りない。オールカマー6着はインインインの競艇馬場を外回った分だからノーカンでいいんだけど、以前のデアリングタクトならもっと差を詰められたように感じてしまう。わざわざ1番人気で買いたいとは言いにくい評価。

ナミュールはもう2200mは長いと思うんだよね。3歳の春先は距離のごまかしがある程度効くんだけど、もう2000mまでの馬だと思う。そこまで器用なタイプな馬でもないし、秋華賞での4コーナーを見ると分かるように右回りの場合どうしても外に張ってしまうクセがある。改善されない限り左回りの方が良い。イン突きに徹する枠順でもないし、武史だから外を回しそうと考えるとプラスではないね。短縮したときに買いたい。ヴィクトリアマイルで面白いと思うんだよね。

ジェラルディーナ大外がネック。前走オールカマーは競艇馬場で2番枠を引けた恩恵も大きいし評価が難しい。今回は内が極端に良い馬場ではないけどかといって道中外々を回され続けるのも苦しい馬場。内~中枠なら本命まであったけどこの枠はなあ・・・

昨年の覇者なのに人気を落とすアカイイトは今回が買い時だと思う。ヴィクトリアマイルとか明らかに向いてないし、府中牝馬Sは距離が足らないしハイペースという不向き続き。時計は掛かった方が走る雨が降っても大丈夫。地力があるのは確認済みだし、展開が向けば昨年の再現があっていい。スローだったら諦めよう。

アイルランドからお越しのマジカルラグーンは抑えておく。アスコットのリブルスデールSやカラの愛オークスを勝つなどスタミナ面については文句なし。ヨーロッパでは58kgという重い斤量を背負っていたのが日本で54kgになるのはプラス。日本の主流条件からズレるレースなので、スピードやキレが求められない分適性があるかもしれない。ただ愛オークスは当初大本命だったエミリーアップジョンが輸送トラブルで回避、2着のトイ以下もその後の目立った巻き返しはなくレースレベル自体は高くはない点は注意したい。ヨークシャーオークスはアルピ二スタがいたとはいえ、4kg軽いなら年長馬のラプティットココやライラックロード相手にはもう少し強さを見せてほしかった。個人的に今年のヨーロッパの3歳中距離路線に対してあまり高い評価をしてないんだよね。英ダービー馬のデザートクラウンはかなり走りそうだけど。

去年みたいに流れて差し差し決着になればルビーカサブランカも面白い。牝馬限定戦で微妙な着順が続いてるけどこの馬に1800mは短い。そもそも脚が速くないので上がりが掛かるほど向くと思う。雨が強くなってきたら穴で入れてみたい。

ピンハイは西宮Sで成長が見られけどあのパフォーマンスなら2000mまでの方が良さそう。上がり35秒台みたいな数字が得意な馬ではなさそうだしね。軽ハンデもらえそうだし年明けの愛知杯で狙いたいかも。

買い目は後でオッズを見ながら組みたい。
点数が多くなりそうで決めるのが結構難しかった。

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