皐月賞 2023 予想~その前哨戦、使えますか?初体験の若駒たち~

昔から伝わる競馬の格言ってあるだろう。

夏は牝馬とか長距離は騎手で買えとか。 中にはデータを調べて検証してみたら全然間違っているものもあるが、結構当たっているものもある。今でこそTARGET等で検証できるが、集計ソフトもない時代によく考えられたなと思うよ。

さて皐月賞には「最も速い馬が勝つ」という格言がある。3冠戦で一番距離が短いからという安直な理由なのか格言が生まれた経緯は知らないが、これは結構当たっていると思う。勘違いのないように言うととにかくスピード値が速けりゃいいという問題ではない。スプリンターが皐月に出てきても距離が持たんだろう。

実際皐月賞って速いんだよね。開催最終週とはいえ良馬場なら1:58秒台、57秒台の年もあった。速いタイムが出るということは道中のラップも締まってくる。 実際に過去の皐月賞も前半1000mを見てみると60秒を切る年が多く、ここ2年は60.2,60.3だが稍重馬場と考えるとそれなりに流れていると見ていい。こうなると道中の追走力が求められてくる。実力があっても経験したことのないペースに対応できずに人気を裏切るというケースは少なくない。
逃げるのはグラニットだろう。パンサラッサのように飛ばす馬ではないが、道中スローに落とすタイプの逃げ馬ではない。今年もペースは流れそうだ。

といったところでちょっと、いや結構気になることがあった。有力な前哨戦のペースだ。各レースの前半1000mのタイムに注目していただきたい。ここでいう前哨戦は皐月賞トライアル3競走(若葉S・弥生賞・スプリングS)と京成杯・共同通信杯とする。メンバー的にこの分類の仕方で問題はないはず。


京成杯
2023 62.2
2022 60.9
2021 63.7
2020 61.5(稍重)
2019 61.1

共同通信杯
2023 60.5
2022 61.1(稍重)
2021 61.9
2020 63.2(稍重)
2019 61.5

弥生賞
2023 61.0
2022 61.1
2021 62.6
2020 61.1(重)
2019 61.8(重)

若葉S
2023 64.0
2022 60.8(稍重)
2021 61.5
2020 59.9
2019 62.2(稍重)

スプリングS
2023 59.4(重)
2022 60.8(稍重)
2021 62.5(重)
2020 63.2
2019 60.0(稍重)

ご覧の通り、今年はスプリングS以外すべて遅い。馬場状態を考慮すると例年と比べても遅いペースが目立つ。とはいえ、他の年も60秒超えてるじゃないかと言われそうだな。今年は毎日杯組や東スポ杯組が不在、朝日杯FSを走っていた馬も1頭のみという珍しいメンバー構成なんだよ。はっきり言って異常事態だと思う。スプリングS組以外はスローしか経験していないメンバーのみで構成されているのがポイントだ。なのでスプリングS組やマイル実績がある馬、 速いペースに向いてそうな馬を狙っていきたい。

珍しく結論を先に行ってしまうと、本命はホウオウビスケッツなんだ。前哨戦で一番流れたスプリングS組でグラニットのペースを前受けして粘った点もいいんだけど、評価したいのは前々走のフリージア賞の内容。
東京芝2000mにおける2歳~3歳2月の期間で、1:59.3という勝ち時計は歴代最速。上がり5Fのタイムも素晴らしい。上がり5F57.7はクラシック前では歴代2位。ちなみに1位はワグネリアン、3位はディープインパクトだ。スピード性能はあるし、上がり5Fの持続力もあるのは評価したい。控えて競馬できるようになったのも大きいね。
ただ血統を見ると父マインドユアビスケッツは北米のスプリント血統。道悪の2000mとなると距離が不安ではある。去年勝ったジオグリフは父ドレフォンでこちらも北米のスプリント血統とはいえ、母は牝馬の中距離戦線で活躍したアロマティコだった。
母系が面白いんだよね。母系にマンファスの牝馬クロスを持っている。キングカメハメハのお母さんだ。母系が強く出ればいいんだけど。

そうすると同じスプリングS組のべラジオオペラも評価しないといけない。ここまで3戦3勝と見た目はいいんだけど、G1でもと思わせられるような数字は残せていない。セントポーリア賞も上がり勝負になってレベルは平凡だった。正直あまり買いたくないんだけど、速いラップに対応して勝ってしまった以上買わざるをえない。

メタルスピードは流石にないと思うんだけど、スプリングSが繋がりそうと書いておいて買わずに来られたら悔しいので小銭で抑える。外枠引いたメタルスピードが足りてしまうレベルの皐月賞は正直見たくないんだけどねえ・・・

ここからは速いラップに対応でき「そう」な馬を狙う。実際どうかやってみないと分からんというのがイヤだな。

スプリングSの次に流れたのは共同通信杯か。人気のファントムシーフはいいと思う。新馬と野路菊Sのラップが優秀。ホープフルSは展開に泣いたね。メンバーレベルの高い共同通信杯を勝っていることから相対的に評価を上げていいと思う。4着タスティエーラは弥生賞を、6着シーズンリッチは毎日杯をその後勝っており、2着ダノンザタイガーは東スポ杯2着。数字面はともかくメンバーレベルは高く、その中で勝ち切ったのはいい。先行できる分ペースに対応できるポテンシャルはある。
あとこの馬も血統が非常に面白い。HasiliとArriveの3×3の全姉妹クロスを持っている。生産者は絶対狙ってただろうね。さらにその全姉妹にデインヒルをかけて父父Dansili,母母Promising Leadが実質同血となる血統構成。芸術的だね。デインヒル3×3のクロスが悪い方向に出なければスピード性能もありそうなんだけど。

その共同通信杯で2着だったタッチウッドはちょっと難しい。出遅れてから強引にハナに持っていく形になった。あれをやると馬が我慢しなくていいと覚えてしまって次走以降引っかかりやすくなる。バシュロなあ・・・それをユタカさんは折り合わせる必要があるんだけど、今回流れるなら多少は向くのでは。外枠を引いた分前に壁を作れずに掛かる可能性もあるけど。

きさらぎ賞を勝ったフリームファクシは流れた方がいいのでは。ここ4走全部2000mを使っているけどまともに折り合えていない。気性的に短縮向きだと思う。NHKマイルに出てきたら本命予定なんだけどね。折り合いを考えると流れる今回が一番よさそう。

タスティエーラは新馬がいい。新馬のラップだけ見ると能力面はG1で通用していいものがある。現地で見てたんだけど、周りの友人に「これG1勝つかも」と言ってしまった手前頑張ってほしい。そのくらい新馬の内容は良かったんだよね。能力値が高いからペースに対応できてもいい、してほしいという願望も入ってる。ただローテが不安。共同通信杯→弥生賞と使い詰めで皐月賞。直行が珍しくない令和の時代に逆行するようなローテだな。この先を考えるとダービーに出てくるだろう。春4戦目となるダービーで上積みがあるかというと微妙なところだし、買うなら皐月の今回な気がする。

弥生賞2着のトップナイフも悪くなさそう。グラニットの番手あたりで進められるのでは。切れ味勝負に向かない馬だし、持続戦は歓迎だと思う。ホープフルS2着の実績もあり、前走は前哨戦仕上げ。人気を落とすなら本番の今回が狙い目のはず。個人的には菊花賞で本命予定。

シャザーンショウナンバシットマイネルラウレアは皆いい馬だと思うんだけど、初重賞ペース経験という点で消し。

あとソールオリエンスか。めちゃくちゃいい馬でPOG指名してるんだよね。クラシックに繋がりにくい京成杯だけど、内容は近年トップクラスによかった。見た目にインパクトのある勝ち方だったが実際に中身もよかった。それだけに最内枠はちょっとなあ・・・母スキアの仔は短距離指向になりがちということを考えるとスピード性能自体はあるんじゃないかな。

印は
◎ホウオウビスケッツ
〇トップナイフ
▲ファントムシーフ
△フリームファクシ、タスティエーラ、べラジオオペラ、メタルスピード

買い目は
ホウオウビスケッツの単勝と印をつけたへ相手6頭のワイド
単勝
9
ワイド
9-5,7,8,14,15,17

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