2022 有馬記念 予想~世界最大級なのにかなりズレる?ヒントは西・仁川にあり~

中山11R 有馬記念


今年も年末の大一番がやってきた。競馬ファン以外も注目して盛り上がるレースといえば日本ダービー有馬記念の2つだと思う。年末効果もあって盛り上がり、お祭り感で言えば有馬記念の方が上なのかな。1レースで4~500億も馬券が売れるレースなんて世界見渡しても存在しない。でもさ、今更なんだけど世界最大級のレースが中山2500mという舞台で行われるってちょっとズレてないか?
有馬記念に関しては競馬初心者の方も多いだろうから軽く触れよう。競馬の世界では400の倍数の距離(1200m,1600m,2000m,2400m)が主要とされていて「根幹距離」という呼ばれ方をする。いちいち名称は覚えなくていいよ。そしてそれ以外の400で割り切れない距離(1400m,1800m,2200m,2400m超も)は「非根幹距離」と呼ばれる。非根幹距離って基本200の倍数なんだよね。では今回の「2500m」はどうか?200でも400でも割り切れないんだよ。一般的に見れば500区切りでキリの良い数字だけど、競馬ファンからすれば中途半端この上ない数字さ。
長々と書いたけど、そんな中途半端な距離で行われるから競馬界の「主要条件」からズレたレースなんだよね。言うまでもなく狭く小回りな中山コース。東京競馬場のような広いコースとは求められる適性が大きく異なる

有馬記念 過去3年
2021年
1着 エフフォーリア △ 皐月賞1着
2着 ディープボンド ◎ 天皇賞春2着
3着 クロノジェネシス ◎ 宝塚&有馬1着

2020年
1着 クロノジェネシス ◎ 宝塚1着
2着 サラキア ◎ エリ女2着
3着 フィエールマン 〇 菊&春天1着

2019年
1着 リスグラシュー ◎ 宝塚1着
2着 サートゥルナーリア △ 皐月賞1着
3着 ワールドプレミア 〇 菊1着

◎と〇がついているのは非根幹距離(2200~3200)のG1で連対実績のある馬。中でも◎は「阪神内回り」でのG1連対馬。厳密には春の天皇賞は阪神外→内回りなんだけど、大半が内回りコースだから内回りカウントにする。△は皐月賞馬だね。ご覧の通り非根幹距離での実績馬が数多く好走している。特に阪神の内回り、中でも2200mとの親和性が高いことが分かる。非根幹距離の実績がなければ最低限中山コースでの実績は欲しい。そしてエフフォーリア以外の8頭に共通するのが「東京のG1レース」での勝利実績がないこと。これらのことから先ほど述べた「東京競馬場のような広いコースとは求められる適性が大きく異なる」ということがご理解いただけるだろう。ということで狙いたいのは非根幹距離での高い実績がある馬、小回りコースへの適性が高い、高そうな馬。

阪神2200mのエリザベス女王杯を勝ったジェラルディーナは条件に該当する。
2022 エリザベス女王杯 ラスト5F 12.2 - 11.8 - 11.9 - 12.3 - 12.2
タフな馬場でこの持続ラップを外から差し切り、最後加速ラップでまとめた内容は圧巻。ここまで強いとは思わなかった。牡馬に混じっても戦える数字は出しているし、乗り方次第では1着まであっていいと思う。エリ女では外から差し切ったけど、オールカマーでは内から突き抜けたようにスタイルを選ばないのは魅力的だね。母ジェンティルドンナが勝った有馬はスローで末脚勝負の待ってました!という展開だったけど、娘は持続戦向きな真逆のタイプだね。3歳の前半は気性が難しいところを見せていたけど、完全に覚醒してもう別馬だね。余談なんだけど、自分が競馬を初めて見た年に3冠を取ったのが母のジェンティルドンナなんだよ。もう思い入れしかないよね。そんな馬のグランプリ母娘制覇、見たくない?

同じく阪神2200mの宝塚記念を勝利したタイトルホルダーも評価する。外の13番枠を引いたことで不利では?という意見があるが、個人的にはむしろ好枠だと思う。逃げる上で変に揉まれたくないからね。出脚は良いから邪魔されず外からハナ取れることを考えると外目でちょうど良いと思う。中山自体は弥生賞と皐月賞で好走実績があるし、タフな阪神内回りコースのG1を3つ勝っている以上適性に関しては向いていると判断していい。ネックなのは凱旋門賞帰りであること。あのタフ馬場の反動がどれだけ出てるかは不安だね。実際に凱旋門賞帰りで調子を落とす馬は多い。いや去年凱旋門賞帰りのディープボンドが2着じゃないか?というツッコミ出そうだが、あれはもうレースを放棄して回ってきただけのような走り。ロンシャンであの土砂降りの極悪馬場を先頭切って走った負荷と一緒にはできないね。

そのディープボンドは今年も凱旋門賞帰り。やはり今年も無理はさせなかったね。去年と同じ扱いでいいと思う。昨年有馬2着、天皇賞春2年連続2着という非根幹実績と、タイトルホルダーが作る持続戦への適性は高い分評価したいけど、流石に大外枠はねえ…  隣に先行したいブレークアップがいて邪魔なのも運が悪い。宝塚みたいに強引にスタートから出していって、タイトルホルダーに付いて行って粘り込めばワンチャンあっても良さそうだが、それでも大外枠はしんどい。救いなのは外に先行馬が固まって、内の馬を締める形になってポジションを取れやすそうなところ。まあそれをやると余計に負荷が掛かるんだけど。ファン目線では川田さんの乗り方に注目したいね。大外の分腹括った競馬ができるといえばできるけど・・・

イクイノックスは当初消し予定だったんだけど良い枠を引き当てたね。絶好枠だと思う。皐月賞は外伸び馬場を外から、ダービーと天皇賞も外から豪脚と内で揉まれた競馬の経験がない分、内枠なら嫌う予定だった。だけど9番という内で揉まれにくく、外過ぎずというちょうど良い場所を引いてしまった。とはいえ非根幹距離や持続戦の経験がないのは気になるところ。ダービー2着→天皇賞1着はエフフォーリアと同じだし、今年の3歳もレベル高いし、能力の高さで何とかしてしまう可能性もある。経験がないだけで問題なかったというパターンもあるから消しにはできなかった。

エフフォーリアも枠は良いけど調整過程がね・・・ フォトパドックを見てもさすがに太い。当週水曜追いに加えて金曜追いもやった分多少絞れはするんだろうけど。能力値だけ見るなら全然本命を打っていいだけのものはある。上半期苦しめられたパンサラッサやジャックドールがいないのは間違いなくプラス。前半~中盤を締めてくるレースへの適性が低いことは分かっていて、今回は中盤が緩みそうな分向きそうではある。問題はその能力を発揮できるコンディションにあるのかという点。こればっかりは当日やってみないと分からないんだよね。馬体重とパドックは要チェックな馬だと思う。

ジャパンカップを勝ったヴェラアズールは持続戦自体はいいが、重賞での中山は初めて。そもそも重賞経験自体が京都大賞典とJCの2戦だけなんだけど。JCではムーアの神騎乗の功績が大きかったが、元々の数字はG1でも通用しておかしくないものであったし、そもそも力がないと勝てないからね。立派なG1馬の評価をしていい。内枠を引けたのは一見プラスに見えるが、内に実力が1~2枚落ちる馬が集まっているんだよね。インに突っ込める馬だが、松山がインで捌ききれるかは疑問。今からでもムーア呼んで来れるなら評価したいんだけどね。今年は必ずしも内だから有利という並びではなさそうな分評価を下げたい。ドバイシーマクラシックが向いてると思うから来年が楽しみ。 割ってこられたら諦めます。

他の3歳勢だとジャスティンパレスか。正直ギリギリな枠という印象。もう少し内が欲しかった。菊花賞はアスクビクターモアが一番強かったんだけど、2番目に強かったのはこの馬だと思う。前半から締まった持続ラップを前受けしての3着は2着ボルドグフーシュより評価できる。乗り替わりもどうなんだろうね。マーカンド自体追える騎手だけど中山にはまだ慣れていない様子。初来日で対応してきたらそれはそれで逆に怖いか。他の上位勢と比べると力が1枚落ちる分インで競馬を進めたい。それならイン意識の高い克駿くん継続の方が良いのでは?と思ってしまう。

枠の分だとボルドグフーシュの方に利がありそうなんだよね。こちらも1枚落ちる分ロスなく運びたいだろうから内を引けたのは大きい。微妙なのは2200の非根幹実績はあるけど全部中京のもの。菊花賞3着だからある程度の適性はあってもいいんだけど。福永さんだから馬場に合ったレースをしてくれるとは思うが展開次第だね。菊花賞みたいな展開ならごっつあん3着はあってもいいと思う。

ブレークアップは外を引いてよりにもよってディープボンドの隣か。2つ内はタイトルホルダーで序盤から出していきたい2頭に囲まれてしまった。ゲート出てすぐ締められる未来が見えるんだよね。逃げにこだわる必要はないとはいえ、いきなりプレッシャーのかかる並び、外枠と強調材料は少ない。

ちょっと怖いのがイズジョーノキセキイン突きが上手い騎手で内枠。インベタされて差し展開になるとワンチャンあっても。さすがに足らない気がするけど。

アカイイトは最内から脚を伸ばすイメージが沸かないのでナシ。真ん中あたりなら面白かった。

ポタジェはそもそも2500が長い。その分内が欲しかったけどこの枠は厳しいね。2000mがベストだと思うから大阪杯で内枠引けたら考える。

印は
◎ジェラルディーナ
〇タイトルホルダー
▲イクイノックス
△ジャスティンパレス、ボルドグフーシュ


買い目はジェラルディーナの単勝、相手はタイトルホルダーのビタ押し勝負で。
単勝5
馬連&ワイド 5-13

馬連とワイドの比率はお好みで。低予算なら馬連ナシでワイドのみでも。
以下予算ごとの参考買い方
予算1000円
単勝 600円 ワイド400円
予算3000円
単勝 1500円
馬連300円 ワイド1200円

この予想に乗るもよし、乗らないもよし。ここに1~2頭追加して自分なりにアレンジしてみたり、文章を読んだ上で違う切り口から攻めてみるのも良いと思う。
適度な金額で有馬記念を楽しんでもらえれば競馬ファンとしては嬉しいね。


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