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ナーシング

畑多楽縁での星さんと
「コミュニティナースって看護師の資格は不問なんですよね?」
「ナースィング。その人の特性を活かしてナースィングをする。」
「ナーシング?」
という会話があった
星さんはスマホで"nursing"を検索して、表示された画面を見せてくる

Nursing(ナーシング)とは、「看護」「療養」「保育」「養護」「養育」「介抱」を意味します

https://nursing.co.jp/column/company_representative_thought/1180/
ナーシングHPより

いや、ググれば出てくる画面見せられてもなぁ、と思いながらも
へぇ、nurseって看護師を意味する名詞だけじゃなくて、動詞でもあるんだっていうことを知った
1つ新しいことを知ると、さらに突っ込んで知りたくなるのが僕のクセで、それが「言葉」のことなら尚更なのだが
多分、星さん言葉の意味とか語源とか用法とか変遷とか…そういったのにあんまり興味ないタイプだろうから、これ以上この話題を広げるのは無理そうだなと判断して別の話に切り替えた


ということで
"nurse"の語源をググってみる
語源としてはラテン語の
"nutricia"(ニュートリキア) 育てる、栄養を与える、授乳する
これがフランス語を経て英語圏に入ってきたそう

フランス由来だからなんだ?ということなのだが、英単語の中で発音しない子音があったり、例外的な活用があったり、何でじゃい?と思ったら、実は外来語由来の言葉でした、っていうのがあって、英語ってけっこうゴチャついてんだなぁっていう雑な感想を抱いたことを思い出した

"nurse"だけの意味をみて、ほーん…って済ましてもいいのだが、せっかくなので語源は同じ派生語の意味をみてみる
"nursery" 保育園、育児室、こどもべや、苗床
"nurture" 育成、教育、栄養物、食物
"nutrition" 栄養、栄養摂取
"nutrient"滋養の多い"
うん、他は大体語源からの派生だなって、まあ分かる意味なのに、"nurse"だけ不自然に「看護」という意味がくっついていて、しかもそれが第1の意味になっている
ふうむ、結構面白い、これはもうちょっとググってみようと思うが、だいたいオチは見えてきたというか、とある狂人…もとい、歴史的偉人の名前が顔写真付きで思い浮かぶ

"nurse"の語源的には「母親が子を育む」ような意味合いだ、これを母親以外が育む状況を考える
高貴な身分、裕福な人であれば乳母だろう
逆に孤児などであれば、国(労働階級にするため)や、宗教(信者確保のため)
キリスト教圏であれば慈善事業として教会が"nursing"の担い手だったのだろう(特にシスターかな?)
"nurse"の意味に「看護」という医療的ケアの意味が付け加えられたのは16世紀後半だとされている、そりゃそうか医療関係の発展はルネサンス期以降じゃないとつじつまが合わない
その頃になると、王族貴族以外に資産家とまではいかなくても、裕福な小金持ちか増えてくる
なにせ、世の中大航海時代も後半、キリスト教圏は世界の富を蓄えつつある、豊かになれば人も増える
"nursing"社会的な需要が増えれば仕事になる、"nurse"は職として多く女性が担うこととなった(英語の辞書でも古いやつだと"usual women"とか書いてある)
けれども、この辺りではまだ今でいうところの「看護職」ではないと思う
まあ、赤子であれ、病人であれ、放っておけば弱りきって生命を維持できない人を家主、家族に代わって世話をする雇われ人くらいのニュアンスだったんじゃないかなと想像する
ハッキリとそれを言い切るには、病院というシステムがどこでどのように発展していったかまで調べる範囲を広げなくちゃいけなくなるから面倒でやらないけれど
少なくとも、古くは裕福な家では基本自宅療養でお抱えの医師をその都度呼び寄せていたし、貧しい人の療養は、まあ、お粗末なものであったと思う
「お粗末な」というのは、19世紀当時の看護師の姿を描いた風刺画が残っていて、これによると世間一般常識として、"nurse"職に就くひとはずいぶんと無知で怠惰な女性という印象だったようだ
なんでそんな風刺画を知っているかというと
西東社
【新版 ナイチンゲールの『看護覚え書』
イラスト・図解でよくわかる!(金田一薫 編著)

に載っていたからなのだが
つまり、まあ、もともと語源としては「はぐくむ」系の言葉だったはずの"nurse"の第1の意味に「看護」が来ちゃった1番の原因は
「フローレンス・ナイチンゲール」のせいだとしか思えない
インパクトの塊だよホント…
そのフローレンスが残した言葉に
看護がなすべきこと、それは自然が患者に働きかけるに最も良い状態に患者を置くことである」また、「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し与えることーこういったすべてを、患者の生命呂の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである」と、ある
この「看護」というのが"nursing"だとして、(【看護覚え書】の主題は英文では"NOTE ON NURSING")現代日本人のボクの先入観「ナース🟰看護師」をいったん取り払って"nurse"の語源側に立ちもう一度この言葉を読んでみる
すると一見、看護師として破天荒な行動をしている星さんは、実はとても核心をついたことをしているのでは?と、思えなくもないわけだが…
んー、いやどうだろう?

このミニダイコン、すげぇカブっぽい
こっちは正真正銘のカブ
葉物がおいしそう
ニンジンの播きどきが暑すぎて
ホウレンソウがしっかりと
咲いている花も少なくなって、ハチが必死に花粉を集めている
なんとかパクチーを確保する
サトイモとショウガも順次収穫
もう終わっちゃったローゼル、こっちじゃまともに収穫できないかな?
まだ耐えるピーマン
白菜がおいしい季節
虫の食害を振り切り結球したキャベツ
パプリカの赤は小さい秋認定でいいですか?
たびたびタヌキがつまみ食いしにくるんですけど?
フダンソウ、本当にずっと収穫できるな
カリフラワーに花芽が


それはそれとして、英語には「語根」といわれるものがあってこれに「接頭語」「接尾語」がくっついて意味を形作っている
ちょうど漢字でいうところの「へん」と「つくり」に似たようなものと思っている
接頭語でよくみるのは
"ex"「外に」
"in"「中に」とか位置を表すものとか
"im"「否定」とかだろうか
接尾語だと
"able"「可能」
とか、こういうのが「語根」(語幹とも)にガチャガチャくっついて意味を形作っている
いやこれ、英単語1つ1つ日本語訳と1対1で丸暗記しようとしてた頃に教えてくれって話なんだけど
"nur"や"nutr"を核として語源である"nutricia"(ニュートリキア)から派生した語群の中にある"nurse"
あくまでボクの想像としてだけど、どこかのタイミングで他にはないような意味が付け加わって、さらには1人の人間の行動によって、その語の主たる意味になってしまっている
言葉を探るっていうのは面白いなぁ

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