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ヒスロム逮捕を受けて

3年前より、広島市現代美術館と共にパネテリエの敷地にて作品作りをしている京都のパフォーマンスグループヒスロムのメンバーが、先日大麻取締法違反の容疑で逮捕・起訴となりました。

この一報を受けて、我々としては、「表現者」であるアーティストが、ファンの方々、ご家族、恋人を悲しませるような行為を隠れてやっていた事に対し、強い憤りを覚えており、現在途中となっている建築物の早急な撤去を依頼いたしました。

人を楽しませる、感動させる、喜ばせる事は、表現者として、1番の根元に置いておかなくてはならず、いくら金銭的に困っていたとしても、このような事をしている状況下で、我々の知人を訪ねたり、イベントを計画したりなど、あまりにも身勝手な言動を簡単には許すことができません。

しかしながら、世の中に存在する「絶対に許さない」という考えこそが、悪のはじまりのようにも思えてしまいます。そうした考えこそが、今の世の中を分断しているようにも思えます。
突然の訪問から3年、様々な活動を一緒にやってきた彼ら。時には関西で一緒にパフォーマンスをした事もありました。そうした活動の度に出会う彼らの大切な恋人や友人、家族の事を考えると、決して突き放す気にもなれず、一旦距離を置き、彼らを見守り、一刻も早い更生を期待する事と致しました。

アートに大麻はつきもの、では決してありません。そして、彼らこそ、その独特な作品や言動、見た目による偏見から、理解者が少なく苦労していたはずのアーティストであったように思います。その見た目や言動による偏見を、周囲の人々は温かい目で見守り、乗り越え、信じ、協力してくれました。それに対し、彼らはどう考えるのか、これからのまだ見ぬ後輩達にも悪しき前例を作ってしまったことを含め、それを本当に理解できるのか。「反省や謝罪」の一言では決して片付く事ではなく、これから彼らがどう生きていくのか、世の中の一人として見放す事なくしっかりと注目をして参ります。

海外留学や、結婚の話など、将来について瞳を輝かせて話してくれた彼ら。しっかりと自身のやってしまった事を理解し、自身の足でしっかりと立ち止まり、新たな一歩を踏み出す頃、それを寛容に受け止められる私自身でありますように。

はまむら たろう

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