【創作】それでも地球は曲がっている
長距離走者にはトラックを得意とする者とロードを得意とする者がいる。高橋は典型的なトラック走者だった。陸上競技場など、決められたコースを黙々と走ることを得意としていた。
しかしトラックだけで開催される大会はほとんどなく、トラックを使うのはスタートとゴールだけである。高橋の素質を何とか活かせないか、陸上部顧問は様々な練習方法を考えたが、解決策が見つけられずに主将に相談した。
「トラック走を見る限り力はあるんですから、ロードが苦手というのは精神的なものじゃないスか。だから練習だけでは解決できないかもッス」
主将の言葉に顧問は頷き
「トラウマ的なものか。探ってみよう」
高橋に顧問は尋ねた。
「何でお前はロードが苦手なんだと思う」
「真っ直ぐな道を走るのが怖いんです」
「水平線って言うけど曲がっているよな。真っ直ぐに見えても、それでも地球は曲がっている。恐れる必要はない」
この日から、高橋の記録と陸上部の成績は大きく上に曲がった。
(おしまい)
#毎週ショートショートnote
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】、お題【それでも地球は曲がってる】に参加です。
10月20日(日)から22日(火)まで投稿を休んでおり、「失踪又は逝去」と心配をおかけしたかもしれませんが「安心してください、生きていますよ」って、ネタが古くてすいません。
ちょっとリアルの方で忙しくしてしまいnote街に遊びに来ることができませんでした。
また、今日から現場復帰する所存ですので、皆様よろしくお願いします。
なお、本日は定期通院のため休暇をいただいており、心身ともに余裕があります。しかし、医師からは
「また体重が増えていますよ、前回から2kg増です。ちゃんと節制していますか」
と言われてしいましたので、こう答えました。
「もちろん、節制しています。それでも私は太っているのです」
#何を書いても最後は宣伝
本日、「銀山町 妖精綺譚」の電子書籍を購入してくださった方がいました。こちらの本です。ありがとうございます。
マツコさんの番組で「金山町の赤かぼちゃ」が取り上げられたおかげでしょうか。いや、そんなことはないですよね。このお話は福島県にある「金山町」、「妖精美術館」をモチーフにした創作物語です。
サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。 皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。