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【公タマ伝R】ルールの使い方

 『マカピー的史観』を引っ提げ、1000人を超えるフォロワーさんを持つ、マカピーさんの記事にインスパイアし、偶にある「公タマ伝」的な投稿をします。元記事はこちらです。(サムネ画像は特に関係ない、沖縄の写真です)

 マカピーさんと友人たちの交流に加え、「お役所仕事」に対してのマカピーさんの意見が綴られている投稿になります。私もお役人の一人として、コメントをさせていただきました。

 詳細は省かせていただきますが、一般論として「お役所仕事」の背景には「法令順守義務」というものがあり、
「決められたとおりにしかできない」
「決められたことしかやらない」
という縛りの中で、お仕事をしているということがあります。

 私も「公務員のタマゴに伝えたい話」という著書の中で、そのことに触れつつ、「守るだけじゃなく使うことが必要」という視点を説明しています。
  
 一つには「例外規定」と言われる手法を使うことになります。原則はこうですが、このような場合は別な対応ができますという規定で、「ただし書き」という言われ方もしています。
 お客様のお話をよく聞き、この「例外規定」の運用を行うのも、役人としての力量と言えます。

 そして、さらにもう一つの「使い方」が、今回のマカピーさんの記事へのコメントに記載した内容になります。
「ルールはこうです。破った場合はこのようになります」
ということで、破った場合の利害を説明します。

 勘の良いお客様には気づいていただけます。
「破っても実害は無い。又はたいした害はない。じゃぁ、ルールを破る」
ということに。ここで、注意が必要なのは、ルールを破ることを推奨しているのではなく、ルールを体系的に説明しているだけ。ということです。

 このような書き方だと、少しわかりにくいと思いますので、税金の収納事務で説明しますと。
市民 「今月中には納めなれない。来月の10日まで待って欲しい」
職員 「納期限は変更できません。今月中に収めてください」
という形になり、押し問答になることや、お互いに気分を害することがあります。時に炎上案件にもなります。このような場合、私なら

「法令上、立場上、納期限を過ぎて納めていただくことを良いとは言えません。ただ、来月10日に納めていただくのであれば、それまでの間、何かお客様の不利益になる行政行為はいたしません。立場的には良いとは言えませんが、お客様が納税証明が必要になるなどのことがない限り、実害はありません」

というような説明で、実務のやりやすさを選択することがあります。よくある手法として
「立場上、良いとは言えませんが、実務上は大した問題は無いです」
という説明をさせていただくことになります。内部的にも、外部的にも。
 このような行動により、内部的には良く反感を買います。
 本人としては法令や制度、実務を十分に理解した上で「形式論」ではなく「実益論」に基づく行動なのですが、なかなか内部では理解していただけないことが多いですね。

「ここに、『こうしなければならない』と書いてあるじゃないですか」
という意見を良く聞くのですが
「それを破った場合、『どうなるか』までを含めて、法令順守じゃないですか。ルールを破ったらその罰を受けるまでが法令の範囲です」
と、シラっとした顔で応えてしまうのです。
 違う言い方をすれば
「時速60㎞の速度制限がある道路で、法令を順守し60㎞以下で走行するのは当り前です。しかし、何らかの事情により60㎞以上出した場合、その罰を受けるのも、法令順守なのです」

 繰り返し申し上げますが、法令等を破ることを推奨するものではないです。が、時には
「法令等に違反するリスクと、得られる成果を計りにかける」
ことも、実務者としてはあっても良いのでは、と考えることがあります。
 そういう視点で考えた「公務員×ファンタジー」の創作物語が「元宮ワイナリー黎明奇譚」となります。
(「はかり」と入力して変換しようとすると「謀り」が第一候補なのです。不思議です)

 最後になりましたが
 マカピーさん、アフリカでの、更なる御活躍を祈念いたしますとともに、アフリカから、リアルタイムな楽しい記事を期待しています。
 また、口にはしませんが、拙著が「アフリカデビュー」することを、心の中で期待しています。


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