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【創作SS】(再掲)最後の魔法  #シロクマ文芸部

 平和とは、娯楽を楽しむことができることかもしれない。スマホに映る古典的な手品を得意とするマジシャンを観ながら、ふと、そんなことを考えた。

 そのマジシャンはYouTuberとして活動していたが
「子ども騙し」「古い」「時代遅れ」
というコメントがYouTubeにいくつも寄せられていた。それでも彼は、地味な手品の動画を流し続けた。

 コイン、カード、白鳩を使うエンターテイメントは、子どもから大人まで安心して楽しむことができ、言葉、世代、国を越えてファンが広がり続けた。

『レディース&ジェントルマン、おとっつぁん&おっかさん、おじぃおばぁ&子どもたち。これから、ミーの一世一代、最後の魔法を贈ります』

 タキシードにシルクハット姿で、世界に向けてメッセージを贈ると、深々とお辞儀をした。
 手にしたシルクハットから、無数にも見える白鳩が飛び出した。嘴にはオリーブの苗。

 刹那、世界中のパソコンにメールが届き、画面を白鳩が羽ばたき、文字が流れた。

『地には平和を人には愛を』

 数秒間、世界が愛と平和に包まれた。 
 後に「伝書鳩パーティ」と伝えられる奇跡の時間である。
 
 手品師の行方は誰も知らない。
(本文ここまで)

#伝書鳩パーティ

 以前「たらはかに」さんの企画に「伝書鳩パーティ」参加したお話を、冒頭を変えて微修正し
#シロクマ文芸部

さんに参加です。

 ちょっと狡いですが
『これが福島太郎のやり方よぉ---』

 さて、有名な都都逸に「玉川カルテット」さんの
『金もいらなきゃ 女もいらぬ あたしゃも少し 背が欲しい』
がありますが、書き手として時々、思うのです。
【金もいらなきゃ 人気もいらぬ あたしゃも少し平和が欲しい】

 今より少しでも、未来が平和で安寧であって欲しいと心から願います。

 と、実は前から申し上げている次第です。また
#地には平和を人には愛を
というタグは、某国の戦争前から使用しています。私の活動の根底、目指しているものとして「世界平和」があります。

 さて、当地での笑い話に近いネタとして、「前の戦争」という話題について、「第二次世界大戦」ではなく「戊辰戦争」を思い浮かべるというものがあります。
 戊辰戦争の正義は、私には解らないですが、結果として「会津ワイン」が誕生したことは、私としては意義があると感じています。

 また、拙著「スプラウト」では「国と闘う」「沖縄」という要素がありますが、これらは平和を願う気持ちを込めておりまして、その他の作品でも「人間讃歌」と対立する軸として「国家や戦争」があります。

 今の日本は「ほんの一部、平和」と考えていますが、平和を構築してくださった先人たち、全面的に平和とは言えない現状を意識して
#かこに感謝し今を受け入れ未来を夢見て
生きていきたいのです。

 だから、精一杯書き続け、足掻き続けます。
 最後の魔法を目指して。



サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。