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【駄文】黎明奇譚のことなど

 黎明奇譚というのは、拙著「元宮ワイナリー黎明奇譚」のことになります。こちらです。「公タマ伝」、「公タマ伝第2集」に続く、「公務員三部作」の最終章という位置づけです。

紹介文には、

『「公務員のタマゴに伝えたい話」が実用書よりの内容であったのに対して、今作は少し不思議な公務員小説です』

とあります。まぁ、正確に言えば「小説」というよりも、「物語」という印象です。私の創作全てに言えることですが、基本的には「こんなことがあったとさぁ」と語るような、騙るような話ばかりです。

 不思議なことに、現実世界では
「9割以上本当の話なのに、少しの嘘や間違いが含まれる」
と一気に信用を失い、全て信じていただけなくなることがあります。逆に創作の世界では
「9割以上が嘘の話なのに、少しの現実的な話が含まれる」
と、「全て本当の話なのではないか」と、一気に信憑性が増すようです。

 そんな訳で、福島太郎はリアルでは「ペテン師」と称されますが、創作の世界では「リアリティ」を感じていただけることが多いにあるようです。

 しかし、私の本質は「ペテン師」に近い「講釈師」と自負しております。基本的には「見てきたように嘘を書き」ということなのですが、そこに、知識と経験によるエッセンスをプラスすることになります。
 この「黎明奇譚」では「公務員に対するアンチテーゼ」をエッセンスとして加えています。

 公務員に対して有する印象として
「何もしようとしない」、「理屈ばかりで行動しない」、「前例踏襲」、「先送り主義」、「挑戦しない」
というネガティブな想いがありますので、
「動いてみますか」
という言葉を零しながら、未来のために行動する主人公を描いています。元にしたエピソードは、郡山市にある「ふくしま逢瀬ワイナリー」です。

 執筆にあたりお世話になりましたので、今も応援しています。ただ、誤解の無いように申し上げますが、あくまでも「モチーフ」とさせていただいただけですので、「黎明奇譚」の主人公と私は、全く別の存在ですし、実際にあった出来事ではありません。ただ、「たった2年でワイナリーが誕生した」という話に、私が妄想を膨らませたことになります。

 そして、新作の「光流るる阿武隈川」(光流)については、こちらのお店と店主をモチーフにしています。

 木幡の隠津島神社に通いながら、このお店と店主を知り、ウェブサイトを拝見して、妄想を膨らませたことになります。
 お客として何度か訪問していますが、創作のためにお話を聞いたり、取材的なことはしないで書き上げました。逆説的には取材をしてしまうと、その話に引っ張られてしまい、「嘘が書きにくくなる」ということに、最近気が付きました。「黎明奇譚」では、その辺りが失敗というか、多少現実に寄せたような部分もあり、ギミックを入れるような面白い展開が無く、スーっと話が進んでしまいます。

 で、この光流は「黎明奇譚」とは逆にギミックは満載して、キーワードとして「見守る」ということにしています。主人公を見守り応援してくれる方々が、良い仕事をしてくれました。

 こんな感じで、どの作品も、かこの作品の繋がりとか関係性がありますので、かこの作品を読んでいただけると、より楽しんでいただけるかなぁ、と作者的には考えています。
 ちなみに、前作の「夢見る木幡山」には、クラウドファンディングの話で「知人の話によると」というエピソードがあります。この知人というのが「木幡ベース」の店主のことでありまして、店主から話を聞いたことにより、クラウドファンディングに深みが加わり、助かりました。
 なお、「夢見る木幡山」は、事実に拘りながらも、主人公役には全く取材をしていません。主人公がいろいろと語る部分が、ほぼ妄想ということになります。

 交流作家を標榜する身として、リアル、note街を含め、様々な方からのインスピレーションを光として集め、いつか輝くような作品を世に送り出したいと考えています。もっと良い作品を生み出せるよう、修行をしてまいります。泥のような存在でも、磨くことで光ることを目指していきます。

 これからも仲良くしていただきますようお願いします。


サポート、kindleのロイヤリティは、地元のNPO法人「しんぐるぺあれんつふぉーらむ福島」さんに寄付しています。 また2023年3月からは、大阪のNPO法人「ハッピーマム」さんへのサポート費用としています。  皆さまからの善意は、子どもたちの未来に託します、感謝します。