「経済論は感情論」?

 2013.07.20 参議院選挙投票を前にして、投稿した内容を。備忘録として。  

この間も仲の良い知り合いと議論しました。・・・原発の稼動につ いては「安全面(危険度)」については言わずもがな、「経済面」 においても、稼動すればどこまでも尽きる事無くつぎ込まざるを得 ない・目先の電気料金ではなくトータルのコストで一番高くつく・ しかも何らかの有事の際にはとてもカバーできない出費になる、と いう事は自明のはずなんですが・・知り合いは「経済のためには稼動はやむなし」との持論を曲げませんでした。 

もちろん個人の意見はそれぞれにあり尊重されるべきものですが、 しかし「せっかく景気が良くなってきたのに、ここでまた(電気料金のUP等で)冷えるような事をすべきでは無い」「民生用より連続運転する工場などの業務用の方が多いし、医療用等の電気をSTOPするわけにはいかない」「知り合いにもいるが小さな町工場なんかは今より更に出費が増えたら倒産」「今すぐに原発STOPしてすぐに代替のモノがあるのか」「CO2の排出は」等々の意見を聞いていると・・・やっとはっきりしてきたのは「経済云々で稼動を認める、というのは感情論だな」という思いです。 もちろんその感情の出所が善意から出ている事は良く知った間柄、わかっていますが、しかし反論したい(と言うか、した(笑)!)。 

まず、日常生活の根幹、ベースとなる基本電力を確保するのは当然 不可欠な事であり、その確保の為には「当面の間」火力発電を主として展開していかざるをえません。福島原発が収束もしていない今は非常時です。片肺飛行でも、だまし騙しでも何とかやっていかな ければならない状況でしょう。 電気料金が上がるのは(本当に必要な分!)は受け入れる必要がありますし、覚悟はあります。 何より国民全員で痛みを分け合う必要があるでしょう(勇ましい事を言うだけでこの点を明言しない政治家に説得力は無し!)。日常 生活においても過度な節電ではなく、しかし今までのような享楽的な消費生活は見直す必要があるでしょう。そして何より自分達さえ 良ければという姿勢ではなく、何とか現状を国全体で乗り切ってい こう、という視線であらゆる事に関心を持っていく必要があるでしょう。 関心を持つ、という事は、たとえば集められた予算が適切に使われるように注視するような事から、今から拡大していくべきあらゆる再生可能エネルギー利用が正しく発展していくのに障害となっているような「規制」を何とかならないかと発信し、訳の分からない国内外での一部の人間だけが利益を得るような構造を認めない、等の前向きな姿勢を持つ、という事です。   

電気料金が上がりさえしなければ、知り合いの町工場は苦しい状況から脱する事ができるのでしょうか?それこそまずは(株価がどうとかいう話ではない)実態経済が向上すればこそ、ではないのか?   一国のCO2排出量(批准目標はあくまで平時の話)をどうこう言う前に本来は地球全体での状況を取り沙汰すべきではないのか?大国の参加しない排出量評価の妥当性は?いずれにしても、今しばらくの猶予を認めてもらう必要がありますし、その為の交渉も必要でしょう(やったのでしょうか?)。   現在のエネルギー問題、原発の代替手段等に、即効性のある夢の解決法など無いでしょう。それでも稼動する・稼動し続けるより、いろいろ大変だけど稼動しない方がはるかに、はるかに「マシ」なんです(あえてこの表現を使います。一番しっくりくるので・・・)! 「はるかに」には、何万倍とか、何百万倍とか比べ物にはならない意味をこめていますのでそれ以外の選択肢はありません!    

加えて・・麻薬に例えるのは不謹慎かも知れませんが、やめるのは今しかありません。 使い続ければ自分だけでなく周りも滅ぼしていく・・・。しかし麻薬と圧倒的に違う点は、「次は無い」という事です。 次に一度でも3.11同様被害が起きれば今までの国の形を保った ままのやり直しは不可能です。そして稼動する限り、起きないという可能性が限りなくゼロなのは 、もう周知の事では?   ゆえに、いまだに稼動を唱える理由としては「(一見もっともな経済論に似た)感情論」「イデオロギー」「原発側関係者の保身」以外には「既得権益との癒着」と「外圧」しか残っていないと思うの です。    なにより・・・・次の世代に危険なモノを残してツケを払わすような事はアカンのちゃいますか? (今まで疎かにしてきた)私らの世代で終わりにせんとアカンのちゃいますか?

2020.10.05追記:

現在の気候危機はイデオロギーなど一瞬で消し去るほどの状況となっています。一刻も早く、という意味での対症療法も必要という観点から、当面の温暖化ガスの排出を如何に抑えるかについては上記のような二項論では語れない、複雑な状況となっている事を感じます。

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