フィリピン政府 半導体、再生可能エネルギー分野を経済成長の柱とする方針 〜官僚的な手続きの簡素化や外国資本の誘致が課題〜

フィリピン政府は半導体および再生可能エネルギー分野を経済成長の柱として注力しており、官僚的な手続きの簡素化や外国資本の誘致に取り組んでいます。

フィリピンの最大の輸出品である半導体および電子機器分野を優先する考えを示し、特に半導体やその他の電子機器の組み立て、テスト、パッケージング能力を増強することでさらなる成長が見込めるとしています。

一方で、半導体産業は利益を生むが、依然として付加価値の低い領域にとどまっていおり、より高い付加価値の生産領域に移行するためには包括的で戦略的な産業政策が必要であるとの指摘があります。

2024年第1四半期には、電子機器が引き続きフィリピンの主要な輸出品となっており、輸出額は104.7億ドルで、前年同期の92.3億ドルから13.43%増加しました。半導体の輸出も15.3%増加し、71.4億ドルから81.4億ドルとなりました。

フィリピンは、アメリカのCHIPS(半導体生産促進法)から利益を得ることを目指しており、同法は52.7億ドルの連邦補助金を、同盟国など海外企業も含めた半導体製造支援に充てます。

また、再生可能エネルギー(RE)分野も主要な成長の原動力とされており、2023年にフィリピンがREプロジェクトへの外国資本の完全所有を認めたことが背景にあります。実際外国直接投資(FDI)の関心がこの分野に集中しています。

4月1日時点で、1.57兆ペソ相当の51のREプロジェクトが政府機関で迅速な承認と登録のための「グリーンレーン」を通過することが承認されています。現在、フィリピンのエネルギーミックスに占める再生可能エネルギーの割合は22%ですが、2030年までに35%、2040年までに50%に引き上げることを目指しています。

フィリピンへの外国直接投資(FDI)拡大の主な障害は、官僚的な手続きと政府機関の腐敗であると指摘され続けています。

再生可能エネルギープロジェクトの許認可を簡素化することで、建設期間を1年未満に短縮できるとされています。フィリピンの発電所の開発における最大の障害は、多数の許認可や署名を取得する必要があり、承認に長期間を要することでです。

政府機関は、エネルギー省に許認可事項を集約して簡素化すべきだとの意見があります。

許認可を迅速に処理すれば、再生可能エネルギーの発電所は、従来の発電所に比べて建設期間が短くなるとされています。(太陽光は9ヶ月、風力は18ヶ月、バイオマスや水力は24ヶ月で建設可能)

本記事は、下記ニュースを要約したものです。

https://www.bworldonline.com/top-stories/2024/05/29/597994/semiconductors-renewables-to-drive-phl-growth-go

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