LUUPの電動キックボードに乗ったよ
電動キックボードとはなんぞや
キックボードと私
キックスケーター、ないしキックボードといえば、幼いころに園庭で外遊びの時間に乗り回したものである。我が園では「スケーター」と呼んだ。乗れるようになるまではそこそこ練習が必要だった気もするが、もはや覚えていない。自転車同様初速と思い切りが大事なのだということは知っている。
今思うと、あのような不安定な乗り物を、ノーヘルで、他の園児が鬼ごっこする中をブン回すというのは、大層危険なことではないかとも思う。ただ、スキーの経験を援用すれば背が低いのであれば必然重心も低いので、安定性については大人の体感よりは「ある」といえるのかもしれない。
特定小型電動機付「自転車」
電動キックボードは、そこにモーター(電動機)をポン付けしたものであり、電動機付き自転車の一種である特定小型原動機付自転車に区分される。
どう見ても原動機付自転車と呼ばれるモノは、(一文字づつ分解すればそうかもしれないけれども、)それもこれも「自転車」じゃない見た目をしている。もっとも、本田家の宗一郎さんが開発した原初の原動機付自転車の商品は、自転車に取りつけるためのエンジンとタンクだったので、当時の国家公務員が「官僚的」言語センスを発揮したわけではないはず。
いずれにしても、先日は道路交通法の改正がなされ、電動キックボードの運転に免許が不要になった件がニュースになって各所を騒がしていたので、私に限らず気になっていた人は多いだろう…。というわけで今日に至る。
LUUPで借りる
本日は散歩のついでに幹線道路沿いの大きめのスーパーマーケットまで買い出しに行った。その際、駐輪スペースにシェアリングスペースが用意されていたので、ちょっと遠くまで歩いたし体験乗車してみようと考えたのだ。
アプリを知らベてみれば初回ライド30分無料のクーポンコードがあるとのことなので、これ幸いと取りついたわけである。
LUUPの会員登録は、名前・生年月日・電話番号・メールアドレス・クレジットカード情報が必須である。最近は各所でLUUPを見かけるのでアカウントを持っていても損ではないかもしれない。
しかし、キックボードの登録に関しては本人確認書類の撮影が必要だ。これは恐らく16歳未満の子供が軽率に乗り回さないようにするためだろし、乗り捨てや人身事故などの法的トラブルに対応するためのLUUP側の自衛なのかもしれない。ただ、審査後でないと乗れないというわけではないので、安心してほしい。
借りるときは、車体のQRコードをアプリで読み取り、開錠。目的地となる返却場所(ポート)まで運転したら、またアプリで施錠し、キチンと止めたことを撮影して報告するだけである。
サクッと借りて返せる。便利だ。
電動キックボードに乗る
さて、電動キックボードにRIDE ONしよう。
とその前に、電動キックボードのレンタル前には、道交法に関するクイズを全問正解しなければならない。チャレンジは何度もできるが、自動車学校で一度は教本を読んでいないと、カンの悪い奴や記憶力のない奴は最初から満点は取れないだろう。きっと。
私は一次の筆記試験の事前テストで落ちまくったのでちょっとトラウマである。というか、やはりこいつを無免許者に運転させていいのか。7月の違反件数352件中半数が信号無視だぞという、気持ちが湧いてくる。
無事クリアできたら、乗車だ。
片足を乗せてもう片足で大地を蹴った後に、モーターを始動すれば勝手に進んでくれる。回転数もボタンの押し込み具合で自由自在だ。自転車同様ハンドルを握りこめば、ブレーキがかかる。
もっとも、他の方の様子を見るに、電動キックボードの初乗りはやや怖いらしい。私がサクッと乗れたのは冒頭で触れたようにスケーターを幼稚園時代に乗り回していたからだろう。乗り物の乗り方というものは忘れないらしいからね。
ここで、乗って感じた電動キックボードの特性をまとめよう。
・気軽に乗れる
乗り方としてはスケーターと変わらないので、電動機で加速している間は足が疲れないので便利。今回は坂を避けて運転したが、踏み込めばかなりパワーがあるので、速度さえ出していればある程度の上り坂は何とかなるかもしれない。問題は下り坂。平坦な市街地利用が前提だが、山ノ手を始め、東京は思いのほか坂の町なので、慣れない地勢で乗るべきものではない。
・思いの外直進性がある
加速すれば直進性はかなり高いので、ふらふらとなるわけではない。電動キックボードは全身で操縦するので、ふらつくのであればそれは体幹の問題だ。鍛えろ。
・安定性に欠ける
重心が高いため、自転車よりは高い目線で街を見れるというのはやや新鮮。アトラクション感はややここに起因するだろう。ただ重心が高いということは、安定性に欠けることも意味する。転倒時は相当の高さから頭を打ち付けることになるはずなので、正直ヘルメットが欲しいなという不安感を感じるところがある。
また、急加速・急減速の際は、頭の先からつま先までかなり慣性がかかって後ろに持って行かれるため、これは避けなければならない。車体を股で挟み込んでいるわけではないので、手を離したり足を滑らせるだけで車体から振り落とされるだろう。雨の日には乗りたくない。
・段差の衝撃が大きい
小径タイヤであるため、段差を乗り越えた際の衝撃は相応にある。古いアスファルトやその継ぎ目での走行では気を使うだろう。恐らく電動キックボードの一番の危険性はここにあるだろう。乗りなれた時に牙を向いてくるはずだ。
・全身が露出している
自転車やバイク同様全身が外気にさらされているため、転倒時の衝撃を和らげるものは一切ない。そのため、高速走行時は怖い。怖いので、安定して自立する程度のノロノロ運転をした。よくよく考えると、子供のころに自転車の6ギアで疾走していたのが怖くなってきた。
・自転車同様自動車はクソ怖い
歩行者には凶器となる速度と重さだが、自動車から見れば、周回プレイ時のさいしょのまちのスライム、といったパワーバランスなので、これに乗って幹線道路の端を走るものではない。自転車レーンが無いと乗りたくない。あるいは、車通りの少ない住宅地や裏通りで、「ちょっとそこまで」という時に欲しい乗り物だ。というかうちの国は、道は狭いは自転車レーンはないわで、諸外国とキックボードの運用条件が違うのよ。
・小回りは効くようで効かない
曲がるときに困るということは一切ない。しかし、いかんせん全長が長く、自転車と違って折れ曲がるわけでもないので、その場での方向転換にそれなりの面積が必要だ。電動機がある分重く、とっかかりもハンドルしかないので、自転車のように座席とハンドルを掴んで「よいしょ」とするのは不可能だ。
・荷物は乗らない
スケーターなので、当然の如く荷物は乗らない。手提げ袋などは重心が外側による危険があり、腕にかかる鞄は当然のことながらハンドリングを制限するので、不便。
総評としては
たのしいのりもの
幹線道路を疾走するのは避けるべき、地形の分かる地域生活圏内での移動が安心
しかし荷物は乗らない
自転車より低い安定性・安全性に、電動キックボードが持つ気軽さや利便性が釣り合っていない
無免許を乗せんな
というあたりか。うーむ、やはり二足歩行こそ至高だった。
まとめ
というわけで、電動キックボードに乗ったという日記だった。
チョイノリには楽しいが、欠点のやや多いのりものであったということで。
今日のふたこと。
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