PS5にもProject Wingmanが来たぞ!!

表題の通りである。

かねがね評判は聞いていたものの、PCゲーム環境がないフラシュー好きたちからプレイステーションへの移植を心待ちにされてきたProject Wingmanが、PS5にも登場したのである。

と、言っても「Project Wingman: Frontline 59」がリリースされたのは2023年10月4日なので、卒論を終えてようやくDualSenseを握ることができるようになったと言える。

「Project Wingman」の世界って?

Project Wingmanの世界は、環太平洋造山帯(リング・オブ・ファイア)で発生した大噴火や大地震のために地形が変わるほどの被害を受けた遠未来。

現実のリング・オブ・ファイア。

AC(After Calamity)…大厄災後の世界に生きる人類は、大厄災の一因となった「コルディアム」と呼ばれる物質をエネルギーとして利活用し文明を維持しており、コルディアムを採掘できる地域とそうでない「辺境」に二分された。環太平洋造山帯を支配下に収める「太平洋連邦」は、ディストピア的な体制を維持しながらも(あるいはそれが故に安定し)、強硬な対外拡張政策を推し進めてきた。

連邦の本土は西太平洋地域にあるらしい。しかし日本はいったん滅んでそうな地図だ。

しかし、連邦のエネルギー源ともいえる旧アメリカ西海岸の「カスカディア」では連邦の強硬な対外政策に対する不満が高まり、ついにAC432年に連邦からの独立を主張するカスカディア独立軍が蜂起する。

しかし世界最強国家への宣戦、そして連邦派と独立派による事実上の内戦の形となった独立軍は案の定組織的な抵抗能力を失いつつあった。

そんな状況の中、連邦構成国での契約終了を目前にしていた傭兵組織「シカリオ傭兵団」は、傭兵ネットワークからカスカディア独立戦争の情報を得る。リーダー・カイザーはそこで一儲けできると考え、カスカディア独立軍と連絡を取ってカスカディアの独立戦争に参戦することを決定。

シカリオが擁する戦闘機部隊・HITMANチーム隊長のモナーク、要は主人公も連邦との戦いに身を投じることとなる。

「Project Wingman」ってどんなゲーム?

PWのいいところ

エースコンバットプレイヤーから見れば、自然災害に翻弄される世界(リングオブファイアと1994XF04/ユリシーズ)、傭兵のパイロット(HITMANとフェニックス隊)という符合だけで、開発者はよほどエイセスが好きなんだろうと分かるだろう。

遠い異国の地で味噌ラーメンを注文したら、思っていた通りの味噌ラーメンが出てきたような感じのゲーム。
エー〇コンバットが好きな人は<これだよこういうのがやりたかったんだよ>となることうけあい

https://steamcommunity.com/id/Theoryiv/recommended/895870/

steamにはこんなレビューが鎮座する程である。

しかし、エースコンバットとProject Wingmanの違いは何かと言われれば、高速で戦闘機を駆りながらも「ただひたすら目の前のコンテナを赤色にしてミサイルぶち込む」ゲームであること。

エースコンバット最新作の7も面白いゲームであり、シリーズ伝統のトンネルくぐり、渓谷飛行、巨大兵器以外にも、様々なギミックを取り揃えて私たちを楽しませてくれたが、コンバットフライトアクションをやっていて単純に楽しい瞬間というのは、エネミーのケツを追っかけ、爆散して粉々になった敵機がキャノピーをかすめる瞬間や、急降下爆撃の後爆炎の中スティックを引きこむ瞬間だったりする。

エスコン7より。DLCのM01の大規模空戦のほうが単純に楽しいといえばそう。

全ての敵機がドッグファイトしがいのあるマニューバをしてくれたり、機関砲が当たりやすかったり、ミサイルを避けるフレアもほぼ無制限に投下できたり、特殊兵装もある程度自由に積めるなどといった調整のお陰で、「目標をセンターに入れてスイッチ」することだけに没入できる。

先述の通り、巨大兵器は出てこないが、エアシップと呼ばれる巨人機やレールガンをしてくる架空機などとも戦えるので、印象に残る敵機も多い。

射程外からレールガンを浴びせてくる強敵。無誘導爆弾ワンショットキルが気持ちいい。

そしてPWの良ポイントとして多くのプレイヤーが挙げるのが、複座機に乗った際に兵装システム士官として乗ってくれて、無線での賑やかしに入ってくれるプレジデントちゃん(愛称プレズ)の存在だろう。

エスコンといえば無線劇が有名で、そのフォロワーであるPWも例にもれず無線劇があるが、本家では複座機に乗った際に後部座席の人が全く喋らないのである。謎の人がついに脚光を浴びたのである。

勿論、BGMも素晴らしい。この点については作曲者のJose PavliさんがYouTubeに動画をアップロードなさっているので、プレイリストの頭の方を聞いてみるのをお勧めする。

いまいっぽのところ

とはいえ、ほぼ一人開発のインディゲーム故の粗削りさなどとっつきづらいところもある。

PWにはチェックポイントが存在しない。地形や巨大機との接触ダメージは相応にあるので、ちょっとした操作ミスやふと気を抜いた瞬間にミッションの最初からやり直しになる。

この手のゲームはそれなりに慣れた上で念のためイージーで始めた人間なので特に問題がなかったが、初心者の場合は足かせになるだろう。

またムービーが一切ないので、ストーリーは全編無線となる。しかし無線が全編英語音声のため、戦闘機の操縦で忙しい中画面下部をチラ見しないとストーリーが分からない。さらに読解難度に拍車をかけてくるのが、架空世界固有の用語の羅列である。一応ゲーム内辞書もあるものの、日本語ネイティブの場合はそれありきになりがちでもある。

翻訳してくれただけありがたいって?そりゃそうだよ!
要はフラシューニュービーには無茶だって話である。

そして先述したいい点であるプレズちゃんが乗ってくれる複座機が少なすぎること。PC版では全機複座機に改修するMODや複座機じゃなくてもプレズが喋ってくれるMODがあるほどである。複座機増やしてくれ。

最後に

このnoteを書くに当たって、念頭に置いていたのが、フラシューニュービーにもProject Wingmanは勧められるかというものだった。

結論としては分からない。

エスコン7の問題点としては各ミッション限定のギミックが難しく、常に難題を吹っ掛けられている故に成長を実感しずらいというのがある。PWはその点ミサイル連射してればいい。飛行機の操作は結局体で覚えるしかないのでそこは甘んじて受け入れよう。

ただ、UI/UXやストーリー読解の観点ではやはりナムコが作ったエスコンの方がよっぽど優れている。全編日本語音声だからね。チュートリアルもエスコンの方がまだ親切だ。

値段としては、エスコン7は発売から数年経ってPS版は3300円になり、ときたまセールをするぐらいである。PWも2970円とお手頃だ。

そういうわけでどっちも良ゲーであり分からんのである。好きな方を買え!そして根気よくプレイするのだ!


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