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みちたりる アラフィフリセット 

コチラのnoteをご覧いただきありがとうございます。
私のkindle本「みちたりるアラフィフリセット」の冒頭部分です。

もし、
今、あなたが自分が思い描いた場所にいなかったり、妙に焦って色々こじらせているのなら、気がすこし休まるかもしれません。

よかったら読んでみてください。

ありがとうございます。

「みちたりるアラフィフリセット」はじめに 

この本を手に取ってくださってありがとうございます。
あなたは五十代と聞くとどのようなイメージをお持ちですか?


自覚はないのに、年下からは初老扱いされ、年上からは若手と言われる中途半端なお年頃。それが五十代だと私はおもっています。

私は西暦1972年、第二次ベビーブーム生まれの主婦です。十八歳と十六歳の息子がいます。

子育てもそろそろ『自立』というゴールが見えかけています。ふと人生を振り返ってみると、「あれ、思ってたのと違う」と呆然とすることがあります。

私の場合は人間関係とお金のことです。

人間関係とは主に夫婦間です。
私は夫にモラハラを受けていました。

モラハラとネットで調べるとビックリするくらいの検索結果が出てきます。

友人は数年前にモラハラ夫から子供を連れて逃げ、最近やっと離婚が成立したそうですが、お金でとても苦労しているみたいです。

そして、お金の問題は彼女だけではありません。物価は上がっているのにお給料はそのまま。なかなか厳しい世の中です。


副業という言葉を当たり前に聞くことが増えました。

個人で稼ぐ力をつけようと動き始めている人がいます。

副業の収入が本業より上回っているサラリーマン、自宅にいながら稼ぐ主婦、大学生社長など様々な働き方をしている方がいます。

そういう方達を見ていると、一人だけ世の中から取り残されたような気持になり、以前の私は焦りのような、あきらめのような、惨めな感覚で毎日を過ごしていました。


数年前までは「こんなはずじゃなかった」ともがいていました。

ですが、今は日々穏やかにワクワクしながら暮らしています。

この本はモラハラ夫との接し方、どの副業が一番稼げるか?などのノウハウ本ではありません。

私は泥臭く遠回りをしてきました。

こんな本誰が読むのだろう、こんな恥ずかしいこと、本当は書きたくない。やめちゃおうかな、と実はとても悩みました。

でも、もし、これを読んでくださったあなたが、何かをくみ取ってくれるなら、意味があることになるかもしれません。

これから少し私の話をきいてくださいますか?


あの頃私は、気づいていなかったんです。

 

 

目次

はじめに

人形

理想的な日々

何かが違う

本当はどうしたい?

理想と現実

親不孝

君に夢中

もらうレッスン

戻らない夫婦関係

こんなんじゃぜんぜんたりない

美しい人

砂の城

ステイホーム

そういえばこんな人だった

諦めた

いつものように

真っ赤なトマト

おわりに(あの頃には戻りたくないけど)


人形

あの頃、気づいてもいなかった。私は私が大っ嫌いだった。

丁度、次の2020年のオリンピック開催地が日本に決まり、【お・も・て・な・し 】が大流行していた2013年頃、私はとても嫌な人間だった。
平均的なごく普通の中流家庭の主婦。

仕事に介護職を選んだ理由は、他の仕事より時給がいいから、3K(汚い・臭い・キツイ)と言われる仕事だが、亡くなった父と同世代の利用者さんのお世話をしていると、父への罪滅ぼしをしているみたい。

私の方が救われている。

そこそこ、やりがいを感じつつ、仕事休みには我が家でママ友とのおしゃべりが唯一の楽しみだ。

我が家で集まる事が多かったのは、私の自慢だから。だって、我が家は一から建築家に頼んで作った注文住宅。

ママ友が来るたびに、「ほんと、たりるの家はカッコいい」「雑誌に出てきそう」「いいなぁこんな家に住みたい」と聞くのがたまらなく好き。

私がひけめを感じるのは独身時代の話。
大学生活の話などで、盛り上がるときは、ただ、ニコニコ笑ってやり過ごす。

私は美術大学を二浪して、結局専門学校に進学した。

特に、苦々しく思っていたのは、私が進学したかった美大卒のママ友が話すとき。彼女は、ポケットの位置やボタンの素材などシンプルなのにこだわりのある綺麗な色の服を着ていることが多く、遠くから歩いていてもすぐわかるような目立つ存在だ。


彼女はママをしながら陶芸家としても自宅で作品を制作していて、お宅にお邪魔すると、同じく陶芸家の旦那さんと彼女の作品でお茶やケーキが出される。お宅はごく普通の古い家なのにまるで古民家カフェにいるみたい。


彼女と比べ、既製品で満足してしまう私の中途半端な自分のセンスに軽くいら立つ。


でもでも、うちは注文住宅。食器は既製品だけど、うん、負けてない。

ママ友との会話はまるでポップコーンみたい。
ダイエットの話、子供の話、冬に上映予定のディズニー映画の話、お互いの仕事のことなど。楽しいけれど、結局あとで何も残らない話。

楽しいけれど、あとで少し疲れる話。


なんでだろ。


中でも盛り上がるのは、夫の愚痴大会。
不思議なことだが、結婚当初、あんなにも愛し合ったはずの夫婦がなぜ、子供を授かるとこんなにもお互いのことが面倒になるのだろう。
これは私が住んでいる地方だけのことなのか?


とてもおしゃべりで声の大きいママ友は、いつも通り、
「聞いてよ!うちの旦那むかつくの!」夫のダメさかげんを面白おかしく話しはじめる。それにかぶせるように、他の友達が、「それを言ったらうちの旦那だってぇ~」と、どんどん話が膨らんでいく。私はニコニコしながら話を聞く。


「それにしても、たりるちゃんの夫クンは、のんびりしていていい人だよね」と先ほどから大きな声で話していたママ友が、私の夫をほめてくれる。

私は待ってました、とばかりに、鼻にかかった、甲高い声で、
「えー。そんなことないよぉー。でもね、この前、花束をかってきてくれてぇ びっくりして『なんで?』って聞いたら結婚記念日だったの。私、完全に忘れていて、夕食は干物だったの」

ママ友達はワッと盛り上がる。

「いいなぁ」「たりるちゃん、結婚記念日忘れちゃうなんて抜けてるよね」「花束なんて、絶対うちの旦那は買ってこないよ」

私は心の中でニヤリとする。

夫は平均年収より多く稼いでいるサラリーマン。無駄遣いをしなければ私が働かなくてもなんとか暮らしていける。

介護職に就こうとしたときも「なんで?働かなくてもいいじゃん」と夫は言ってくれたが、子供も小学生になったし、ゆくゆくの為に、と言いつつ、ぶったちゃけ、自分の洋服もオシャレなものを買いたいし、美容院も、もう少しいいところに行きたいからが本音。

結婚当初、お互いにある程度の貯金があり、夫は安定のサラリーマン。穏やかでやさしい義理の父と母。他のママ友の話を聞いていると、嫁姑問題や夫婦関係など大変そう。


私は他の人よりアタリだなと、心の中でまたニヤリとする。


さんざんしゃべり倒したママ友とのお茶会を終えたその日、少し疲れ気味の声で「ただいまぁ」と夫が帰ってきた。楽しかったお昼の出来事を話しはじめると、最初ニコニコとお酒を飲みながら聞いていた夫が、  
「いいよなぁ。暇で」と言った瞬間、声色が変わる。


あ、しまった。話過ぎた。私は地雷を踏んでしまった。

昼間のママ友とのにぎやかな空気がピリピリとした空気に代わる。


「だいたいさぁ。そんな昼間からチンタラできるのは誰のおかげ?」
やってしまった。始まってしまった。夫クンの機嫌を損ねてしまった。

「・・・。夫クンのおかげです」

夫はとてもいい人だ。

だけど、ある一線を超えてしまうと、機嫌が悪くなってしまう。

楽しい話をしすぎた。
私が悪かったな。
気をつけなきゃ。


およみくださり、ありがとうございます。


ここまでおよみくださりありがとうございます。
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