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恒大集団のデフォルトリスクをどうみるか(週次市場ウォッチ、21/9/28)

市場の今の関心は中国恒大集団(Ever Green)の行方だ。

破綻リスクが懸念される中で株価下落の場面もあったがやや落ち着きを取り戻しつつある。

背景は2つあり、共産党や当局の動き、海外への2次波及リスクが思ったより小さそうな事だ。

実態は掴めないが、デフォルトした場合に備えたの再編支援に共産党が直接動いているという報道が出てきている。

同社に貸し込んでいる地銀に中国当局が直接指示を出すなどの動きもあるようだ。

仮に上記の動きが正しければ、デフォルトしても中国の金融市場への波及までは至らない(そのように共産党も動く)のではないかとの思惑だ。

また当社に出資する海外投資家の資本棄損リスクを警戒する声もあったが、出資割合は限定的で、投資家経由の2次波及もないだろう。

恒大集団の倒産はありうる、ただその波及リスクは限定的というのが今時点の見方だ(私もそうだが市場も)

心配は中国不動産価格の急落リスクだ。個人的にはすぐにはない(中国の個人の不動産需要は強い)が、日本でいつか来た道になる懸念はある。

その懸念が顕在化するとしたら、中国の共産党の舵取り、特に行きすぎた共同富裕(格差拡大への対応)への取り組みの結果だろう。

共産党は日本のバブル崩壊をよく研究しているはずで、小バブルの間に潰そう(今回の恒大集団もその一環)としてるのではないかとみている。

その考え方はよく理解できるが、コントロールできるのか、しばらく市場に試される局面が続きそうだ。

そのほか米国ではFOMCが開催され、11月のテーパリング、ドットチャートで示された22年以降の利上げ再開の可能性など、やや踏み込んだタカ派発言がサプライズだった。

結果先週は米金利上昇、一方恒大集団の懸念が弱まり米株もリスクオン、日本もリスクオン、結果ドル円は円安ドル高となっている。

先週末終値
米株(ダウ) 34,798(前週比+2.4%)
日株(日経) 30,249(前週比▲0.8%)
米10年利回り 1.4(前週比+2.4%)
ドル円 110.7(前週比+1.2%)

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