注目小型株・企業研究【4930:グラフィコ】オキシクリーンだけではない魅力

こんにちは、タリクンです。私自身の備忘もかねて、注目している小型株の企業評価を記載しています。同社は2020年に上場したばかりの洗剤・健康食品の卸・商品開発会社です。かの有名なピーターリンチの投資戦略を地で行く感じの会社になるのでは？と注目しています。

取扱商品で「オキシクリーン」「なかったことに！」というというとわかる方もいらっしゃるのではないでしょうか？

株式会社グラフィコ ［GRAPHICO］

事業の特徴に対する見方

事業の特徴はファブレスでの商品企画販売です。商品は洗剤（オキシクリーン）、健康食品（なかったことに、満腹30倍など）が中心です。医薬品製造会社も買収したので、今後自社製造の可能性もあります。

洗剤市場全体は拡大しないものの、オキシクリーンの商品訴求力はかなり高いとみています（家内もべた褒め）。健康食品は一度顧客をつかめば継続販売できるエリアで、こちらも強みです。売り上げ構成はオキシクリーンが6-7割を占めていて偏ってますが、小型株はそんなもんという理解です。海外売上がまだ数％にとどまるのも、伸びしろありということで高評価です。

オキシクリーンは米国製品ですが独占販売権を持っていますので、かなりの強みです。現時点では無借金で、かつ卸売なのでオキシクリーンに万一のことがあっても、つぶれることはなさそうです。さらに医薬品製造も買収したので、より幅広い開発を期待できます。ただ自社製造は投資ストック（工場）のリスクを負うことになるので、将来的にバランスシートが重くならないかは注視が必要そうです。

私が注目したのは、家内の商品に対する評価の高さです。ピーターリンチではないですが、この事業領域で主婦層に人気というのは成功の最大の条件です。さらに注目したのが、企画開発は100%女性ということろです。心をつかむ商品が生み出し続けられるかがこのビジネスモデルのポイントです。

企業業績と株価に対する見方

次に業績（P/L）を見てみましょう。20/6月期の売上高は約35億円、営業利益は約2.34億円です。ファブレスなので製造会社と一概に比較はできませんが相応に高い利益率です。前期売上は33.7億円、その前は28.1億円です。IT業界のようなグロース株ではないので、堅実な伸びという理解です。

貸借対照表（B/S）も見てみましょう。自己資本比率は79%の無借金会社です。かなりの安定志向ですが、やや成長に対して慎重すぎる（もう少し借入を活用してもよい）ように思います。ポジティブに取られれば、急拡大よりも経営コントロールを重視しているのかもしれませんし、ネガティブに捉えれば財務戦略に課題があるのかもしれません。

株主構成と株価に対する見方

株主構成を見てみると、20年末時点で、経営者の長谷川氏が4割強、その他経営陣（旧も含める）と6割近くが株主のようです。株式の流動性はかなり低く、投資家にとっては購入しにくい面があります。まだ決算を挟んでいないからかもしれませんが、株式分割するなどにより流動性を高めた方がよいように思います。

会社四季報ベースでは、21年初の株価は4,530円、21/6期の予想PERは23倍程度です。同業他社対比だとやや割安感もありますが、足元日本株全体のPERが上がってしまっているので評価は難しいです。ただ、足元の業績対比ですので、コロナからの回復を考えれば実態のPERはもう少し低いようにも思いますし、業績予想も慎重な印象でした。

よく使われるPER＜EPSの収益伸び率という視点ではどうでしょうか。21/6期の予想EPSは1.95億円、20/6期が1.85億円なので、5%の伸びといういみではPER＞EPSと割高になります。実際には利益はもっと出るとみているので（PERが下がり、EPSが上がるので）実際は＝ぐらいかもしれません。

株価のトレンドを見ると、上場時に10,000→4000-6000円台で推移です。やや期待が高すぎた反動で下がりましたが、ある程度期待の剥落も済んで、実力通りか、どちらかといえば割安なレベル感かもしれません。

上場したあとの保有者のロック解除がされると一旦下がるかもしれませんが、その時が買いのチャンスかもしれません。

流動性の低さが嫌気され株価停滞という状況ですが、何等か手立てが打たれれば、また業績が堅調推移が確認されれば期待も上向くかもしれません。現時点では不人気なのですが、きっかけ次第な気がしています。

IR・財務戦略は気になるが、事業戦略面の期待大。割安感あるが、いつ上昇に転じるかは不明。忍耐強く待つ銘柄

注目株ということで当社のIR情報などからざっと見ていきました。事業戦略面は期待が持てます。IR・財務戦略にはやや課題があるように見えます。我慢の中長期投資銘柄にあたるかと思いますし、その判断は割安かどうか（あるいは割安になるのを待つか）という感じかもしれません。