SLA方式3Dプリントの洗浄

結論から先に。ポリプロピレンの丈夫な45Lポリ袋にIPAを500〜1,000mL入れ、大きめのバケツの中にポリ袋ごといれて刷毛で洗います。床やテーブルにIPAの飛沫が飛ぶことはなくなりましたし、最後に一式をバケツの中に仕舞って蓋をしてしまえば邪魔になりません。

IPAはポリ袋に入れたままタッパーに保管します。タッパーに入れなくてもいいですがとんがった出力物でポリ袋に穴があくと大変なことになります。

タッパーは3つ用意して、汚れたら順送りして5−10回使ったら処分します。これは以前と同じ。密封できるバケツを使えばタッパーもポリ袋も要らないんですが、バケツが場所を取るのと順送りの際にバケツ洗うのが面倒なので。

バケツはこちら。サイズが充分なら何でもいいんですが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ステンレスなどIPAに耐性のある素材のものを使いましょう。でっかいやつの方が作業は楽ですが、あまりでかいとフィットするポリ袋の値段が高くなります。
https://www.monotaro.com/p/8868/9501/?displayId=5

ポリ袋はバケツの内寸に合ったものを買います。レジ袋のガサガサしたのは高密度ポリエチレン、縁日の金魚すくいでもらう透明の伸びのあるのは低密度ポリエチレン。低密度の方が柔軟性があって扱いやすいです。

ちなみに文房具などが入っている透明度が高くてパリパリした感じのやつは、ポリプロピレンだそうです。

念のため

レジンやIPAは決して素手では扱わないでください。使い捨てのニトリルゴム手袋を使いましょう。あの青いやつです。私は貧乏性なので5回使って捨ててます。10回使っていると破れる確率が高かったのですが5回だとそれほどでもありません。この辺は適宜加減してください。脱ぐときにはそのまま裏返しにして汗を乾かしておき、装着するときにはまたひっくり返してエアダスターで膨らませてから指を入れます。

使い捨てではないニトリルゴム手袋もありますが、厚手で指先の感覚が鈍ってしまい、不器用な私は使いこなすことができませんでした……。

これまでの経緯など

少し前まで確立していたのは、
1. 100均のタッパーを3つ用意し汚れ順にIPAを500mlずつ入れておく
2. 出力を一番汚れたタッパーに入れて刷毛で洗う→順送りで3段階
3. 紙ウエスで大まかに拭き取った後エアダスターでIPAを飛ばしてから後硬化

これでだいたい5-10回使ったら一番汚いIPAを処分して順送りし新しいIPAを空いたタッパーに入れます。処理時間もかからないし、仕上がりもキレイだしコストも安いので最初の1年までこれでした。

状況が変化したのは、Elegoo Saturnの導入です。デカイ。でかくてタッパーに入らないし、プレートの面がいい感じにザラザラで出力物が簡単に剥がれてくれません。でかい超音波洗浄機を買おうか、でかいタッパーを入れようか……といくつか試行錯誤したのですが、飛沫が跳ねたり収納が面倒だったり、そもそも仕上がりが不十分だったりしたので、冒頭の方法に落ち着きました。

ビルドプレートから外しやすい形状の時にはSaturnに付けたまま剥がしちゃうのですが、大物で剥がしにくい時にはビルドプレートを本体から外してIPAの入っていないビニール袋に入れて、その中で剥離作業を行います。こうすると突然出力物が剥がれてもレジン汁が飛び散らなくて安全です。当然ポリ袋は使いまわします。

なお私はレジンを入れ替えた時だけしかビルドプレートを洗いません。ビルドプレートも洗うのであれば、IPAの入っている袋の中で作業しても良いかと思いますが、ビルドプレートは一度拭き取った方がIPAが長持ちして結局コストが下がります。なお、出力物のレジンを拭き取ると表面に傷がつくことがあります。

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