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月下の雪

神様のカルテ 第三話 月下の雪





生きていて苦しくなった時、どうしようもない時、この話を読むことにしている。


呟こうとしていたツイートを何度も削除した。投稿しようとした「note #生きねば5」も下書きに保存した。今日も私は気落ちしている。




誰かに何かをされたわけでもない。仕事で大きなミスをしたわけでもない。プライベートが絶望的なわけでもない。ただ、大きな変化に苦しみ、100%の実力を出せないことに納得がいっていないのだ。


「上手くいかないな」
「間違っているのかな」
「必要とされているのかな」
「先生に向いていないのかな」




こうやって、自分で自分を追い込んでしまっている。
現在、絶不調である。



「そろそろダメだなぁ…カルテ読もう…」
真夜中に窓を開けた。夜風が心地よい。
ドッグイヤーの付いた、199頁を開く。



第三話 月下の雪。主人公の内科医である一止が、癌末期患者の安曇さんの誕生日を祝う傍ら、二日後に病状が急変し、亡くなってしまう。自分のした行動が「本当に正しかったのか」医者としてすべきこと、患者の想いを聴き入れることの狭間で揺れる一止。そんな時、天国からの手紙が届く。




この話を、苦しくなった時に私は読み返す。大切なことは「私が決めることではなく、相手が決めるということ」どんなに、自分が納得のいったことだって、相手が「NO」と言ったら「NO」でしかないのだから。反対に、自分で「NO」と思っていても、相手にとっては、十分がんばってるよの「YES」かもしれないのだから。そんなに悲観しなくて良いよ。と、背中を押してくれるようなお話。




そして、もう一押し。子ども、保護者、同僚…沢山大切なメッセージを頂いてきた。一人ずつ、ゆっくりゆっくりと思い出す。手元にある手紙は読み返す。自分のしてきたことに自信はない。けれども、これまでの私の軌跡を感謝の言葉たちが「これで良いんだよ」と、勇気づけてくれる。





よし。まだ、頑張れそう。
私は、私らしく。あなたは、あなたらしく。

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