ナガサキ市

 都市同盟を構成する一市。フクオカ奪還戦争のち、講和条約として都市同盟へと譲渡された2272年に建設されたが、それ以前は長らくルタオ人の支配下にあった。ルタオ人側の資料では、2170年ごろすでに彼らの都市として存在していたらしい。
 2296年、都市同盟の立派な一員となったことを示すため植民市をコトウラに建設する。
 大陸やウミムコーとの貿易で栄えるが、次第にその富によって貧富の差が広がり、シコク戦争直前はかなり退廃していたらしい。帰還兵であるヨネサワ・カズハルは戦後になっても相変わらず富裕層が専横を極めている現状を憂え、自ら民会の長となって三十年近くナガサキを統治し、『僭主』と呼ばれた。
 ヨネサワはその治世の最後まで大きな事件に遭うことなく天寿を全うするが、逆に彼の死後ナガサキをうまく制御できる人材がいなかったことが都市同盟とルタオを巻きこむ巨大な内乱『キューシュー戦争』の発端となってしまう。