モノシリ

 カンサイ地方以東の国々に居住する、知識の保存と継承を目的とする少数集団。大きく「文字系モノシリ」と「科学系モノシリ」の二つに分かれ、前者は歴史資料などを扱い、寺社勢力やキリスト教会などがその基盤となっていることが多く、後者は古代末期の科学技術を保持しているためしばしば科学者の子孫。
 王や貴族でさえ文字が読み書きできないカンサイでは文字系モノシリは重宝され、しばしば秘書や財務官などに抜擢された。一般に蒙昧な民衆を嫌って集団で閉鎖的な生活をしているため、世間ではいい印象を持たれていなかった。しかし彼らが書き記した記録は当時のカンサイ史がわかる一級資料である。

 科学系モノシリに関しては分かっていることは少ない。文字系モノシリとは違って国家に重用されることがなく、基本、山奥に居住していたらしい。
 フクイ人はアキタを「モノシリたちが科学で統治している国」と表現しており、また、カントーがオーサカを征服する際、古代末期に使用された兵器を復元して活用したことがオーサカ側の記録からうかがい知れ、その背景にはアキタの滅亡を逃れカントーに移住した科学者の存在があるようだ。
 オーサカがカントーに滅ぼされ、カントー自身も内乱で間もなく自壊すると、モノシリ組織も自然に解体していった。以後、カンサイではモノシリに代わって内乱から台頭していった文武両道の貴族層が文化の担い手となっていく。