TV少年H

60年前、TVは白黒放送時代、沖縄の南端小島電気もラジオもない。4コマ漫画、四角い箱T…

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60年前、TVは白黒放送時代、沖縄の南端小島電気もラジオもない。4コマ漫画、四角い箱TVで映画が見られるという。 魔法の箱解明すべくパスポートと着のみ着のまま上京。東京の放送局キー局入社、失敗だらけから40年間番組を放送し続ける、超面白エッセイ。

最近の記事

1106 知恵

 都会の子供達を見る時、伸び伸びと遊ぶ場所や自然を見つめ、自分を見つめる場が少ないのには、考えさせられます。 子供は、遊びや自然との触合いの中から世間を見、色々な事に興味や疑問を感じ、人間や自然のルール、正しい心のあり方を学びとって行きます。 親の育て方にも問題があるのではないだろうか。 子供は誰しも、多少の癖やそそうはあります。 その部分を拡大するのではなく、良い点を10倍20倍にも拡大。 信じ見守ってやるべきで、子供は親に信じてもらえなければ、誰に信じてもらえるのだろうか

    • 1105 花の予備校

       夜学時代はともかく、入社後も仕事に付き合いに、睡眠時間4時間の連続でしたが、今だに風邪ひとつ引いた事がありません。 3番目は、自然の中で育ち、色々な事に疑問を感じながらヒントを得、知恵を使う訓練が出来ていた点です。 どんな難問だとしても、どこかに解決策があるはずで、知恵を使う大事さは言うまでもありません。 4番目は、小さな貧しい島での生活から生まれた、周りの親戚や村人同士が助け合い、思いやる心です。 部下を持った時、100人いれば、100人に思いやる心が大事で、自分さえよけ

      • 1104 部族を維持

        本土の人には、なかなか理解出来ない事が、しばしば南の島では起こる。 陸続きでない為、また、その昔はエンジンなるものがなかった為、往来が難しく、方言や風習等、目と鼻の近い島でも違いがあるのだ。 黒島にも数十の部落名が残っており、其々の集落が自分達の子孫、部族を維持、守るため、他部落との交流や結婚などを嫌ったと言う事が実際にあった。 島の古老達の方言を聞いていると、色々な発見、考えさせられるものがある。 方言で「痩せる」は「ヤギ」と言う。 動物の山羊から来ているのかと思うと、動物

          1102 東京スカイツリー

          この地区の島は、サンゴ礁で出来ているため、耕作地が少なく、重税感は過酷を極めたとの事。 島々には石を高く積み上げた、見晴らし台があり、税金取締役人の船を発見すると、各島へ狼煙で連絡され、村長は、税金対象物を隠させ、島一番の美女を引き連れ、少しでも納税額を軽くするよう、役人を饗応し、村人を守ったと言う。 島人達が、汗にまみれ積み上げた見晴らし台、ささやかな税金逃れをし、生き延びる、歴史と知恵の結晶でした。 国民の生活を守るのが、政治家。 税金逃れや天下りが、取りざたされる毎日。

          1102 東京スカイツリー

           1101 西表島

          そして、この残された自然を観察すると、動物たちは、月の引力による旧暦での行動。 黒島では、旧暦の決まった日の満潮時、島中のカニが、一斉に海へ向かい産卵をします。 道路や砂浜までが、足の踏み場もないくらい、カニで埋め尽くされ、これ程のカニが生息していたのかと思わせる数。 海は、卵で赤く染められ、殆んど魚の餌食になる中、わずかながら、生き残って行くのです。 甲羅が5センチ以下のカニ、どうやって産卵日を計算しているのだろうか? 年に一度、間違いなく日時を計算し、一斉に産卵する自然の

           1101 西表島

          1099 魔法の箱物語

          普段は、15、6頭の牛を庭先の牧場で放牧し、牛には家族の名前をつけ、子や孫と話すように、牛と対話しながらの生活。 いち早く血統書に注目、島根県産の血統書付母牛を導入。 初めの内は、訝かられたそうですが、今では血統書が重宝されるようになりました。 牛は、子を産む事に、角に一輪ずつ節目がついて行きますが、父の牛は、血統書の生年月日と、節目の数がぴったり合う、いわゆる、毎年子供を産む安産型、骨太で肉付のいい優良牛だったのです。 その牛を競売に出したところ、今までにない最高値が付き、

          1099 魔法の箱物語

          1098 テルビ

          親に隠れ、おじいちゃんの位牌に線香をあげる、中学1年生の息子を感じた時、一人旅は、無駄ではなかった。 学校では学べない、大事な事を南の小さな島で、学んで来たな、と。 おじいちゃんも、孫と1カ月間、同居出来、天国へのなによりのお土産だった事でしょう。 ひかるの父は、島で生まれ育ち、島から出た事がありません。 勿論、テレビなんて物は見た事もなく、何度言い聞かせても、テレビの発音が出来なく、テルビ、テルビと、言っていました。 役場や農協の窓口の事務員を捕まえ、息子が東京で、テルビを

          1098 テルビ

           1097 恐怖の体験

          ひかるの息子、光一が、小学校6年生の夏休み。自然との触れ合いや冒険を体験させる、良いチャンスと、島のおじいちゃんの所へ、一カ月間、一人旅をさせました。 12歳で飛行機や船を乗り継ぎ、2000キロも離れた島への一人旅、不安だった事だろう。 島へ着いた夜9時頃、息子からの電話。 「おじいちゃんが、寄り合に行き、一人でいるけど、オバケが出るよ! 怖いよー、今すぐ帰りたいよー」と、泣きべそ。 無理もありません。周りは家もなく、静寂そのもの。 時期的に、コウモリの大好物な、防風林の福木

           1097 恐怖の体験

          1096 別れ

          昭和63年4月、父危篤の報に、急ぎ帰郷。 しかし、父と会えたのは、息を引き取ってから既に15時間が過ぎていました。 ひかるがきっとテレビを運んで来ると、ひかるの作ったテレビが見られる日を、生涯の楽しみにしていた父は、突然心筋梗塞に襲われ、79歳で帰らぬ人となりました。 ひとつ屋根の下で住みたかったのに・・ 許してくれ! 少年の夢を見守ってくれて、 有難う・・ 有難う・・ 冷たくなった父を抱きしめ、何度も何度も呟きました。 お互い死に水は取れないと、覚悟の上とは言え、何の反応も

           1094 防風林

          太平洋に浮かぶサンゴ礁の島は、リーフに打ち寄せる白いさざ波と、砂浜で、二重に縁どられ、家々は、四角い石垣と、鮮やかな緑の防風林にかこまれ、サンサンと降り注ぐ光と、鮮やかな原色の中、大地を踏み鳴らし、指笛を吹き、拳を握りしめ、力強く、激しい陽気な歌と踊りの世界に、汗あり、人々は、嬉々として、活気づいております。 そして汗ばんだ体を、夕凪が心地よく洗い流していく頃、待ちかねたように現れる一番星。 静寂の夜も深まり、ひときわ心を揺する、潮騒の音。 見上げると、満天に光り輝く星空。

           1094 防風林

          1093 二十歳の夢

          いち早くコンピューターを導入、ステンレスを設計図通り自由に曲げる技術を確立し、列車や飛行機の厨房システム、ホテルの大型厨房システムなどの特別注文品を作れる会社を設立し、二十歳の夢を見事に実現して見せのです。 小さな島から着の身、着のまま上京、金やコネ、頼れる人とてなく、自分の夢を追い続け、寸分の狂いない技術を確立するには、どれだけ知恵を絞り徹夜をしたのだろうか。 「この工場の地には、俺の汗が沁み込んでいるんだ」と言った言葉は、忘れられません。 共に少年時代を南の小島で過ごし、

          1093 二十歳の夢

           1092 サンゴの花

          親サンゴは、動く事出来ず、自分の産んだ卵が、生き延びているのか、生死すら確認する事叶わず、2度と会う事も出来ず、ただひたすら、子の無事を祈るだけ。 私たちに、生き延びる厳しさを教えてくれ、まかり間違っても、殺めないで欲しい、と叫ぶ、親サンゴの願いが届くはず。 そしてサンゴの産卵、潮の流れが風となる、命の舞。 一度見ると、サンゴに対する愛着と理解が、一層深まるのではないだろうか。 また、黒島のサンゴに囲まれた海面下、1メートル前後の岩に、ある日忽然と、直径十数センチくらいの、岩

           1092 サンゴの花

          1091 珊瑚の産卵

          美しく咲き乱れるサンゴ群、実は厳しい条件で、生き延びているのです。 サンゴの育成には、年間18度以上の海水温度と、ある程度の塩分濃度、透明度が高く、太陽光が届く条件が必要です。 しかし日本の最南端、八重山地区は、地球の母なる大河、黒潮が満たしてくれます。 また、このサンゴは、紛れもなく、口も胃もある、れっきとした動物だとの事ですが、自然界に同じ形は二つとなく、段々花畑のように作られたサンゴ郡の景色を眺めるとき、人間の作り上げた日本庭園や町並み等、比較に値しない事が、歴然と感じ

          1091 珊瑚の産卵