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20230815 北深志(松本市) #風景誤読
序章~北深志へのいざない~
2023年7月12日。こどもがクリスマスや誕生日、お正月までの日数を数えるようにその日を待っていた。はじめてのバイクの納車日だった。見惚れるようなマシンで公道を気持ちよく走ってみたい、自転車ではたどりつけない場所へ、どこまでも。。。欲求が生まれ購入の決心をしてから一年と半分ほど。店へ赴いて未来の相棒を確定させ売約してから2週間ほど。実に長い日々、長くもまだ見ぬ楽しみにあれこれと想像を膨らませ、振り返るとそのことがじれったいと思われてた日々に彩りをもたらしていたような。。。
一つ、バイク買ったら長野県を北から南に横断しようと思案していた。私は毎年お盆には親の実家である長野県北部の野沢温泉村に何日か滞在するのだが。長野県は自然豊かで雄大な山岳に囲まれた平野が広がり走るときれいな景色と気持ちの良い道が至る所にある。あそこに行ってみたい、ここを見てみたい、自由に動き回りたいとずっと考えていた。北部の野沢温泉村を拠点に中部の長野市を中継地点、南部の松本市と目的地を定めて、ツーリングへ行こう。長野を改めて堪能しよう!!
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お盆前に納車が済んだことでこの想像は現実的な計画へと変わった。私は嬉しくなって会う人々に自分の計画を話していた。「風景誤読」の発案者?責任者?であるたかしなにもこのことを話し、そこで初めてこの「風景誤読」のことを教えてもらった。取り扱う町の一つに松本市のとある町が含まれていると!なんという偶然。これはもはやめぐり合わせと呼ぶべきか。しかしもっと早く教えてくれてもいいのに。。。
なんか距離置かれてるかな。。。
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ともあれこの企画に松本の町が含まれていること、私のツーリングの目的地が松本であることには運命的なものを感じた。私も北深志の散歩に参加することとなった。
▼たかしなが7月に松本を歩いたときの風景誤読
本章~北深志を歩く~
2023年8月15日。朝の8時に野沢温泉村を出発して長野市で観光がてら休憩し、松本に到着したのは14:00頃。もちろん移動手段はバイク。道中は最高だったが長くなるので省略...
北深志の前にまずは駅へ。その後松本城へ。実は信州大学を受験しに松本に来たことがあり(不合格だったのでお久しぶりというわけです...)、北深志の前にそのことを懐かしみたかった。でも結局覚えている場所も多かったが急に当時の心境を思い起こすようなことはなかった。残念。5,6年も前だったので記憶は薄れ、街並みも変化したかもしれない。懐かしむには時間が経ちすぎたということなのか(悲しみ)。受験会場の信州大学の構内にでも侵入すれば記憶がブワッと脳裏に浮かぶ体験ができるかもしれないが、時間に余裕があるわけでもないので断念。
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松本城を東の門から出て北へ。どこからが北深志なのかがわからないのでとりあえず写真だけはパシャパシャと残しておこう。ところで「北深志」という地名についてだが、私は以前千葉県の「東深井」という地に住んでいたことを思い出した。なんとなく縁を感じる。。。
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とりあえず先駆者たちが歩いていった通りへ向かおう。それと昼ごはんも食べてないのでいい感じの飯処があれば寄りたいな。
歩いていると立派でおしゃれな建物が!開智小学校...こんなおしゃれな小学校があるのか。錐形の展望台、エントランスにどっしりとした円柱、深い紺のテーマがなんとも上品...私立なのかな?調べてみたら松本市のホームページに学校紹介があったので公立っぽい。
(ていうかよく見たら松本市立って書いてあったわ。。。)何気なく通う学校がこんなおしゃれな建物だなんて羨ましい。。。
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そういえば私が通っていた公立の小中学校はどうだっただろうか。開智小学校をおしゃれな校舎だと思ったけれど案外自分の母校も綺麗な建物だったのでは?
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本当は足を運んで写真を撮り思い出に浸ったりなどしたいところだけどちょっとめんどうなのでGoogleEarthにて失礼。改めて見るというより当時の記憶を思い返すという具合だが、なかなかこちらも負けてない。当時は全くそんなことを思わなかったけどかっこいい校舎じゃん?茶色屋根の建物が校舎で縦に並んでいるわけだが、端を揃えずにずらして配置している。ずれたことで前にスペースが生まれて広場になっているのがいい。それとエントランスの上の壁画みたいななにか(?)もかっこいい。
ガビガビGoogleEarthなので読んでくれてる人には母校の外観をあまり伝えることができず残念なのだがそのうち赴いて浸りつつ写真撮りたいね。
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更に目的の通りに向かって歩いていく。まだ通りにすら着かねえ。。。脚も疲れてきたな。バイクと違って頑張って進んだ感があっても実のところは全然進んでいない。駅の近くにバイク置いて歩いてきたけど近くに来てから降りればよかったかな。。。などと思っていた矢先に武家屋敷が視界に飛び込んできた。
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せっかくなので入ってみた。歩き疲れた休憩がてらでもある。展示内容を読んで見ると松本藩の藩邸なんだとか。今で言う社宅?柱とふすまで分けられているだけのように構造に見える。台所はわかりやすいが、他の空間をどう使って生活していたのかいまいち想像しづらい。ごはんを食べるときは?寝るときは?暇な時間は?内装はともかくとして、北深志に松本城城下町としての側面があることを知った。
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屋敷を出て更に歩くと、ようやく企画の先駆者たちが歩いたと思われる通りについた。少し歩いてみると確かに物寂しい。個人商店はいくつかあるけどどこも活気があるようには見えない。抜け殻みたいだ。町には昭和、平成初期の臭いがあちこちに残っており、耳をすませばモー娘とかSPEEDだとかが聞こえてきそう。街灯はモダンな雰囲気だが一体いつの時代のモダン(現代風)なのだろうか。。。
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先駆者の記事を読んで特に気になっていた場所についた。書き込みを直に見てみると、どうしても公民館を残してほしい。壊さないでほしい必死の訴えが強烈に主張してくる。少なくともこの人にとって旧公民館がどれほど日常に馴染んでいたのだろうかということを伺うことができる。いや狂人の所為にしか見えんか...
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↑文章ですら滑舌が悪い?
マップを見てみると信州大学のキャンパスがあるらしいのでそこまで行ってから駅に引き返すことにした。どこまでが北深志なのかよくわからなかったのだが、ちょうどいい塩梅じゃなかろうか。
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大分北深志周辺を歩いたが瓦屋根で雰囲気のある建物が多いことに気づいた。昭和の建築も多いだろうがいくつかは江戸時代や明治に建てられた建築もあるんじゃないだろうか。ここは古い町であることは間違いない。武家屋敷を残していることもそうだし、戦後開発されてできた住宅地とは全く様相が違う。ルーツは松本城の城下町かなと考えつつ詳しく調べてみたくなったので帰りに松本の書店に寄って地域の資料を探してみたが特にそれっぽいものは見つけることができずに退散した。悔しい。。。
帰る時間を考えると余裕がなかったこともあったが、書店を巡ったり資料を探したりという経験に乏しかったのが敗因であろう。
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終章~北深志を出て、そのあとの旅の記録を少しだけ~
疲れてきたので気晴らしに気になった写真をライングループにあげたりしていたらたかしなもここ松本に来ていることがわかった。いや偶然すぎるだろ笑。せっかくなので松本駅でちょっとだけ落ちあうことに。
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high five coffee stand 旭店
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カフェを出てから松本駅近くに戻り少しブラブラしたのち、16:00過ぎ頃。たかしなと松本駅前広場で落ち合えた。松本で取材をしていたんだとか。電車で何時間もかけて来たらしい。お互い今日のことを少し話して10分程度で別れた。
朝出発してからずっと一人で行動していた。一人旅というものはなにも縛るものがなく気の向くままの行動が楽しい。行動がずっと自分の内面に沿っているような気がして充実した気分だし孤独も心地よい。でも、やっぱり寂しくなる時間はある。今となりに誰かいてくれたらな、という気持ちになる時間が。割合にして1%あるかないかくらいの時間じゃないだろうか。たかしなとの邂逅はちょうどこの1%を埋めてくれたような感じだった。まあ会えて嬉しかったということです照。
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所本駅前播隆上人像
別れた後、駅そば屋を見つけたのでかなり遅めのお昼をいただく。お昼というかもう夕方なのでがらんとしていた。ピークタイムは学生、サラリーマンなど人で賑わっているだろう。頂いた駅そばはただのそば(300円)。少しくたっとしていて具もなく華がない。食券を渡してからすぐ出てきた。見た目通り少し柔らかいがその分つゆがしみてていい味だ。今日は台風が接近していて少し涼しく、温かいそばがとてもおいしい。空きっ腹が満たされて元気が出てくる。後半に卓上の七味をかけて味変し麺を食べきり、最後残ったつゆを少し飲んだあと器をカウンターの上に置く。声をかけて店を出た。
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17:00を過ぎた頃になった。松本での用はあらかた片付いたので駐輪場に向かって歩いて、この後どうしようかと考えていた。松本を出た後、近くにビーナスラインという峠道があり(参考:ビーナスライン)そこをバイクで楽しむ予定だった。しかしもう日が暮れる頃になっていてただでさえ今から帰っても2時間くらいかかってしまうしあんまり遅くに帰るのも嫌だったので悩んだ。せっかく松本まで来たのにビーナスライン走れずに帰るなんてもったいないな。。。結論自体はもう出ていた。今からまた別の目的地を増やしたら帰りが何時になるのかわからない。それに暗くなって帰りの景色を楽しめないのはごめんだ。帰るしかない。
残念感がぬぐえないまま歩いているうちに、ひらめいた。またくればええやん。一回来たきりでなにもかも味わった気になって満足してしまう。それで今後旅の候補から松本が外れる。それに比べてまた今度、また来たいを残したまま退散することのなんと幸せなことか。来年のお盆にでもまた松本に来て、そうしたら今度こそビーナスラインで夏の高原の絶景を堪能しよう。それとお昼は今度は駅そばじゃなくて本場仕込そば屋のしっかりとしたそば(漫画「そばもん」に出てくるようなの)を食べてもいいかもしれない。北深志にしたってまだわからないことだらけだ。今度こそ聞き込みとか現地資料とか、腰を据えて調べ物をしたい。信州大学の構内にも入りたい。旅に出てどこに行こうとか何をやろうとか、そんな想像の余地がまだたくさん残ってるって、うれしい。
長野市から松本に来るまでは特に、谷沿いを信号も無く綺麗な景色で気持ちよく走れる道がずっと続いていて最高だった。松本に着いてからずっと歩き回っていたのでその分帰りにその道でスピードを出すことが楽しみでしょうがなくなってきた。音楽は何かけようかな。まだしばらくは明るいから景色も楽しめるよなぁ。松本→長野は同じ道でいいとしてそこからのルートは変えてみようかな。早くエンジンの音を聞き、振動を感じたい。バイクに引っ張られて軽くしがみつくような加速感を味わいたい。車体と一体になって駆け抜けるあの感覚を、早く。
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[あおな]
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